第25話

俺にも....

俺にもできたぞ【氷器】!!

おい見てたかなの!


ギュルルルルルルルルルルッ


.....一段と大きく聞こえたその音は幸せを呼ぶ音なんかではなかった。


「もう、むりなの」


なのの顔が限界を迎えそうな顔になっているのを見た瞬間にもう足は動いていた。


「なのぉおおお!!少しは達成感に浸らしてくれぇえええ!!」


宝箱は雑に開けて中身を見ずに取り出し、なのを抱えて全力でポータルに入り、トイレを目指す。


ポータルから出た瞬間に走り出す。

後ろで青ざめお姉さんが何か言っていた気がするがそんなん聞いてる場合か!!


走っているとトイレを発見する。

女子トイレの前で降ろそうとしたがもう歩ける余裕もなさそうなので

俺が中まで連れていく。

神様お願いしますトイレの中には誰も居ませんように!


なのはなんとか間に合い今はトイレの外でなのを待っている。





正座をして。





「佐藤君!!女子トイレ入っちゃダメだよ!!」

「はい。すいません」


神様、こんな時に限って隣の個室にナナさんを配置するなんて酷いです。


「佐藤君聞いてるの!!」

「はい。すいません」


ツンデレ妖精...いや、ぴー様助けてくれませんでしょうか。

...小声でガチトーンの「最低」は心に来るのでやめてくれませんか。



なのがトイレから帰還するまでこの説教は続いたのだった。



ナナさんに怒られた後に宝箱から出たを見てニヤついていた。


いやぁ、初めての宝箱開封は誰かさんのせいで達成感も感動も無かったけど、こうして手にして見ると嬉しいもんだな。

よしさっさと魔石の換金と受付嬢さんに記録してもらわないと。


ん?何を記録してもらうって?

決まってるじゃんボスの魔石だよ。

ん?ボスの魔石はどこにあるのかって?

そんなんポケットに......









「あっ、ボスの魔石忘れた」









「ゆうやお腹空いたなの早く帰るなの」


そうだね~早く帰ってご飯作らなきゃね~。

オムライスが良い?

いや、今日はもう作るご飯決まってるんだぁ~。







なのちゃん、今日の夜ご飯はお腹に優しい雑炊ぞうすいにしようねっ。

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