第5部 遂に"白馬の王子様"となるか?
第36話 恐るべし"追い桜"
「あ、うぅ………あ、朝か」
閉ざしたカーテンからの
「ま、
こ、これは余りにも
加えて
だがしかしである。
あの唇は風祭疾斗へ向けられたものなのか?
───判らない………。判る訳が無い。僕は
ガチャッ。
「い、颯希っ!?」
「は、疾斗ぉっ!? そ、その格好のまま寝ちゃったのおっ!? さ、流石に引く……」
あの例の
「し、仕方ないじゃ
───あっ………。つい
部屋の温度も自身の心さえも異様に暑くて仕方ないのだが、手近な毛布で我が身を隠した。結局羞恥プレイされてしまった。
「………ご、ごめんなさい。そ、そう……よね、疲れたよね………」
───あら急にしおらしい。このギャップ、実に
部屋の扉を開いたまま、いじらしく
「───って、良いから早くそのドアを閉めてくれぇ!」
バタンッ。
───ふぅ………。見られた
「そ、そっち行って………良い?」
「嗚呼………良いぞ」
薄い青のネグリジェ姿、颯希の蒼き瞳と重なるし、
それにしてもだ。
昨晩から白いスーツ姿にメイド衣装………。全く
僕とて家には
───ゆ、
い、颯希……さん? 僕より下に居ないでくれ………それはそれは目のやり場に困ってどうしようもないじゃァァないかッ! そ、それ、つ、
───嗚呼………いっそのこと身も心も
「い、颯希………」
「ンっ、
「ば、
「あ、あ、そ、そう……よね。おじさんに話してみるよ」
颯希が話を聞いた一瞬だけ
だけどもあっという間に颯希は立ち直り、笑顔を寄せると僕の両手を自分の両手で握り、一つになるように引き付けた。
まるで僕はイエス・キリストに
「で、でも私。疾斗もバイク乗り仲間になってくれて心から嬉しいっ!」
───や、止めてくれ。て、照れる………。あ、あと胸元近過ぎ……。
此方は
「ぼ、僕もやっぱり風の使い手には憧れるから………さ。あのマスターの
しかし真に穢れを知らなそうな
~~~
「ふぅー………」
かくして
ただいま風祭家リビングにて自分で
この風祭疾斗17歳は未だ
だがこんな
「───お・に・い」
ビクッ!?
───居たあァァッ!! 祐樹より先に、あまつさえ心
何せ同じ屋根の下に居るのだ。しかも昨夜の出来事をこの
よくよく考えてみると昨夜の
しかし舞桜発信だと危険が危ない(?) 『風祭疾斗は
「な、何かな
あからさまに不自然な動きで応答してしまう。普段
「何がじゃァァないよッ! 高2の男子が超絶美形の
左手を自分の腰に当て、右手人差し指を僕の鼻先に突き付ける我が妹。これが
突っ込み処と踏んだか、ここぞとばかりに関西弁すら使いこなしてきた。これにどう対処するのが正解なのだ? おお
「な、な、無いです何も。考えてみてく送んなさいまし(?) こ、こんな奥手で
もうどうにもこうにも僕の口が
あの
「それでも
舞桜ちゃんがまるで
いやそれよりも中2で
ヴァンッ!!
リビングのテーブルを平手で強烈に
「───なぁお兄ィ? 私だって鬼じゃァァないんだぜ? クククッ………」
「ほ、本当っスかッ!?」
ニヤニヤした顔で下から
これはつい、容疑者の口が滑り出す
「嗚呼、本当だとも。今すぐ真実を打ち明ければ………。そうやなあ………
───いや呟くんかぁぁぁいッ!! そもそも
「あ、あ、あ、あの………その………なんだ」
───いや本当に何だ? 僕はこれから何が言いたい?
「早う言わんかいッ、このボケがァァッ!!」
ヴァンッ! ヴァンッ!
再び2回もテーブルを弾かれ、流石に僕も腹を
「え、A………」
「ア”ア”ンッ!?」
もう何のAやら全然伝わらないであろう。現に女刑事が
「Aまで………その、
「ハァッ!? されたあってことはテメェ………まさかあの美少女に
覗き込んで来る
「ほ、本当なんです刑事さん!(?) わ、私されちゃったんです。信じて下さぁぁいッ!」
「ケッ! この
椅子から下りて地べた
そんな僕を、さもみすぼらしい生き物でも見る冷ややか視線でグサリッと突き刺す。
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