「第3回 カクヨムWeb小説コンテスト」授賞式を開催しました

2019年1月24日に、第3回カクヨムWeb小説コンテストの授賞式を執り行いました。





当日は、第3回カクヨムWeb小説コンテストで大賞・特別賞を受賞された方々より、ご都合のついた12名の受賞者にご参加いただきました。

来年は、今まさに開催中の第4回カクヨムWeb小説コンテストの授賞式がまた行われる予定です。そのときに表彰されるのは、もしかしたらあなたの応募作品かもしれません。


第4回カクヨムWeb小説コンテストは、2019年1月31日まで作品を募集しています。
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第3回カクヨムWeb小説コンテスト《異世界ファンタジー部門》大賞受賞作のTVCMが放送中です

第3回カクヨムWeb小説コンテストの異世界ファンタジー部門大賞を受賞した七野りくさんのデビュー作『公女殿下の家庭教師』が、12月20日にファンタジア文庫より発売されます。

『公女殿下の家庭教師 謙虚チートな魔法授業をはじめます』
著者:七野りく イラスト:cura

あらすじ:
王宮魔法士の試験に落ち、恩師から家庭教師の職を斡旋された青年・アレン。
ところが彼が教えることになったティナは公爵家のお嬢様、さらに「初歩的な魔法さえ使えない」というワケアリな女の子で……。
無自覚ながらも超一流の魔法技術&知識で、アレンは少女の望みを叶え彼女を無事王立学校に入学させることができるのか――?


七野さんは、同じく第3回カクヨムWeb小説コンテストに応募した『辺境都市の育成者』で「特別賞」「読者賞」も受賞されています。

読者賞とは、読者選考期間中に最も多くのPVを集めた作品に与えられる賞です。受賞作は出版時に強力なバックアップが行われるのが特徴で、通常の宣伝プランに加えて、読者賞専用の特別な宣伝施策が検討されます。

その結果、今回は受賞者である七野さんのデビュー作『公女殿下の家庭教師』発売時に、同作品のTVCMを制作、放映することが決定いたしました。

実際のCM映像は、こちらからご覧いただけます。


TVCMは、以下の期間・放送局で放送いたします。
・12/5(水) 24:30~ TOKYO MX 「エロマンガ先生」
・12/6(木) 23:30~ TOKYO MX 「メルクストーリア -無気力少年と瓶の中の少女-」
・12/15(土) 24:00~ TOKYO MX 「ソードアート・オンライン アリシゼーション」
・12/29(土) 23:30~ TOKYO MX 「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」

ぜひご覧いただいた上で、間もなく発売される書籍版もお手にとっていただけますと幸いです。


今年も開催している第4回カクヨムWeb小説コンテストは、2019年1月31日まで募集しています。『公女殿下の家庭教師』に続く次世代の大賞は、あなたの作品かもしれません。
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第3回カクヨムWeb小説コンテスト大賞受賞者インタビュー|紙城境介【ラブコメ部門】

賞金総額600万円、受賞者はKADOKAWAからの作家デビューを確約する第4回カクヨムWeb小説コンテストを、今年も12月1日より開催します。

そこで、かつて皆様と同じようにコンテストへ応募し、そして見事書籍化への道を歩んだ歴代のカクヨムコン受賞者にインタビューを行いました。創作のルーツや作品を作る上での創意工夫、そして受賞後の変化などを語っていただいた受賞者の言葉をヒントに、小説執筆や作品発表についての理解を深めていただけますと幸いです。



第3回カクヨムWeb小説コンテストラブコメ部門大賞
紙城境介
▼受賞作:継母の連れ子が元カノだった
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──小説を書き始めたきっかけについてお聞かせください。また、影響を受けた作品、参考になった本があれば教えてください。

書き始めたきっかけは、ウェブ小説を書いていた方たちが楽しそうにしていたのでそこに混ざりたかっただけなんですが、上達するうちに小説を書くことそのもののほうが面白くなって、以降はほぼ完全にソロプレイです。

最も影響を受けた作品は『うみねこのなく頃に』『とある魔術の禁書目録』です。バトヱリと上琴で頭がおかしくなりました。
『ダンガンロンパ』『STEINS;GATE』の影響も強いです。ナエギリとオカクリで頭がおかしくなりました。
『逆転裁判3』がなければ『継母の連れ子が元カノだった』は存在しなかったと思います。ネタバレになるので明記は避けますが頭がおかしくなりました。
ラブコメ作品では『WORKING!!』の高津カリノ先生の作品をウェブ漫画からずっと読んでいて、その影響が強いと思います。あださゆで頭がおかしくなりました。
元を辿ると、行きつくのはたぶん『シャーマンキング』です。葉アンが諸悪の根源。

──受賞作についてお聞きします。本作の最大の特徴・オリジナリティはどこにありますか? また、ご自身では選考委員や読者に支持されたのはどういった点だと考えてらっしゃいますか?

