なじか嗄れなきロウレライ

精霊たちの裏切りによって〝歌うこと〟を禁じられた世界。
霧となって地上を覆った精霊『ジフ』たちは、ひとたび〝旋律〟を聞けば実体を現し、手当たり次第に殺戮する。
人々は歌と音楽を禁じ、また旋律ととられかねない音そのものをも恐れ始めた。

ただひとり歌いつづける、壊れた少女を除いて……。

彼女は『霧の姫』。
彼女の歌に魅せられ、命を賭して守護する者らを『霧の騎士』と人は呼ぶ。

今また、ひとりの少年が、彼ら『霧の座』の舞台とあいまみえる――



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