第19話 うちの可愛い妹の耳搔きがやたらと騒がしい件
妹、
まあ断る理由もない。後は出来るだけその
そしてチラリと流し目だけで上の様子を
───あれ? い、以外と
「……お兄、何見てんの? ちゃんと耳を灯りに向けてくれなきゃ
「あ、わ、悪ぃ……」
慌てて視線を真横に向ける。するとグィッと耳を引っ張られた。
「う、うーん……。こりゃ思いの外、溜まってますなあ……。まあ、やり
まるで何かと戦闘でも始めるかの如く、荒げた口調で
かくして
───いやいや、ただの耳掻き何だけどさ。本当に。
ゴッソ、ゴッソ、ゴリッ……。
舞桜の足音が僕の
ただ気持ち良く寝転ぶだけだ。それだけでいい。
「……お兄、これは流石に溜めすぎだよ。これじゃ
耳元で飛んでもない
ガッバッ!
大昔に流行った
「ちょっとお兄っ! 急に起き上がんじゃないよ!
「お前こそ流石に
───急に起き上がんな? 無理に決まってんだろ、そんなん……。
「ええかっ! この際ハッキリ言うとくわっ!
自分で
───まあ、ンなもんこの際どうでもええわっ!
僕の
「……ふぅん、2人共大事な友達ですか、あぁそうですかぁ……。それは御兄様がただ奥手なだけなのではありませぬか?」
もの凄くシラケた
これは積乱雲の中に浮かぶ幻の帝国を探した果てに、落ちぶれてしまった何処ぞのメガネロリコン並に目がァァァ! ……ってなる。
───いやいやいやいやいやいやいやいや、
「だがしかァァァァしィッ!!
直立不動、思わずどこぞの軍人が宣言をするかの様に、右手を斜め45度に真っ直ぐ伸ばす。
───うん………我ながら
「もぅ~ッ、
バンバンバンッ!
膝を三度叩いた
「………
何とも
再開された迷宮攻略………。と、そんな感じではなく
「………お兄」
「ん?」
不意に舞桜の方から声を掛けられる。先程よりは落ち着いた口調だ。
「お兄はさあ………。も、もうちょっと自分が………モテ……るって、自覚した方が良いと思うぞ」
───なぬっ!?
少し恥ずかしみを帯びた声がスッキリした我が耳を
「そうねえ………。私もそう思うわよ……」
───は、母上っ!? いつぞやからそこへ!?
「自分の息子にこんな事言うのも可笑しな話だけれども、モテる………って言うか貴方は割と人に好かれる子だと思う」
いつの間にか夕飯の買い出しを終えて家に帰ってきていたらしい。嫁と愛人の
「そ、それってどういう………?」
あのやり取り………一体何処から聞かれていたか定かでないが、何にせよ顔から火が出る思いだ。だけど最早開き直って続きを伺ってみる。
「それなりに気も回るし、何しろ優しい。その上、真っ直ぐに夢を追い駆けている青年というのは、なかなかポイント高いと思うわ」
「………そ、そうなの?」
「「………うんっ」」
これには舞桜も母さんも
「で、でも僕は御承知の通り、彼女いない歴16年な訳で………」
「それよ」
ついイジイジした声で現状を
「へっ!?」
「いい
母上殿のやんわりした物言いが圧倒的
少々
───僕が人に好かれるぅぅ!? それを自覚してないのは罪ぃ!? 罪罪罪………。
ちょっと何言ってんのか判んない………深い闇に堕ち往く自分を感じずにはいられなかった。
検索:罪とは?
1.人間がしてはならない行い。法律・
───いや、
2.正しくない行いをした結果として、問題にされるもの。
───人に好かれる自分に気が付かないだけで問題にされるのかっ!?
「ま、まあ疾斗には、まだちょっと難しいかも知れないわね。だけど意識位は、した方が良いってことで………はい、これでお終い」
これで母さんは両手をゆるりと合わせて、話を勝手に終わらせてしまった。かなり
これでも一応物書きの
自分を信じると書いて
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