暗い部屋。雨粒が窓を打つ。
手元の縄が冷たく光る。
机の上のスマホがわずかに揺れ、光を反射する。
重い空気。息をするたび、胸が締め付けられる。
「閃光、目を開ける」
鏡の中の自分は高校生。
やつれも、疲れもない。
驚きと戸惑いが、目の奥で揺れる。
「過去と未来が溶け合う瞬間」
坂道を歩く。
風が制服を撫で、髪を揺らす。
踏みしめる靴音が、リズムを刻む。
友人・幸春の笑顔、後輩・メルの軽やかな声、柔らかい光が青春の温度を映す。
遠く、「名木山めぐみ」
制服とカチューシャが風に揺れる。
胸の奥がざわめき、握り拳に未来の痛みが宿る。
背景は少し暗く、記憶の影がちらつく。
坂道の頂上、二郎は空を見上げる。
俯瞰で小さく立つ自分。
光が明るくなり、時間が波打つ。
「過去と未来」
2つの自分が一瞬に交錯する心拍が耳に響き、鼓動が文字の隙間を震わせる。
暗転。
静寂。
白い文字が浮かぶ。
「リプレイ・ハイ」
風に揺れる光の粒。
坂の上に立つ二郎の背中。
時間が一瞬止まったような静寂の中、未来を知った少年の選択が、再び動き出す――