第22話 白い奴と颯希の"彼氏"
ガタンッゴトンッ、ガタンッゴトンッ…………。
かくして僕、
「府中………か」
17回目の記念日にて僕はデートという
べ、別に西東京を馬鹿にするつもりなどさらさらない。自分の住んでいる○○ニュータウンとは比較にならんほど
だがこの先、高校生カップルがワイワイキャキャと楽しめる様なスポット………少なくとも僕は知らない。一応ジャケットを新調し、僕なりの気合を入れている。
───暑いけどね………流石に。10月上旬、快晴とくれば自然と汗が
洋服にセンスなど
僕の服のセンスなどどうでも良いのだ。そうであろう
普段
それも生地がひっらひらで、袖もスカートも丈が短い。これが同じ西でも横浜や江の島辺りに、この格好で繰り出すのであれば、注目の的となったに
まるで過ぎ去ろうとする夏を惜しむかのような軽装ぶり。無論、語るまでなく
これで
街中デートでもなくとも、何とも
───まあ………それは良い。
そんなことより、どうにも思い詰めた感じの顔つきが気になって仕方がない。口数も大変少なく、楽しいデートをしている風ではない。
たまにスマホと電車のアナウンスを確認する
恐らく
「………次、降りるから」
ポツリと
プシューッ
「………え、此処?」
電車のドアが開き、ホームの景色が目に飛び込んだ途端、僕は絶句する。信じられない位、何もない簡素な駅だ。
売店もないし、北口以外の出口すらない。後は小さなコンビニが1軒ある以外、古い住宅しか見当たらないのだ。
これもバイクに乗るためにファッションを犠牲にしている普段の颯希だったら絶対
───って、今はそんな場合はでない。この先に彼女の思うデートスポットがあるとは到底信じ難しだ。
「………此処よ」
「えぇ…………」
颯希が
あと個人宅とは思えぬ程の大きな倉庫らしい建物が
初めましての家の門前に
ピンポーンッ
「………はーい」
「あ……
インターホンの中から中年女性らしき声が聞こえてくる。返答する颯希の声がどうにもたどたどしい。
ガチャッ
「おぉっ! 待ってたよ
インターホンの主とは明らかに異なるであろう肥えた男性が『待ってました!』とばかりに玄関のドアを勢い良く開いてきた。
「………いや、か…」
「はい、そうです。
僕が彼氏を否定をしようと口を開く前に、それは颯希の声で
───待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て!!
───今、何
フラリ~、
「ささ、暑いだろ? 家に上がって待っててくれ。直ぐに倉庫の
「………お邪魔します。ほおらっ! 何ボーッとしてんのよ!」
太めの紳士が
何が何やら急転直下。中では「ごめんなさい、麦茶しかないけど……」と、
勿論
もっとも僕の
ガラガラガラガラッ!
倉庫のシャッターが上がってゆく、かなり
「おーいっ! こっちだあ、奥から回んなっ!」
「はいっ!」
まだ飲み終えていない麦茶を持ちながら、またも颯希に引っ張られつつ、言われた場所へ案内される。
白いソイツが
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