第21話

「あらっ!本当に妹さんいたんだね」


今はなのとの約束通り、一度なのの服を買いに来た服屋に来ている。

それと店員さん、女性じゃなかったら手と足が出てましたよ。

幼女の服着て喜ぶ変質者じゃないんで俺。


店員さんの前までなのは歩いていき挨拶をする。


「なのなの」

「なのなのです、だ」

「可愛い妹さんだねぇ~服タダで上げるから妹さん貰えない?」


さらっと俺の変質者レベルを上げようとするな。

なの渡して幼女の服ゲット。

俺は何しに今日来たんだよ。


「この前言われた通り、妹連れてきたんで服見てもらってもいいですか?」

「つれないお兄さんだね~」

「なのワンピースが見たいなの」

「じゃああっちにあるからお姉さんと一緒に見に行こうね」


......そのまま拉致しそうなセリフだな。


なのと手をつなぎ服を見回りに行った。

俺はその間試着室の前にある椅子で待って居よう。


待っている間にスマホを見ていると一件のメッセージが来ていたことに気が付く。

そしてそのメッセージである一つの可能性に気が付く。


「こ、これは、もしかして...」


ナナさんからのお誘いの可能性が!!!


ゴブリンを相手した時よりも素早い動きでNINEを開く。


『佐伯:そういえば佐藤君レベル―—』




スッ




なの、まだかなぁ。






『ひどいじゃないか。既読無視するなんて』

「いやー今ちょっと忙しかったんですよー」


この後少し詰められました。

女性に既読無視するときはみんな気を付け―—


『佐藤君聞いて「聞いてます大丈夫です!」』

『......はぁ。佐藤君レベル鑑定したことないでしょ』

「あぁ~無いですね。って言ってもまだ一回しかダンジョンに行ってないんで」


それに誰かさんが俺のことを拉致....おっとスマホからただならぬ圧が。


『みんな大体初ダンジョン後は一度見るもんなんだよ。佐藤君も良かったら見てあげるよ』

「佐伯さんが見てくれるんですか?」

『いや、私は仕事で忙しい』


あ~採用係って確かに忙しそうだな。

知らんけど。


「じゃあ後二、三回ダンジョン行ったらしてもらおうと思います」

『あまりこだわりがなければそれでいいのかもね』

「はい。ありがとうございます。じゃあ切りますね」

『後、鑑定の時なの―—』


やべ。

切ってしまった。

何か伝え忘れたのだろうか。


というか佐伯さん......






大の大人が語尾になのはやめておいた方がいいですよ。





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