第6話 大袈裟なる言い伝え
───
………いやいやいやいや
いよいよ本格的に
───僕如きレベル1・村人が
目の焦点がまるで
「先ず
「う、うんっ……」
な、何だろうか………。
「ママが初めて行った海外がオーストリアでね。旅先のカフェでバイトしてたパパと偶然知り合ったの………」
「ほ、ほぅ………」
「パパったらさぁ、すっかり一目
───は、話が読めません。
コレはあれか?
───ただ、その、何だ……御父様のゴリ押し感は、うんっ、
「全く呆れるでしょ? 結婚すら勝手に決めて、どうせなら偉そうな名前にしようっ!」
実に軽やかな口調で、僕如き
「………俺は
ガタッ!!
音をワザと立てるように力強く立ち上がり、拳を握ってまるで御自分が愛を誓うかの如く告げた。
「……で、その
此処で背中から他の女性の音声が勝手に解説を続けた。
振り返り後ろを見ると、マスターと同じエプロンを被っている女性が、木目調のトレイの上に
「あっ、お久しぶりですっ! あ、この綺麗な人、マスターの
立ち上がった勢いそのまま、彼女が笑顔でその女性に頭を下げる。加えて取り
此方も中々に綺麗な御婦人、歳は………いや、処理能力が
───んっ?
「お久しぶり、元気そうで良かった。
ニコリと笑顔でカウンターへ音を立てずに置くその姿に、自然な
「だ、だから
「あら?
これはこれは見事なる年の功といった処か。まんまと彼女を
「ンもぅッ! 意地悪なんだからっ!」
プィッと
───って、うんっ? だから
「むっ、と、言う事は
「アハハハッ!
ケラケラ笑いながら僕の背中をバシバシ叩く。腹を押さえて大口を開けて笑いたいの必死に
「ま、まあ………気持ちは判るわぁ……えっと」
「あ、
「疾斗君ね、
笑顔を振り
───さてさて……冷めないうちにと言われても蒸し暑さ全開の残暑で既に
そして何より僕、しつこいけどがブラックは飲めない。出来損ないのロボットのように震える手を
視線を感じる? 周りを見渡すとラン、それからいつの間にやら奥さんと入れ替わりで出て来たマスターの
───ホレホレ、四の五の言わずに
僕は全然冷めてない陶器のカップを手に取って慎重に慎重に喉へと注ぐ。まるで
───あ、アレレっ? おっかしいなぁ……。
さらに二口、三口、
「な、何コレ………そこはかとなく甘い……気がする」
僕の嫌いな苦味と酸味が交互に襲って来るのを待ち受けていたのにとんだ肩透かしを食らった気分だ。
「でしょ? でしょでしょ?」
まるで自分の
「あ、そう言えばマンデリンって比較的飲み
僕の
「それは……まあ話半分のつもりで聞いて欲しいけど、同じ豆ですら鮮度も飲み時もまるで
これは驚きの
正に冷めきった珈琲の様に、近頃の自分は
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます