カントコトロの情景が目に浮かぶようでした。明るい、夜。それはきっと、雪の降る夜に似ているのだとおもいます。冬の夜のやさしい気配とひやりとした残酷さを重ねてしまって、リムセのなかにするすると入り込み、気がつけば小話まで読み終えてしまいました。、文化や宗教的な土台のうえに、成り立つファンタジーで、リムセの衣の色に関する描写がとても好きでした。水面下で進む、長編計画を楽しみにしております!
数年前、サイトの方で拝見して、まずことばのうつくしさにうっとりさせて頂いたお話です。「冷たく清らかな銀糸の風」「そのかたちはさながら、ゆるやかに閉ざされたくちびる。」といった表現を眺めているだけで、清らかさと、どこか艶めかしさにドキドキしてしまいます。また、短編ながら、しっかりと少女の成長物語になっているのも素敵です。まっすぐなリムセが倒れかかりながらも走り出すシーンはすがすがしい。思いが通じたレタルとリムセの、今後のお話も見てみたいな、と思います。