概要
「こんばんは、ラ・キト通りのお嬢さん」
桜舞い散る娼館街、その名はラ・キト通り。
片親に捨てられ泣いていた黒猫の前に現れたのは、若く美しい青年コウノトリ。
淫蕩なラ・キトの娼婦か、リ・セト教会の孤児院か。コウノトリが黒猫に与える選択とは――。
西欧風・娼館を舞台に繰り広げられる御伽噺恋愛譚。
片親に捨てられ泣いていた黒猫の前に現れたのは、若く美しい青年コウノトリ。
淫蕩なラ・キトの娼婦か、リ・セト教会の孤児院か。コウノトリが黒猫に与える選択とは――。
西欧風・娼館を舞台に繰り広げられる御伽噺恋愛譚。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!淫靡で退廃的で、きよらかな言葉の雨に溺れる、とっておきの贅沢
“今はもう眠れるお城の足元に、ラ・キトと呼ばれる古びた通りがある。ラ・キト通りに捨てられた子どもたちは、清らかなのは教会へゆき、淫蕩なのは娼婦になる。子どもたちを運ぶのは、真っ黒いコートに身を包んだコウノトリ。”
そんな印象的な冒頭からはじまる、自分ではないものによって生きる道をさだめられた少年少女たち、そして色々なものを拗らせた大人の御伽噺。あるいはモラトリアム。
物語の舞台は、桜舞い散る娼館街、ラ・キト通り。
においたつような湿った文章が心地よくて、たった数行目で追っただけでもう、この世界に耽溺してしまいます。
娼館街だけあって、物語からくゆってくるのは、退廃に背徳といった気だるさ。…続きを読む