世界は僕に怪物であることを望んだ。

　これは命の使い方を知る物語。

　城塞都市シリウスに住む冒険者の少年ロストは落ちこぼれだった。
　理由は色々あるが最もたる物は、現代の至宝と呼ばれるレガリアその相性にあった。
　
　戦闘能力はレガリアの相性で決まると言われている時代。
　「ゴブリンしか倒せない無能」と罵られながらも彼は諦めなかった。


　だが彼の心は限界だった。
　努力に疲れた訳では無い。

　ただ後１年で死ぬ、その事実に心が折れてしまっただけだ。

　やりたいことは沢山あった。
　友人との約束、師とのわだかまりの解消。
　だがそれら全ては心の底で諦めかけていた。

　そんな時１人の少女の世話をギルドの支部長に命じられる。
　そこで彼は見出すのだ。
　命の使い方を。