義理のきょうだいになった元カップルが、物理的な距離の近さゆえに、焼けぼっくいに火がついたりつかなかったりする話なんですけど、最大の特徴は、今書いたこと以外の要素がまったくゼロであることだと思います。
とにかく純度が高い。おいしいところしかない。書いた自分でも引くくらい、主人公とヒロインがイチャついたり痴話喧嘩したりする以外のことは何もしない小説です。


▲ヒロイン・結女のキャラクターデザイン。主人公の元・彼女であり現・義理の妹(姉?)の推理小説マニア。(※イラスト/たかやKi)

コンテストや賞に出すような長編小説を書こうと思ったら、普通、そんな風にはできないと思うんです。大体は別の要素を追加してストーリーに一本筋を通そうとする。何か物作りをしてみたり、スポーツをしてみたり、バンドをしてみたり……恋愛に限定するとしても、くっつくなり別れるなりしてお話にケリをつけようとするでしょう。実際、私も最初はそうしようと思ったのです。
でも、この作品に限っては、そういうストーリーらしいストーリーは不純物だと判断しました。ただキャラクターとシチュエーションだけがあればいい。ストーリーなんて付けたら本来の魅力を損なう、と。
結果的にコンテンツとしての純度が高まって、魅力が伝わりやすかったことが大きかったのかな、と。

──今回受賞した作品を今までに執筆した作品と比べてみたとき、意識して変えた点や、後から気づけば変わったなと思う部分はありますか?

私は元々、一つの作品にいろんな要素を詰め込みたがるタイプで……一方、『継母の連れ子が元カノだった』は、『昔付き合っていた二人が義理のきょうだいになる』というたったひとつのアイデアに全振りしてできています。そこが一番の違いだと思います。

──Web上で小説を発表するということは、広く様々な人が自分の作品の読者になる可能性を秘めています。そんななかで、自分の作品を誰かに読んでもらうためにどのような工夫や努力を行いましたか?

前の質問の答えからの続きみたいになりますが、コンセプトをシンプルにすることですね。壮大な世界観を作っても奥深い描写を考えても凝ったストーリー構成にしてもいいですけど、コンセプト――つまり作品の入口だけはシンプルでなければなりません。

例えば、説明に200字かかる複雑なコンセプトを設定してしまった場合、ツイッターでの口コミを丸ごと捨てることになる理屈です。それではどれだけ面白くても、その面白さを見ず知らずの人に伝えることは難しくなってしまう。
逆にコンセプトがシンプルだと圧倒的に伝わりやすいし拡散もされやすくなります。ツイッターでタイムラインを眺めていたら、たまに何千リツイートもされている短い漫画が流れてきますよね。あれって全部シンプルじゃないですか。そういうことです。
そういう考えがあって、タイトルもキャッチコピーもあらすじも伝わりやすさを最優先にして考えました。

──好きなキャラやストーリー展開について、こんな要素があったら読んでみたい!というポイントはありますか? また、それは今回の受賞作に反映されていますか?

好きなストーリー展開は、メタフィクションです。現実世界と物語世界が境界を失くして溶け合うようなストーリーが好きです。あとループも好き。
ですが、まあそれは、なんと言いますかカロリーが高いので、半年に1回くらい摂取できれば充分ですね。日常的に摂取しているのは両思いの男女がもだもだじれじれするラブコメが多めで、『継母の連れ子が元カノだった』はそちら側の脳を使って書いています。

好きなキャラは――というか、私の場合、好きな関係性になってしまうんですけど、反目し合いながら通じ合っている、というようなのがツボです。男女に限らず。


▲主人公・水斗のキャラクターデザイン。両親の再婚により元カノが義理の姉(妹?)になってしまった。小説ならなんでも読む。(※イラスト/たかやKi)

──これからカクヨムWeb小説コンテストに挑戦しようと思っている方、Web上で創作活動をしたい方へ向けて、作品の執筆や活動についてアドバイスがあれば、ぜひお願いします。

これはコンテストで賞を獲りたいだけなら関係ないことなんですけど……ウェブ連載において必要になるのは、自分の作品に触れていないときの読者を想像する力だと私は思います。

