第23話

何故こんなにもボスに挑戦するかしまいかを考えているかというと

F級からE級に上がるにはF級ダンジョン二か所のボス討伐がランクアップの条件なのだ。

ちなみに一つは自由に選べてもう一つのダンジョンは指定されたダンジョンを攻略しなければいけない。

攻略した際に落としたボスの魔石を見せると受付嬢が記録してくれる。


ここでボスを攻略すれば後は指定ダンジョンの攻略だけでいいというわけだ。

別に急いでるわけじゃないからいいんだけど。

それでもやっぱりランクアップすればそれなりに収入は増える。


......誰かさんのせいで出費は多いからな。

誰かさんのせいで。


「なのっ?」



ちなみにボスポータルの先にあるボス部屋から出る方法は限られているのだ。

いつでも帰還できるなんて、そんな甘い世界ではないのだ。


条件は二つ。


・30分以上ボス部屋にいた場合、部屋の中心にポータルが開かれる。

・ボスを倒し切るとが現れ、それをポータルが開かれる。



ってな感じだ。

良く聞く話だと倒せないほど強いボスに対して30分も耐えるというのは難しいらしい。

そしてその後、ポータルが開かれたとしても立ち位置が不味ければボスの背後にポータルがある状態になり、より困難になるという。


まぁ、流石にF級ダンジョンでの死亡報告は少ないみたいだけどな。

それでも少ないだけでいるのは居るのだ。

帰らぬ人になるのは避けたい。


......おい別にへたれではないからな。

安全に進みたいって気持ちは当たり前だろ?!




でももう隣にいる幼女はやる気なんだよなぁ。


「ふんすなの。ボコボコ倒してやるなの」


......オレモガンバルナノ。





そして今初ボスポータルを潜ろうと一歩目を出す。


そして二歩目を出してボスポータルに近づき―—


「ゆうや何してるなの?」

「うるせぇ!誰がヘタレだ!!」

「言ってないなの...」



なのちゃん、そんな目はパートナーに向けちゃいけません。

そんな目を向けていいのは、あの服屋の店員とツンデレ妖精だけだぞ。


...おい、押すな!分かったちゃんと自分で入るから!!

それと地味に足元凍らせて滑り良くするんじゃない!

あ、おいッ。ほんとに入って―—








「ワオーーーーーーーーーンッ!!!!!」


部屋の中心には綺麗な毛並みをしたウルフが4本の足で立っていた。

そして今、自分の縄張りに入ってきたを処理しようと目の前にいる人間2人に向かって走り出した。






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