第9話

少し恥ずかしいがささっと買いに行ってささっと帰ってこよう。

なのにお留守番してもらわないとな。

....不安だ。


「なの~ちょっとなのの着るもの買ってくるから大人しく家で待っててくれるか~?」

「はいなの~ちゃんと待ってるなの~」


大丈夫そうだな。

よし、しっかり財布も持ったスマホも持った鍵も持ったなのが喋ったなのが喋った。

よし、服買い終わって着させた後は俺のお母さんに送り届けよう。

返品不可なのって書いた手紙と一緒に送ろう。






「ゆうやぁ服暑いの脱いでいいなの?」

「俺を犯罪者にしたいのか....着てくださいお願いします」


はぁ、少し拙さはあるがしっかり喋れるようになってる。


「なぁなの、テレビ見て喋れるようになったのか?」

「そうなの。偉いなの?」

「あ~、え、偉いなの~」


ここで褒めないのもなんか違うと思い偉いと言ってしまった。

まぁ、嬉しそうな顔してるしいいか。

それよりも今後本当にどうしよう。

丁度いいか。なのに色々聞くことにしよう。


「な「オムライス」」


時計を見る。

時計の針は6時を指しており夕方だ。

ただ、ここで簡単にオムライスを作ってしまうと

教育に良くない気がしたので質問に答えてくれたらオムライスにしてやると言ったら

「何でも聞いていいなの」と言われたので気になることをしっかりと聞いた。


要約するとこんな感じだ。


・なのは生まれる前のことは分からないが自分がゆうやのパートナーということは

 分かる

・言葉はテレビとゆうやの言葉を聞いて覚え理解した

・この世界のことは何も知らないけどオムライスは大好き


そして少し気になっていたスキルに関してのことを聞くと


「感覚的にわかるなの。ただ、今は使えないものもあるなの~」


と、机にぺちゃりと頬を付けた。

お腹が限界なんだろうな。

頭を一撫でしてやりオムライスを作るためにキッチンに立つ。


約束は約束だ。

しっかり美味しいものを作ってやる。




「美味しそうなの!」


なのが手で食べようとしていたので一度止め少しなのには大きくはあるが

プラスチックのスプーンを渡して食べ方を教えてあげる。


そして食べる前にしないといけないこともしっかり教え実践する。


「じゃあ食べるか」


「「いただきまーす」なの!」

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