図書カードがもらえる!「カクヨム名レビュー発掘会」 goodレビュワー表彰式!(第一回)

カクヨムでは、ただいま総額5万円分の図書カードがもらえる「Wレビューキャンペーン」を開催しています。

今回は、期間内に投稿されたレビューのなかから、秀逸なレビューを毎週5本ずつ選出して紹介する「これは読みたくなる! カクヨム名レビュー発掘会」の第一回発表を行います。
第一回は1月24日〜1月30日の間に投稿されたおすすめレビューが対象となり、選ばれた方には2,000円分の図書カードをプレゼントいたします。

第二回・goodレビュワー表彰式
第三回・goodレビュワー表彰式

今週のgoodレビュワー (期間:1月24日〜1月30日)


goodレビュワー No.1: 十五 静香
田舎の因習、忌まわしい呪い、官能、揃ってます
古くは横溝正史、最近なら岩井志麻子が得意そうな、昭和以前の日本を舞台とした陰惨だが美しく、甘美な世界が格調高い文章で綴られている本作。
どろりとしたどこか薄気味悪い生暖かい体温が伝わってきます。

純愛ブームが騒がれて久しいですが、本作のような愛のかたちこそ、真の純愛だと思います。
綺麗事だけではない、悲しさも不気味さも、醜さも受け入れた気高い愛です。そこにしっとりとした官能があるのは、本物故。

特筆すべきは、ある過酷な運命を背負っているのが、女性ではなく男性であるという点です。
今後の展開に期待です。
── レビュー対象作品: 『獣行の果てに』作者:芝山千代太

運営からのコメント:
「横溝正史」や「岩井志麻子」といった作家名を引き合いに出すことによって具体的な類似作品が想像でき、レビューを読ませる対象者がきちんと絞られている。ひとこと感想も昔の角川文庫的な空気感が出ててそれっぽい!



goodレビュワー No.2: 飯綱屋冬扇
果てしないパンツ愛を感じました
呪いによってパンツをはけないヒロインが召喚されたパンツをはく事で力を得て悪と戦うという、良い意味でバカバカしい設定に感服致しました。
ドタバタ展開が多いものの、シリアスなシーンではしっかりとシリアス。
この緩急の付け方も見事ですし、テンポも良いので読みやすいですね。
ちょっとエッチで、しかし嫌味の無い、ある種の清涼感を感じさせる作品と言えましょう。
私は好きです(笑)
── レビュー対象作品: 『パンツ・イリュージョン』作者: 涼上銀

運営からのコメント:
ひとこと感想だけでもうどんな作品か一発でわかったし、「この人本当にこの作品好きなんだな~」って気持ちが伝わってきた。こういうのが読みたい時にはすごく強い推薦文だと思うのでピックアップ。



goodレビュワー No.3: 秋山機竜
某有名RPG風味の世界観で、貨幣について学ぶ
経済学関連の初歩を有名な某RPG風味にして噛み砕いたものになります。
通信技術の発達していない中世ファンタジーであっても、遠距離の相手と連絡可能なマジックアイテムが存在するため、それほどのタイムラグが発生せずに貨幣価値が変動します。

はい、シノギの匂いがしてきましたね。
主人公たちは比較的魔王たちを倒すことを忘れていませんが、他のパーティーは貨幣価値の差額を利用して金を稼ぐことに心血を注ぐようになります。我々の暮らす社会そっくりです。というか我々の国がやった失敗をなぞっていくことになります。具体的にどんな失敗をするのかは物語をごらんあれ。

そういう生臭さがぷんぷん漂う世界観をコメディタッチで描くことで消臭することに成功しています。いや成功したのか? むしろ強化されたようなしないような?

