第4部 風の精霊使いの真実
第27話 まさかの親公認!?
───結局………
以前『免許取るかも知れなから自転車で練習してる』と、それなりの話は
し、しかしまあ、もぅ取っちまったもんは仕方がない。いずれ正直に語る場を設けるとしよう。
───さて………では次に打ち明けるべき
告げる順番が変わってしまうが、さしたる問題ではない………………筈だ。
早速スマホを取り出しNELNを開く。@
「えと………『颯希
何故だろう、この胸の高鳴りは。この間、一緒に
颯希からの明らかなる好意を知り得た、その記憶が鮮明に
───あの絡みから続き………が始まるのかも知れない。
良く考えてみると
あとは颯希の
「既読! ………さて、どう出る?」
ゴクリッ
思わず
『@颯希 おめでとう! 何事もなく無事に終えた?』
『@HAYATO1013 無論だ。颯希
先ずはごくありふれたやり取りから
『@颯希 そっかあ、良かったあ。………じゃ、じゃあ、もうバイクに乗れるんだね』
『@HAYATO1013 何を当たり前のことを。フフッ………今の僕はもう立派な
───何故だ? つい格好つけて
颯希のお陰で運動神経補正値ゼロのこんな僕ですら免許が取れた。そんな想いを自分でも知らないうちにアピールしてしまっているのか………恥ずかしい。
『@颯希 フフッ……何だか格好つけてる
ギクッ!?
さ、流石はこの僕が見込んだ
『@颯希 ………で、
───やはり、そう来るよな。これには主語も述語も必要ない。『ストマジを受け取りますか?』という切り出しに間違いない。
NELN越しの颯希、一体どんな表情でこれを告げているのだろう………。
『@HAYATO1013 そのことなんだが、やっぱり颯希の
せっかくの好意だ。意地を張らず甘んじて受け入れれば良いだけの事………と、そこだけは、割り切れなかった。
あえて言おう、何度でも。
未だ僕は
此処で突如、通話の通知音が鳴り響く。
「…………ごめん……なさい。そ、そぅ………だよね。当然だよね………うんっ、判ったよ。…………ただ」
消え入りそうな颯希の声が聞こえてくる。聴いてて正直痛々しいと感じる。それでもこればかりは譲れない。
「ただ?」
「………ただ、出来れば会って直接話をしたいの。しょ、正直に全部打ち明けます。で、でも疾斗の顔を見ながら伝えたい」
───っ!? 弘美に続いて『逢いたい』が今日二人目っ!?
「い、いやしかしだなあ颯希さ………ん? 窓の外をご覧よ。今日はもう真っ暗だよ。こんな時間に……その、君の様に
そうなのだ。
弘美と
「だ、大丈夫。私の方は一歩も外へ出ないから」
「はっ? そ、それってどういう………」
僕の思考が
「だ、だからぁ………大丈夫なんだってば。は、疾斗の存在、
───ッ!?
ハァッ!? しゃ、
僕の脳裏に稲妻が落ちる、驚き叫べと世界が告げるぅ!?
───颯希さん、颯希さん、颯希さぁぁぁぁんっ!? いや爵藍家!? 家ぐるみで
そ、そんな気を
まさかと思うが例のおじさんだけでなく、御両親すら『私の彼氏』などと先走っっちゃァァいないだろうなぁッ!?
「………ちょ、ちょっと大丈夫なの疾斗? 随分息が荒々しい気がするんだけど、何処か体調でも悪い?」
───
「い、一応聞くが話したい事って、まさか御家族も一緒に立ち会う訳じゃないよな?」
「はっ? アハハ! ま、まっさかあ! ちゃ~んと私の部屋へ案内して
───颯希姫の部屋で二人っきりィィィッ!? それはそれで危険な
「………わ、判った。す、少し準備してから伺わせて貰おう。また家を出る直前に連絡するよ」
退路は完全に封じられた。あと進軍あるのみ、いざっ、爵藍家へ!
この後、夜のお出掛け理由を伝えた母と
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます