第3部 『白馬………なの……か?』
第20話 穏やかなる日常
自転車の練習を始めてから約半月……。間もなく秋の初めとは名ばかりの9月が終わりを告げようとしている。
とは言え夏の残り火は未だ燃え尽きてはいない。普段の生活をしてる分には暑さが相も変わらず
ただ自転車で下る坂道で切る空気だけは
───これがもっと
これはあくまで教習所という
取り合えず気持ちに余裕は生まれた
───いやいや……10km位、小学生だってやるよって? 大体学校の行事ですら、自分の脚で走らされる筈だ?
そこん処は
そんな持久走なんて前時代的なもの……。『うっ! 腹痛がァッ!』と必死の
それに僕が住んでいる周辺は俗に言う
けれど
加えて坂がある所には、割合生い茂った小山が幾つも存在していることを理解した。普段、徒歩、電車、親の運転する自動車でしか移動していていなかった自分。
───こうもこの街を知らなかったとは………。井の中の
たまには思い切ってそんな小さな山の入口らしき
大抵は行き止まりでえっちらおっちら引き返す羽目になるのだが、たまにはこうして自然と
───林の中………。ついこの間の出来事であるテニス県予選の
弘美と
いやいや、勿論登校さえすれば必ず会うし、休み時間の会話だって普通にする。颯希が『作り過ぎた………』と言って広げた弁当を弘美、颯希、
皆、
それに最早、学校中の
───ではもう一人、
此方は僕が一人、自転車の練習に明け暮れている以外、別に
一方………。
───いや、そりゃあそうだろう………。
だって向こうは転入してきたばかり。僕の方とて………。
───
長い綺麗な黒髪、一見
国語が不得意だが
───何だァテメェッ? 結構知ってんじゃァァねえかッ?
やかましいぞ
「さて………と。陽が落ちる前にそろそろ帰るか」
いつぞやの弘美に『可愛い』と思わず
そう思った矢先の出来事………。大抵の驚きというものは、こういう切り返しで訪れるものらしい(これまでに出会ってきた様々な作品より)
「………NETL? 颯希からだ」
───颯希からのコンタクトすらない。などと思った
『@颯希 どう?
「………ああ、思いの外、順調そのもの。何だったら両手離しのキープやら、白線の上を歩くような速度で
僕は少々
『@颯希 おっおっおっ。それは凄いじゃない。感心感心………ところで今度の来週の土曜、空いてる?』
───空いてる?
「…………空いてるけどどうした?」
恐らく僕の顔は
───執筆活動<<<<<お誘いの颯希
ただ完全無欠に空いていると言えば、実の処そうでもない。その日は僕が17歳を迎える日………言わば
まあとはいえもう高校生だ。家族で一日中
───突然の颯希姫からの
「………ただ、丁度これから帰宅するからNETLのやり取りはちょっと遅れる。何なら家に着いたら此方から送るよ」
ピッ………送信っと。さてさて、一体何事であろう?
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