第14話 颯希"姫"は御立腹でございます
高い山脈に囲まれて、山下ろしの風が吹きつけるこの地の呼称である。
その山々は自然の
しかしこの地に生を受け、衣食住を営む彼等は、この風をこよなく愛し、
寄って異国の衆は、その
代々王家としてこの国を治める『ウィニゲスタ』家。決して王という地位の上に
16代当主『ゼカタイ・ウィニゲスタ』とて例外ではない。ただ彼は生まれつき身体が弱かった。
たが卓越した技術力と、誰にでも分け
この国王ただ1人の世継ぎにして、風の精霊の優秀なる使い手が『フィルニア・ウィニゲスタ』
未だ
そんな彼女のただ1人の
フィルニアより頭一つ低い
~~~
───嗚呼……昼間の弘美相手に引き続き、またしてもやらかしている。判っているのに歯止めが利かない。
NELN通話という
これは完全たる余談。風の国、風を愛する強かな民、彼等を
トドメというべき
───まあ、取り合えずソレは置いておこうか。
「友達…………今確かに大切な友達って言った?」
「はい、確かにそう言いました。それが何か……」
これが僕、
昼間の
このフィアマンダを引き合いに出そうが、カミルに化けて
「あ、ああ…………良いの! それさえ聞ければ私は満足っ!」
「そう……ですか。これは異なことを
「えっ……」
「………
「わわわわっ忘れてくれぇ! その記憶をどうか消してくれぇぇっ!!」
──成りきり過ぎた、余りにも。僕の中のカミルが告げる『
後の祭りだ、口から飛び出し
颯希の「姫様ァ?」にはとてもそら恐ろしいものを感じる。最高に
「ち、ち、違うんだ! その位
───僕はこの
自分でこれ以上傷口を拡げる
「…………
「え、え、あ、はい?」
「…………判りました、忘れましょう………そ・の・か・わ・り」
「??」
待って、待ってください。颯希姫ってこんなんだったっけ!? 確かに押しの一手こそ強かったけど、こんな全てを見下したかのような態度を取るのか?
───これじゃどっちかと言えば女王様だよ! 僕の
「但し
───こ、これは! 暴走した
まさかの颯希様からの
───そうか、そういうことでございますね
「い、Yes! YourHighness!」
「フンッ、精々覚悟なさい!」
事、此処に至れば最早ふざけ倒すしかない。全く以って望んだ結果ではないのだが、
「………と、処で話は変わるんですが、い、颯希…さん」
「コラッ! ちゃんと颯希って呼び捨てなさいっ! 出ないと月曜日にクラスで姫様呼ばわりされたって言いふらすよっ!」
「ひぃぃーっ! 止めてそれだけはァッ!」
「わ、判った、わ・か・り・ま・し・た! だから僕の話を聞いてくれ!」
負けじと取り合えず声を張ってみる。何にせよ話を聞いてくれないことには始まらない。
「はぁい、で、何なのよ?」
「ぼ、僕も
「え…………」
───これだ、これでようやく僕も望んだコートに立てた気分だ。颯希のその驚き声が
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