第24話

「ワオーーーーーーーーーーーンッ!!!」


ビリッ


な、なんだこれ?!

怖くて動かないとかそんなんじゃない。

何かでしびれて体が言うことを聞かない。


なのを見ると表情が険しい。

そして次の瞬間なのはお腹を押さえうずくまる。


「な、の...!」


や、やばいこのままだと!!



ギュルルルルルッ



......音がした方を見る。


俺の視線の先に映るのはなのだ。

まさかとは思うけどなの。


「...ゆうやぁ、おなか痛いなの」

「そんなん言ってる場合かぁああああ!!!」


いつの間にか体が動くようになっていた。

が、ウルフは目前まで来ており、鋭い爪を武器に腕を振るう。


なんとかなのを片手で持ち、間一髪で逃げることに成功する。


「なんでこんな時に限って!...はっ」


全力で部屋を走りながら今朝のご飯中のやり取りを思い出す。


『ゆうや、初めて牛乳を飲んでみるなの』


あ~、賞味期限大丈夫だったかな。

うん。

大丈夫だろ。


『飲むなら残すなよ~?』



俺のせいなのかよチクショーーー!!!

こんなことならしっかり確認するべきだった!!


後悔している間に背後に来ていたウルフが腕を振るう。


「【氷器:シールド】な、の」


ガキンッ!!


「おおぉ」


【氷器】ほんと何でもできるな。


「ゆう、やはなのが守るな、の」


か、かっこいいぞなの。





動けない理由が腹痛じゃなかったらな。






ギュルルルルル


なの耐えてくれー!!!


なのが完全に戦闘不能になってしまいただのお荷物と化して5分。

なのを地面に置き、ショートソードと【氷結】で戦っている。


隙があればウルフに触れ【氷結】で凍らせた部分をショートソードで叩き

ダメージは与えている。

ただ、決定打にはならず、終わることのない戦闘が続いている。


一度でも当たれば死ぬぞこれ!


全て何とかギリギリ避けることが出来てはいるものの、いつ攻撃が当たってもおかしくない。


ただ、何故か体は熱くなるどころか冷えていた。


そして【氷結】もいつも以上にスムーズにできる。

何が起こっているのかは分からないが、できると思えてしまった。


そして

なのがしていた動作をに行い、手を上げる。

最後に、発する言葉はただ一つ。


だが、なのとはもともと目指していた場所が違ったからか、

イメージ力の問題なのかは分からないが、








ウルフの体に突き刺さっていたのはだった。


【氷器:つるぎ


ビキビキビキッ



ウルフの体は芯まで凍り、崩れ落ちた。






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