第34話 生き別れの姉ぇぇ!?
───全く以って訳が判らないとは、こういう状況を指すに違いあるまい。
それだけでもう『
気が付けば敵の術中………逆らえば
諦めた僕は一言だけこう
「………さあて、間が差した? うん? 違うわね、この場合、
───いや、誰が巧い事を言えと………。大体それ言葉に発したたら
「………ま、いずれ判るわ。出会い
出会い頭の事故……? 今日既に何度目であろう……こう
本当に手慣れた………いや、コスプレ経験値ゼロなので全く以って適当が過ぎるのだが『
流石に自分が変身する過程まで見るのは
何やら頭に網の様な物を
───何故だろう………夢だと思い込んだら
「………ママ、こ、こんな感じかな?」
「あ、良いんじゃない。流石私の娘だわ」
不意に颯希当人のちょっと恥ずかし気な声が飛び込んで来た。『こんな感じ』と『良いんじゃない』一体全体何を指しているのやら想像もつかなかった。
ハラリッ………。
長くて細い糸の様なものが
───これは
自分の頭皮から生えたものではないのに、
「出来たわ、さあ目を開けて御覧なさい」
颯希母からの
───え………えええええええッ!?
「こ、
遂に僕の言語視野がぶっ壊れた。鏡を見て『
「何言ってるのよ、間違いなく
───いやいやいやいやいや颯希母よ、だから
でも確かに
しかも長い
「な、何なのこれぇぇぇッ!!」
抜かれた………完璧に
───も、もう
「は、疾斗………」
───え…………。
右隣にとても申し訳なさげな感じの黒髪で
「お、お姉ちゃんっ!」
───
右脇からギュッと長い金髪をその胸に
その背後、まるで生き別れた姉妹でも見る様な目で、
───そうだ、これが阿部ひろ……じゃなくて、あべこべの正体なのだ。
颯希父の遺伝子を継いだ様な
逆に母の遺伝子そのままの黒髪と、父より受け継ぎし
そんな姉妹が黒いレースがひらっひらしてる
どうやら爵藍姉妹……僕……じゃなく私は颯希の御姉様になった訳だ。これは不思議の国のアリスで起きた
「お姉ちゃん、一緒に御部屋行こ」
「う、
颯希に手を引かれされるがまま再び二階へ上がる感動の再会を果たした姉妹。だが気付けば、先程とは異なる部屋の前に
───そうだ、さっき
「うっわ……」
思わず可愛くない発声をしてしまった。その部屋は
在りとあらゆるフィギュア達がそこら中から此方を
「お姉ちゃんっ! 逢いたかったよぉぉ!」
「わっぷっ!?」
またもやJKからベッドへの抱き倒しを喰らってしまった。
「───違うな、それはメイドだよ
───おぃっ、金髪グラサン………じゃなくて颯希父! まるで『
「……真騎? それが
───いや
「そうだ、颯希の姉、
───だから違うってばね。『君の名』って
正直な処、やたらしゃしゃり出るこの
しかしこのやたら
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