※一章読了時点でのレビューです※
皆さん、世界観の作りこまれた美しいファンタジーは好きですか?
瞼の裏に浮かぶ綺麗な色の情景、音となってこちらの鼓膜を揺さぶるような言葉の数々、少し不思議な出来事が起こる世界で、チラつく不穏な影……。
少しでもビビッときた方にオススメしたいのが、本作品。
松下真奈さんの『青い半魚人』です。
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主人公は普通の少女・侑子。昔からよく「ある夢」を見ていた彼女は、ある日突然別の世界に迷い込んでしまう。その世界は、現実世界とは少し異なる「並行世界」と呼ばれる場所だった。
そこで彼女は様々な人と出会い、「夢」の意味を知り、そして時に悩みながらも自分の居場所を見つけていく──……。
そう。“別世界”や“魔法”といったファンタジー要素もありますが、この物語では同時に人間ドラマも描かれているのです。
加えて彼女に絡みだすのは、並行世界の複雑な情勢。この政治面や歴史がとにかくすごく練られている!!
不思議でワクワクするライトな魔法設定がありながら、実際に展開されるのは重厚なストーリーなのです。謎がさらなる謎を呼び、続きへ続きへとぐんぐん引き込まれるお話です。
気が付けば惹かれる、そんな魅力があります。
それを生み出しているのは、展開もさることながら、何と言っても松下さんの文章力・描写力です。
読んでいるこちらも並行世界に迷い込んでしまうような、鮮明で美しい描写には度々息をのんでしまいます。
まずは1話、覗いてみましょう。冒頭から既に素敵な描写に溺れること間違いなしです。
そこから先は、侑子ちゃんと共に迷い込むだけです。
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現時点で話数の多い作品ではありますが、1話の字数が少ないのでさくさく読めてしまいます!
重厚なストーリーとは言いましたが、様々な人間関係・人間模様が現れる会話は時にコミカルで、肩の力を抜けさせてくれます。
その緩急のつけ方もまた、この物語の魅力ですね。
重厚で深いファンタジーが読みたい方、ぜひどうぞ!!
普通に生活している中で、突然並行世界に迷い込んでしまったら…
それがこの『青い半魚人』です。
主人公は、13歳の女の子・侑子。
侑子は、現実世界と似ているようでちょっと違う並行世界に、突然迷い込んでしまいます。
五里霧中の並行世界で、心優しい人たちと出会いながらも、まるで自分の存在を確かめようとするかのように、暗中模索しながらもがく侑子の姿に心が震えます。
やがて見え隠れする様々な謎。はたして、侑子の運命は…
綿密な世界設定、魅力的な登場人物たち、散りばめられた謎。
作者の松下先生は、高い表現力でそれらを色彩豊かに美しく描写します。
また、登場人物たちの並行世界のファッションも要チェックです!
話数が多いですが、及び腰になる必要はまったくありません。
お話はそれぞれコンパクトにまとめられていますので、時間に余裕があればたっぷり読むことができますし、時間が無い場合でも切り良く読み切ることができます。
今時の内容説明まで含まれたタイトルではありませんので、ムムッと及び腰になる方もいらっしゃるかと思いますが、テンプレ設定なファンタジーものとは違う、この作品ならではの面白さをぜひ感じていただければと思います。
興味を持った貴方!
貴方も私と一緒に並行世界に迷い込んでみませんか?