例えば、10万字の長編小説があるとしましょう。これを読むのに、慣れた人なら3時間くらいですよね。では、これを7話に分けて毎日ネットに連載するとします。読むのに何時間かかると思いますか? 内容は変わってないから3時間――ではありません。
168時間です。
つまり1週間です。読んで、仕事して、読んで、ゲームして、読んで、ツイッターして、読んで――で、1週間。
本を1冊書く、というのは、3時間を楽しく過ごせる文章を書くことです。
ウェブ連載を1週間やる、というのは、168時間を楽しく過ごせる文章を書くことです。
この二つが、まったく別のことだということが、一見してわかると思います。
ですから、『読んで』以外の、『仕事して』『ゲームして』『ツイッターして』の部分のことも、ちゃんと考えなければならないのです。
じゃあ具体的にどうやればいいんだよと言われそうですけど、それは私のほうが教えてほしい。まあ定期更新から始めるのがいいんじゃないでしょうか。更新される時間がわかっていたら、読者さんのほうがある程度生活リズムを調整してくれますからね。

毎日更新は……1回やってみればわかりますけど、アレは人間のやることではありません。作業量以前に、毎日締め切りが来るというストレスで身体がぶっ壊れます。オススメしません。

なんか偉そうに語っちゃいましたが、私も実行は全然できていないので、一緒に研究していきましょう。以上です。

──ありがとうございました。


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第3回カクヨムWeb小説コンテスト大賞受賞者インタビュー|七野りく【異世界ファンタジー部門】

賞金総額600万円、受賞者はKADOKAWAからの作家デビューを確約する第4回カクヨムWeb小説コンテストを、今年も12月1日より開催します。

そこで、かつて皆様と同じようにコンテストへ応募し、そして見事書籍化への道を歩んだ歴代のカクヨムコン受賞者にインタビューを行いました。創作のルーツや作品を作る上での創意工夫、そして受賞後の変化などを語っていただいた受賞者の言葉をヒントに、小説執筆や作品発表についての理解を深めていただけますと幸いです。



第3回カクヨムWeb小説コンテスト 異世界ファンタジー部門大賞&特別賞・読者賞
七野りく
▼受賞作:公女殿下の家庭教師
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──小説を書き始めたきっかけについてお聞かせください。また、影響を受けた作品、参考になった本があれば教えてください。

昔から本を読むのが好きでした。その延長線上だったのかな、と思っています。
影響を受けた作品、作者様は多いのであげきれないですね。その中でも、辻村深月先生の『スロウハイツの神様』がお気に入りです。

──受賞作についてお聞きします。本作の最大の特徴・オリジナリティはどこにありますか? また、ご自身では選考委員や読者に支持されたのはどういった点だと考えてらっしゃいますか?

最大の特徴は、物語世界の根本が優しいことだと思っています。主人公の努力を見てくれていて、かつ応援してくれている人達が必ずいる世界、というのは読み手にとって安心出来る要素だと考えています。

評価されたのは、異世界物がこれだけ氾濫している中で、あえて奇を狙わず素直に書いたのが良かったのかな? と思っています。基本は王道で、そこに少しの謎を散りばめて書くようにしていました。

──今回受賞した作品を今までに執筆した作品と比べてみたとき、意識して変えた点や、後から気づけば変わったなと思う部分はありますか?

読みやすさと、一話毎の文字数は気にして書いていました。
また、各キャラの立ち位置や背景は、事前にかなり細かく決めました。

──Web上で小説を発表するということは、広く様々な人が自分の作品の読者になる可能性を秘めています。そんななかで、自分の作品を誰かに読んでもらうためにどのような工夫や努力を行いましたか?

タイトル・キャッチコピー・紹介文に拘った方が良いと思います。
また、第一話目の、書き出しに時間を使うことをお勧めします。そこが駄目だと、諦められてしまうような気がしています。

──好きなキャラやストーリー展開について、こんな要素があったら読んでみたい!というポイントはありますか? また、それは今回の受賞作に反映されていますか?

ザ・王道。主人公がヒロインや困っている人を助けたり、恋愛する、何でもない物語が読みたいです。それをかなり反映させたつもりになっているのが受賞作です。


▲受賞作『公女殿下の家庭教師』の書籍化にあたって起こされたキャラクターデザイン。左から主人公・アレン、アレンの教え子・ティナ、ティナの侍女・エリー、アレンの腐れ縁・剣姫リディヤ(イラスト/cura)

──これからカクヨムWeb小説コンテストに挑戦しようと思っている方、Web上で創作活動をしたい方へ向けて、作品の執筆や活動についてアドバイスがあれば、ぜひお願いします。

