第23話 "彼氏"のバイクぅ!?
しかも社交辞令で『
加えて案内された
まるで判らぬ物が
やっぱり埃にまみれているのだが『此奴はお宝だよ』って、くわえ煙草の顔がそう告げているかのようだ。
白いタンクに黒のフレームの組み合わせがまるで白バイを
「此奴はSUZUKIのスト◇ートマジック110。通称『ストマジ』だ。昔CMで『俺マジ!? ストマジ!』ってやってたんぞ」
ニカッと会心の笑みを見せる男性。ストマジという
だが確かに中々どうして格好良い。如何にもThe Bikeといった
───そぅ………そうなのだが………何て言うか、その……。
「………小さい……よね? この
そこら辺に転がってたタオルを
僕も最近少し位、バイクのサイトなどを見るようにはなっている。HONDAのモンキーやゴリラ※程ではないのだが、何だか妙に一回り小さい気がする。
※HONDAのとても小さなバイク。形は小さいがギヤチェンジ出来るバイク。愛好家が多く、50ccだが排気量を上げるキットなども充実している。
110というからには
アレと比較すると二回り程、小さい気がする。ただその割に………いやだからこそと言うべきか。
「これが
───なぬッ!?
僕が横目に
「で、でもこれ随分程度良さげじゃない? もう本当に乗る気がないの?」
颯希の彼氏のは話題には敢えて乗らない颯希
「………いやぁ、間違いなく楽しいバイクよ、うんっ。たださあ………もう飽きちゃったんだよね……」
「「えっ!?」」
頭をボリボリ
───まるでバイクを余らせてる金持ちみたいなことを言うではないか。
「
「………」
ストマジの小さなハンドルを握りつつ動かない颯希。多分ちょっとだけ困っているに違いない。そのひらひらした薄手の
スクーターならばチョコンと座れば良いだけなのだが、その防御力ゼロの
「……ええと、すいません、此方にねかせてある大きいのは?」
僕が指差した先にシートを掛けられたデカい如何にも『
「あ、流石に駄目駄目。そいつはレストア※して俺が乗るんだ」
親父殿、如何にも『話にならん』といった態度で手を横に振る。
※簡単に言うと古いバイクや車などを新車同然に直すこと。
───だろうな、うん、判りきっている答えだ。でも、それで
僕が作ったこの
「………んっ? あ、アレレ? あるべきハズの
颯希が右脚のサンダルを持て余している。『あるべきハズの
「ギヤとブレーキペダルがない………。え、これってもしや………」
颯希がストマジの至る所へ目配せする。これに関しては僕的には話についてゆけない。
「そ、判ったろ。此奴はギヤチェンジがない。ハンドルのペダルは何れもブレーキ。早い話が
「え、え、え、珍しいぃ~。こんなバイクあったんだ! ニーグリップ※が出来るスクーター。面白いじゃない!」
───
何か良く判らない盛り上がりに独りポツンッと置いてゆかれる僕である。
※
「そ、それに原付の割にディスクブレーキだし、ホイールは社外品? ブロックタイヤが如何にも走りそう………そうか! これってレジャーバイクなんだ!」
いよいよ何言ってんだろうって感じで一人
「そそ、ギヤチェンジないくせに身体をホールド出来る。操りやすいし楽しいバイクさ………でもね、やっぱその形なら
「あ……そういう事か」
───おいおい、何かおっちゃんと美少女が勝手に盛り上がって、僕一人置いてきぼり何ですけど!?
肝心な
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