第15話
「違うなのもっとこう手に集める感じなの」
「はい」
「違うなのもっとこう手をひんやりさせるなの」
「...はい」
「違うなのもっとぐわっとなのゆうやがしてるのはふわっとなの」
ふぅ、今はなのの魔法講座を受けている最中。
最初ゴブリンを倒した後、先に進み3体程ゴブリンを倒している。
....なのが。
初めに使っていた氷魔法とは違う氷魔法でそれぞれのゴブリンを倒して見せたなのが「ゆうやもできるなの」と言ってくれたので教えてもらっているのだが。
ん~。
できそうな感覚はあるが、何故かできない。
あと一歩な気がする。
あともう少し、なの先生に優しく教えていただけたらできそうな気が「ゆうやへたなの」
おい。なんて言ったこの野郎。
「手首まできてるのそれを手のひらに集めるなの」
確かに手首に何かが溜まっている気もする。
「ゆうやにも魔法使ってほしいなの」
「って言われてもこればっかりは練習しないとダメなんじゃないか?」
「...手首斬り落としたら魔法使えるなの?」
なのちゃん?!
そんな物騒なこと言っちゃダメでしょ?!
「........冗談なの」
だよねなのはそんなこと冗談でしか言わないよな。
......おい。俺のショートソードを物欲しそうに見るな。
「頑張るなの練習なのフレフレなの」
そんなこんなで一時間練習した後、何とか【氷結】だけ覚えることが出来たのだ。
なのと比べると威力が劣る気もするがそれでもゴブリンを凍らすことに成功した。
「おおっ少し体が軽くなったような気がするぞ」
この世界にはレベルが存在する。
モンスターを倒すことでレベルは上がるのだ。
ちなみにパートナーが倒した場合はパートナーにしか経験値が入らないらしいのだ。
じゃあどうやって戦えない人間がレベルを上げられるかというと
偶に落ちている宝箱から出るアイテムに『経験値分配』といった効果が付与されているアイテムがあるらしいのだ。
ちなみに早々出ることが無く、出たとしても『経験値分配32分の1』などしょっぱい数値しかもらえない。
まぁ、貰えないのともらえるのとでは雲泥の差だろうけど。
なので今倒したゴブリンの経験値が初めての経験値となるためレベルが上がったのだろう。
ちなみにこの世界でわかるステータスはスキルとレベルの数値のみだ。
それも一々冒険者ビルで見てもらわないといけない。
勿論有料で。
「何あいつら....兄妹で来てるっぽいぜw」
「マジじゃんwしかも似てねぇ~w」
「遠足なら他所でやれよな~」
他の冒険者とすれ違った時に笑われてしまった。
なのは大人しいもんだ。
...俺もだよ?
俺はどんなふうに言われても傷つかない。
どんなふうに見られても傷つかない。
全然ダメージにもならないし、気にしてもいない。
根になんて持ってない。
ただ、ゴブリンに食われて〇ね。
そして俺は助けを求められても絶対に助けない。
としか思ってない。
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