第3話

「おぉ!ここが冒険者ビル!」


一つの県に一つの冒険者ビルが建っており全部で50階あるらしい。

更に地下には訓練所が広がっているとのこと。


そして何よりも冒険者たちが多く集まりパートナーモンスターを連れて来ているため

テレビや遠目からしか見れなかったモンスターをまじかで見れるというのは、大学生とはいえ男の子。

興奮するなという方が無理だろう。


(大きな猫や犬、いやウルフと呼ぶべきだな。おぉ!あっちには騎士モンスター!)


「おい、小僧邪魔だ!どけ!」


軽く体を当てられ地面に転がってしまう。


「痛ってぇ」


(自動ドア前で立ち止まっていた俺も悪いけど普通に声かけろよ!)


俺のことを見向きもせず入って行くおっさんがビルへと入って行く。


「態度的に結構ベテランそうだよなぁ。目、付けられてないといいな」


そんな一幕もあったがさっきのことは反省しスッとビルへと入る。

中は広くみんな自分の用事がある受付へと並んでいた。


勿論俺は新規冒険者と書かれた列へと並ぶ。

前を見ると6人ほど並んでおり、見た目的に全員学生といった感じだった。


この中に俺と同じ大学に通う人もいるんだろうなと思い、話しかけ....れるわけもなく俺の番がくる。


「いらっしゃいませ、こちら新規冒険者登録をする方が並ぶ列になりますがお間違え無かったでしょうか」

「はい、登録しに来ました」


妙に緊張してしまう。

この後に購入する卵のことで緊張しているんだ。

決して目の前のお姉さんが可愛くて緊張しているんじゃないぞ。


「では、こちらの紙にご記入の方と同意をお願いしますね」


言われた通りに自分の個人情報を記入していく。

そして冒険者マナー文に同意し、受付のお姉さんが作業をしている間に

汗と努力の結晶、諭吉さんを登録料として出しておく。


「確かにお預かりしました。冒険者カードを発行したその日にパートナー卵を購入していただく形になりますが、よろしいでしょうか」

「はい、大丈夫です」

「では、こちらが佐藤様の冒険者カードになります」


おぉぉ、佐藤様...じゃなくてこれが冒険者カードか。


「ランクによってカードの素材は変わっていきます。現在は一番下のFランクですのでプラスチックとなっています」


顔写真の横にデカデカとFと書いており、登録日も記入してある。

ランクはF~Sまであり、それぞれのカードの素材はこうだ。


・F,E:プラスチック

・D,C:銅

・B,A:ルビー、サファイア、エメラルド(選択可)

・S:ダイヤモンド


DCランクとBAランクで素材に違いがありすぎる気もするが特に気にすることも無いな。

それよりも卵の説明ぷりず!


「卵の購入は10階になりますのでそちらにあるエレベータで上に上がれます」

「ありがとうございます」


しっかりとお礼を言い、エレベーターで10階に向かう。

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