第33話

今は、冒険者ビルのF級ポータルが並ぶ20階に来ている。

そしてめんどくさい奴に出会ってしまった。


「あっ、ウルフんのパートナー」

「駒大だ!〇すぞ!!」


こいつ他の冒険者が居る中で〇すぞってヤバい奴じゃん...

さっさとダンジョン行こ。

...モフりたい気持ちは分かるけど、なの離れなさい。


「おい待てよ」


スタスタスタ


「おい!聞こえてんだろ!」

「...なんだよ」

「どのダンジョンポータル入んだよ」


「なんでそんなこと聞いてくんだよ」なんてことは言わない。

こうゆうやつの行動パターンは見切っている。


「草原」


草原と書かれているポータルを指さす。


「ふ~ん。じゃあボスを先に倒した方が勝ちな?」


ほらきた。そして俺は―—


「いいぜ!やってやるよ!」


しっかりと乗ってやる。


「ずいぶんとやる気じゃねぇか。いいね。よし今から―—」

「だがな、今腹を壊してるんだ」


「...仕方ねぇから待っといてやるよ」


いや、そこは行けよ...

もっと悪い奴かと思ってたが、案外良い奴か?

よし、俺も考えを改めないとな。


しっかりとを含めた笑みを浮かべてとある煽り文句を言い放つ。


「まぁハンデやるから先に入っとけよ」

「マジで泣かすボス倒した後ガチ泣かす。ウルフん行くぞ!」


茶髪イケメン(鼻包帯モード)は青筋を立ててポータルの中に入って行った。


「よし、なの俺達も行くぞ」

「はいなの!」


そして俺達も草....いや、俺達はランクアップの指定ダンジョンである『廃村』へのポータルに入って行くのであった。



「追い付かれるかもしれねぇ!全速力で進むぞウルフんッ!!」

「ワ、ワオーン...」


ウルフんだけは、何かを感じ取っていたのかもしれない....











「おお、なんか少し臭いな...」


ポータルから出るとそこには一つの村があった。

だが、人が住んでいるような気配は無くかなり荒らされている。

見た感じの規模はかなり広そうなため二階層へのポータルを見つけるのは大変そうだ。


「なんと言うか...モンスターが溢れ返ると俺たちが住んでる場所もこうなりそうで少し怖いな」

「大丈夫なの。ゆうやはなのが守るなの」


うちのパートナーは、なんていい子なんだろう。

ところでなのちゃん。

なんか足掴まれてない?

なのちゃんの足を掴んでるのって―—


「誰ってか、骨ッ!」


次の瞬間、なのはぶん回され家の方に飛ばされ激突してしまう。


「なの?!」


先程なのが立っていた地面からスケルトンが這い出てくる。

そうここはただの廃村なんかでは無くF級ランクアップの

指定ダンジョンの名にふさわしい場所。

その名も―—







『死者が徘徊する廃村』







カタカタカタカタカタッ







佐藤裕也の目の前にはすでに10体のスケルトンが立っていた。


「やばいな、なの派手に激突してたし...どけよ。【氷器:剣】―—」

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