第27話

ついに来てしまったこの日が。

待ちに待ってないこの日が来てしまった。


今は校門の前で受付を済ますため列に並んでいる。

そしてほとんどの人達がパートナーを連れているためうるさ....凄く賑わっている。

そしてうるさいのは周りだけではなかった。


「ここが学校なの?」

「ゆうや立つの疲れたなのおんぶなの」

「周りうるさいなの」

「ねぇゆうやゆうや―—」


なのちゃん、周りの一部から少し目立ってるから静かにしようね。

なんだったらほら、家に帰ってくれていいよ?

...いや本気で。



そこから数分後、やっと受付の元に着く。


「こんにちは!ここ、東京第壱とうきょうだいいち大学の新入生でお間違え無いですか?」

「はい。大丈夫です」

「冒険者カードは持っていますか?持っている場合はあちらのグラウンドの方でお待ちください!」


もしかしてパートナーとかの関係でグラウンドなのか?

確かに大きめのパートナーだと入れなさそうだよな。

グラウンドに向かおうとすると受付に止められてしまう。


「あ、すいません!非常に申し訳なんですが、パートナー以外の方は例えご家族であったとしても入れないんですよ」


早速来たか。

もう家で散々考えたがいつかは広まるんだ。

だから本当のことを伝えよう。


「家族では無くパートナーなので大丈夫です」

「......」


おい、その目をやめろ。

痛い子を見るかのような目をするなよおい。


「なのはゆうやのパートナーなのっ」


......なのの援護射撃のせいで余計に痛い子だと思われてるなこれ。


その後も受付との攻防を繰り返したが、なんやかんやあって通された。

誤解が解けることは無かったけどな。


「でっか...」


これグラウンドのでかさ超えてるぞ。

もしこのグラウンドで「はい。グラウンド10周」とか言われたら軽く死ねる。

それとグラウンドに椅子が置いてあるっていうのも少し妙な光景だった。


パートナーのことも考えてかある程度隣との間隔は開けられている。

来た順番で座らせられ場所は真ん中に近い場所だった。


左隣にはキリッとした鋭い目つきの日本刀とか似合いそうな女の子と一匹の犬が座っていた。

パートナーだろうからただの犬ではないと思う。


そして右隣に座ってきたやつからの視線が強い。

ちらりと右隣を見てみるといかにもチャラ男で~すって感じの見た目のやつが

こちらをにやにやと見ていた。








ごめん俺に男好きって趣味は無いんだ。

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