「異郷」を含む小説

　ある辺境国にて、王の三女である恵玲公主（けいれいこうしゅ）は、実は両親の悩みの種。出生時に占い師から「その運命を読むことができない」と宣告されたばかりか、幼い頃から不可思議な能…

曄国に滅亡の時が訪れた。北戎の将軍・猛爾元（もうじげん）は赤く染まる城下を眺め、過去に思いを馳せる。己の運命を左右した皇帝・張傑との日々を――。 ※男性同士の性的な関係の示唆、…

遊牧民カラ・アットの少年キジルは生贄の白鹿を狩った褒美に曄国にて行われる『天還祭』に招待される。彼はそこで姫神子・ユェとであう……。

死者が向かうとされる三瀬川の河原。 そこに留まる小姫と渡し守の、柔らかで悲しい繭のひととき。

少年、速水カイトが目覚めた場所は「技能《スキル》」と呼ばれる超常的な力が手に入る異世界の迷宮。 だがそこで手に入るスキルのほとんどは、使い道の限られたゴミスキルだった。 戸惑い…

古人達の遺した生命の秘密に関わる秘術は、時を経るにしたがって失われつつあった…。 ----------------------------- 〈Introduction〉 その…

セフィーはアルビノとして生まれたがために化け物と呼ばれて生きてきた。 社会になじめないセフィーにできることといったら、真っ白な自分を物珍しさで買う男たち相手にからだを売ることだけ…

十年に一度の、うたまつり。歌で妖怪を封じる能力を持つ一族の少女と、彼女が出逢った青年の物語。 pixivより転載。 主催者：遊び心様の自主企画 https://kakuyom…

全六話。一話目は夢想の中の熱帯を描くどっぷり幻想もの。二話目は『世にも奇妙な物語』系の現代ブラック・メルヘン。三話目はシルクロード風『異世界夢幻能』。四話目は架空の書物からの引用…

今宵、娘は贄として水に入る。幼い頃彼女が為した水神との約束。それが全ての始まりだった。 【和風味】 ※本編を一頁にまとめています(二万字程)。少しずつ読みたい派な方は、よろしけ…

林で茸を採るうちに道を失った少女ユンフォアは、迷いさまよううちに見知らぬ屋敷に辿りついた。 屋敷を取り囲むのは無数の花々。茂みに潜む彼女の前で、男は花に口付ける。 彼女が彼と…

桜舞い散る娼館街、その名はラ・キト通り。 片親に捨てられ泣いていた黒猫の前に現れたのは、若く美しい青年コウノトリ。 淫蕩なラ・キトの娼婦か、リ・セト教会の孤児院か。コウノトリが黒…

北の民の少女リムセは、シラカンバの森カントコトロへ足を踏み入れる。彼女をいざなうのはシラカンバの化生、月神の御使いである青年。リムセは彼に、胸に秘めていた希いをうちあけるのだが—…

四季をめぐっていつかの帝とキサキたちを描く王朝短編集。（一話完結型）

　歩狼隊を率いる翡翠は、満開の枝垂れ桜の下で一人の妖と出会う。刀から銃へ、神の世から人の世へ。激動の時にありながら失われていくものを求める二人は惹かれ合うが、やがて時代の流れが全…

　老人でありながら文武両道に優れ、妖術まで操る楊周（ようしゅう）。その付き人で、体力と食欲だけはあり余っている天然の女の子、小虎子（しょうこし）。二人と驢馬一頭は、自由気ままに諸…

風とともに生きる騎馬民族・イゼカ族のエザンは、自分の娘と族長の長男の新婚生活が平穏であるのを眺めて、イゼカ族にも代変わりの時が訪れようとしていることを感じていた。 このままいけば…

その土地の人々は、死者の声を聞きたければその沼へゆけという。ずいぶん手近な冥界への入り口もあったものだと、半ばあきれながら、私は死者の沼をめざした。

いつになく雨のない日の続いたある午後、コダは河辺で一人の子供を拾った。痩せこけてみすぼらしい少年は、洗うと見違えるように美しくなったが、目を覚ましても茫洋としたまなざしで宙を見つ…

なぜ、旅をするのか。その問いかけに、養父はいっとき口をつぐんで、焚き火を見つめた。それからゆっくりと、昔語りをはじめた。はるか西南の地にある豊かな森林と、そこに棲む、人の言葉を話…