第29話

「言うことは大体終わりましたね。ここから先の話は気軽に聞いていて大丈夫ですよ」


生徒会長である桜木がそう言うと少し張りつめていた空気が和らいだような気がした。

だが、俺は周りとは違い気を張りつめていた。

騎士が居るから?


違う


左隣にいる女生徒が鋭い目つきで生徒会長を睨んでいるから?


違う


右隣にいるチャラ男がまだ偶にこちらをチラチラと見てくるから?


断じて違う!!!!







なのがこの場に存在する限り俺の気は休まりません!!


「ゆうや体調悪いなの?」


誰のせいで悪くなってきてると思うこの野郎。



いいか佐藤裕也。

今までの出来事を振り返ってみてなのが居て何もなかったことなんてないんだ。

小さいことだったとしても何かしらあるはず....気は抜くんじゃ―—


「あ、ちょうちょ「今日の夜はオムライスにしようかなぁ~良い子にしてたら」良い子にするなの!!」


うん。

もう少し声のボリュームも落とせたら満点だよ。





「―—皆さんに配布された紙には『2年生から冒険者コースと一般コースその二つに分かれてもらいます』と」


書いてあったな。

だからこの一年はゆっくりとダンジョンに行きながら一般教養も―—


「ですが、このグラウンドに集められた冒険者カードを持つ新入生の皆さんには



......あれ?

一年生の間に可愛い彼女作ろうとしてた俺のプランは?

どうなるの?

え?

俺に彼女ができるわけない?

人生諦めたら試合終了なんだよ?



「もうこちらで組み合わせは決めていますのでペアになった相手を倒してください。倒せば問答無用で一年生から冒険者コースで入学できますよ」



......周りのみんながやる気なところ悪いけどわざと負けよう。

俺は二年生になってからで―—


「ちなみにですが、ここで負けた方が確定で冒険者コースに入学できないわけではありません。戦闘を見たうえ、こちら側で判断します。ですが、行為やだと思った方は今後二年生になろうと冒険者コースを選ぶことはできなくなりますので―—」



―—皆さん頑張ってくださいね



と言った後に桜木生徒会長は厳しい目で新入生を見ていた。







???「...絶対に切り伏せてやるッ」






???「いいねっ仲良くなれそうだ」











ん?

なんか隣から聞こえた気がしたけど...

そんなことよりもマジで今後どうなんだよこれ!!

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