①楽しんで書く:自分が楽しめずに書いていると、読み手にも伝わると思うので。
➁とにかく書く:迷っている暇があったら、まずは書いてみてください。

何が人気作になるかなんて誰にも分かりません。書いている内に、見えてくることもあるんじゃないでしょうか。執筆速度も上がりますし。

──ありがとうございました。


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第3回カクヨムWeb小説コンテスト大賞受賞者インタビュー|美紅(蒼)【SF・現代ファンタジー部門】

賞金総額600万円、受賞者はKADOKAWAからの作家デビューを確約する第4回カクヨムWeb小説コンテストを、今年も12月1日より開催します。

そこで、かつて皆様と同じようにコンテストへ応募し、そして見事書籍化への道を歩んだ歴代のカクヨムコン受賞者にインタビューを行いました。創作のルーツや作品を作る上での創意工夫、そして受賞後の変化などを語っていただいた受賞者の言葉をヒントに、小説執筆や作品発表についての理解を深めていただけますと幸いです。



第3回カクヨムWeb小説コンテスト SF・現代ファンタジー部門大賞
美紅(蒼)
▼受賞作:レベルアップは人生を変えた(仮)
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──小説を書き始めたきっかけについてお聞かせください。また、影響を受けた作品、参考になった本があれば教えてください。

本を読んでいて「自分だったらこういう話・展開にする」といったことを中学生の頃に考えたことと、自分の本当に好きなモノだけを詰め合わせた作品がなかったので、それなら自分で書いてしまえと思って独学というか、勢いで書き始めました。
その時にハマっていた作品は『緋弾のアリア』です。

──受賞作についてお聞きします。本作の最大の特徴・オリジナリティはどこにありますか? また、ご自身では選考委員や読者に支持されたのはどういった点だと考えてらっしゃいますか?

異世界系の話が流行っている中で、自分の作品は異世界と地球を行ったり来たり出来る点と、異世界でのレベルアップやスキルなどが現実に反映されるといった要素が特徴であり、支持された点かと思います。

現実世界にあれば便利そうなドロップアイテムも、私の作品の特徴の一つだと思います。


▲主人公・天上優夜が異世界で過ごす姿のキャラクターデザイン(※イラスト/桑島黎音)


▲現実世界で起きたとある事件で、優夜が助けた少女・宝城佳織(※イラスト/桑島黎音)

──今回受賞した作品を今までに執筆した作品と比べてみたとき、意識して変えた点や、後から気づけば変わったなと思う部分はありますか?

今まで書いてきた作品は完全にノリと勢いと深夜テンションだけで書いていたのですが、今回はそこに読者としての客観的な視点を取り入れられたかなと思います。それでも暴走しがちで、相変わらず好きなことだけを書いていますが。

──Web上で小説を発表するということは、広く様々な人が自分の作品の読者になる可能性を秘めています。そんななかで、自分の作品を誰かに読んでもらうためにどのような工夫や努力を行いましたか?

流行を取り入れることです。

分かりやすく言えば異世界転生・転移はまさにそれですが、そこに自分の好きな要素を取り入れて、どんどん自分好みの作品にしていくようにしました。

一つ作品が有名になれば知名度も上がりますし、そこから本当に自分の書きたい話を書けば、それも読んでもらえるようになると思っています。

──好きなキャラやストーリー展開について、こんな要素があったら読んでみたい!というポイントはありますか? また、それは今回の受賞作に反映されていますか?

主人公の人生や立場がいい方向に逆転する話がとても好きです。これはまさに今回の作品や、他の作品にもハッキリと反映されています。
あとは……徹底的な復讐系ですかね。慈悲を与えることなく、誰が読んでもゾッとするような復讐劇はまだ読んだことがないので、そういった話があれば読んでみたいです。もしくは自分で書いてしまうかですね。


▲異世界でレベルアップしたことで、身体が大きく変化した主人公が現実世界でモデルにスカウトされたことで出会ったモデル・美羽(※イラスト/桑島黎音)

──これからカクヨムWeb小説コンテストに挑戦しようと思っている方、Web上で創作活動をしたい方へ向けて、作品の執筆や活動についてアドバイスがあれば、ぜひお願いします。

自分が好きな要素やストーリーを躊躇わずにどんどん作品に反映していくこと、そしてその自分の作品を自分自身が面白いと思うことです。

結局、自分が面白くない話は書いてても楽しくないので、自分が楽しめるように書くのが大切かなと思います。そうすれば自然ともっと面白い話を書こうと思うでしょうし、作中のキャラクターたちもより一層、生き生きとした存在になるんじゃないかなと思います。
これが皆さんの参考になれば、幸いです。

──ありがとうございました。


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