えーと、とにかく、人間たちの良くも悪くも懸命に生きるがゆえに失敗することをコメディとして描いた物語なので、興味のあるかたはご一読ください。
── レビュー対象作品: 『魔王は呪文を唱えた! モンスターの落とすゴールドが下がった! 経済は混乱した!』作者 六畳のえる

運営からのコメント:
レビューからは『狼と香辛料』を彷彿とさせる。どこがこの作品の特徴なのかを明確に捉えて、良さを伝えている。ラノベと経済は意外と相性がよいので、読んでみたい。



goodレビュワー No.4: 矢口馬太
オネエ探偵って、こんなにかっこいいのか
ドラマのようなバランスの取れた空気感が非常に読みやすいです。
文章やストーリー展開も安定しており、一般に堅苦しく難解なイメージのある探偵ものとは異なり、常にポジティブな明るさが感じられます。
広くライト層におすすめできる作品です。

本宮君も桜井さんも魅力的で、そして何より個性的。
二人の掛け合いやその関係が物語を押し進める原動力となり、気づけば話に引き込まれています。

本宮君は今までにないタイプの探偵・ヒーロー像。
従来の価値観を一新する頼れるイケメンオネエです。オネエですがやはり恰好いいです。
桜井さんは探偵助手にピッタリの女性ですね。
ヒロインとしても視点人物としても魅力的で、割とざっくりしている部分が個人的に好みです。

そんな二人が織り成す探偵物語。
第一の事件が無事解決したところですが、どうやら探偵事務所に平穏は無縁のよう。
続きも楽しみにしております。
── レビュー対象作品: 『♂♀探偵 本宮 忍の事件ファイル』作者 月花

運営からのコメント:
とにかくひとこと感想のインパクト大! で、すぐ気になる。さらにレビュー本文を読んだら作品内容と魅力が明確に伝わってきて、読ませたくなるレビューだなと思った。



goodレビュワー No.5: やどっく
それはもう目前に迫っている未来。不可逆の流れならば待つのではなく・・・
情報分野では既に古典となりつつあるチューリングテストの問いかけから早六十余年。
コンピュータがもはや処理のロジックを与えられるのではなく、脳を模擬した多層ネットワークで学習するのが当たり前の時代へと突入した現在。人間と遜色ないコミュニケーション能力を持った人工知能と共存する社会が目の前に迫った我々はいかに未来を模索すべきか・・・
まさに今、社会で活躍している最先端技術と、活発に研究されている題材を融合させて描かれた近未来が、決して単なるSFではなく極めて実現性の高い予言の様相を見せる本作品は、一方で人間の「意識」について大胆な仮説に基づいた刺激的な超常現象をも盛り込んでおり、いくつもの楽しみ方を提供してくれます。

現状、コンピュータに決定的に欠けているのは「柔らかいハードウェア」。
膨大な科学反応の連鎖が奇跡的なバランスで恒常性を保つ「肉」こそ生命に辿り着くための最期の鍵であり、それが欠けた人口知能はどこまでいっても「思念」止まり。
この「幽霊と人工知能との類似性」を軸に据えた物語が読者に提示するのは、生きているとは何か、そして人間らしさとは何か。

物語の構成は無駄なく練り込まれており、散りばめられたカケラが徐々に符合していく展開にどんどん引き込まれていきました。
読者を離さない絶妙な技巧はさすがの一言です。
加えて、仮想の未来を通して現代社会の内包する問題を炙り出す鋭い視点は、本書に啓蒙書の趣きを与えています。
── レビュー対象作品: 『ゴースト・ターミナル』作者 照井永二

運営からのコメント:
非常にしっかりとした「レビュー」になっている。ロジカルで明瞭な文章、チューリングテストといった語句の引用もあり説得力がある。作品の要点をきちんと理解しており、その上で良さを伝えようとしていることが文面から読み取れた。 キャッチの言葉も秀逸で、作品を読んでみたくなる。



今回選出された方には、これからも素晴らしい作品の発掘と紹介を期待しています。
また、皆様には後ほど運営よりプレゼント発送についてのご連絡をさせていただきます。

「これは読みたくなる! カクヨム名レビュー発掘会」キャンペーンは、期間内に投稿されたおすすめレビューから毎週5名ずつ、3週間で合計15名の「今週のgoodレビュワー」を選出する企画です。選ばれた方には、2,000円分の図書カードをプレゼントいたします。
第二回は1月31日〜2月6日、第三回は2月7日〜2月13日に投稿されたレビューが対象となります。まだまだ間に合いますので、皆様のレビュー投稿を引き続きお待ちしております。

さらに、まだカクヨムで作品を評価したことがない方には、初めて★を入れて作品評価するだけで図書カードが当たるキャンペーンも開催中です。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。