第9話 当たり!?当たりだよね!?

とある町の学校。

3人の少女が休み時間に会話をしていた。


「今日って魔法少女検査の日だよね」


「ええ、4限目の予定よ」


「どーせ誰も引っかからんのやから、せんでもええと思うんやけどなぁ」


「確かにここの所この町から魔法少女が出たという記録はないわね」


「えー二人とも夢が無いなぁ。私はなりたいよ魔法少女」


「小さい頃に魔法少女に助けてもらったんやっけ?」


「そう、あの時から私は魔法少女になると決めているのです!」


「適正がなければなれないわよ」


「後から知って落ち込んだんだよね………けど私は信じてるよ!!」






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「さて、じゃあ潜入開始!」


:待ってました!

:今度こそやってたら良いね

:やってなかったら諦めるんだっけ?


「そうだよー。もうここが最後。検査やってなかったら最前線まで行っちゃうから」


魔法少女の条件を確実に知りたいからやってることだしね。

魔法少女を観察してても分かると思うから保険みたいな感じ。

おっと、こんな所で止まってたら不自然だね。


精神魔法を学校にかけて、正面から侵入する。


「保健室はどこかな〜と」


大抵の学校は一階にあるから外周に沿って回っていたら見つかるんだけど……お、あった。

窓からチラッと様子を伺う。

すると、そこには保健室には似つかわしくないゴツい機械が。


「ねぇ、これってあたりじゃない!?」


:間違いないよ!

:やっと……やっとや……!

フェシズ:おめでとう、メルヘス!


「ありがと皆!じゃあ早速侵入を……いや僕が入ると逆に不自然かな?

でも外から覗いてるってのも……」


:メルヘス焦ってるw

:メルヘスもテンパるんだw

:珍しいwww

フェシズ:落ち着いてメルヘス!


「あ……ごめんごめん。ちょっと興奮してたよ」


コメント欄をみて落ち着く。

ようやく目的のモノが見つかって焦ってたよ。

精神魔法使いが精神を乱すなんて、ダメだね。


でも、本当にどうしよう。

このまま覗いてるのは拙い。

学校の中からは気づかれないけど、外から見た時は完全に不審者だ。


だから学校の中に侵入するのは確定なんだけど………。

うーん……とりあえず保健室に潜り込むか。

ベットで大人しくしてたら僕のことなんて忘れてくれるでしょ。


はぁ……洗脳が使えればこんな面倒なことはしなくて良いんだけどねぇ。


「よし!じゃあ潜入を開始します」


:2回目w

:まだテンパってるなw

フェシズ:大丈夫かしら?


コメント欄が何か言ってるけど気にしない。

すでに精神魔法を学校にかけてるから誰にも気にされず、下駄箱を通り、保健室まで一直線。

言い訳はいつも通り、お腹が痛いで。


コンコンコン


「失礼します」


「あ、コラ今は入っちゃいけないって先生から聞かなかった?」


僕はここに通ってないから知らないんだよねぇ。

ちょっと想定外だけど、問題ない。


「ごめんなさい。でも本当にお腹が痛くて………」


「もう、しょうがないわね……ほら、そこのベットで休んでなさい」


「すみません……」


チョッロw

なんて冗談は置いといて、ベットに寝転んで観察に入る。

現在、保健室には先生、スーツの女性5人、僕がいる。


スーツの女性たちはゴツい機械の設置をしていたり、なぜか虫籠を運んできたりしている。


「(何で虫籠?しかも何も入ってないし)」


:なぁあの虫籠

:アレが入ってるね

フェシズ:余程の状況なのね

:でも、成体じゃないよな?

:ああ、まだまだ子供だ


「設置完了しました」


「よし。あとは魔法少女が来るのを待つだけだな。すみません、先生。

あとは魔法少女が一人来るので、それを待っていただいて検査開始となります」


「はい。何度か経験してるので大丈夫ですよ。いつ頃到着されるのですか?」


「もう2、3分すれば到着すると思われます」


検査に魔法少女が来るの!?

ちょっ聞いてないって!

特にバレても困るような事はまだしてないけど、え大丈夫かな?


いきなり問答無用で殺されたりしない?

見た目は完全に人間だから安全、だと思いたい。

神様……!


:なんか、一気に運が悪くなった?

:やっぱり焦ってるから……

:関係なくね?


「すみません!遅れました!!」


僕が体を丸めてビクビクしていた保健室に少女特有の高い声が響く。

いやぁあ!!来ちゃった!!


「いえ遅刻はしてませんよ、桃さん。それより忘れ物はしてませんか?」


「大丈夫ですよぉ。ほら、ちゃんとスーツ持ってきてます」


「良かった。桃さん、こちらはこの学校の養護教諭の及川さんです」


「及川英子です。今日はよろしくお願いします」


「及川さん、こちらは魔法省所属、六華の一人で三芳桃さんです」


「三芳桃です。ノヴァという魔法少女名で活動しています。こちらこそ今日はよろしくお願いします!」


り、六華だって!?

魔法少女が所属している魔法省の最高戦力の一人じゃないか!

何でこんな所にいるんだよ!!


:あれ?これって結構拙い状況?

:六華って確か魔法少女の中でも一際強い集団だったよね?

フェシズ:だ、大丈夫よ。まだメルヘスは何もしてないわ!

:さあ、どうやって切り抜けるのか


「………別に大丈夫じゃね?」


なんか、焦り過ぎて一周回って冷静になりました。

そうだよ。全然大丈夫じゃん。

僕がやったのって精々、50を超える学校に不法侵入をしたくらいだし。


あ、あと勝手に魚を取って食べたりしたくらい?

まぁでもあの魚、たくさんいたし、多分漁業権はかかってない、はず。

来たのが警察だったらアウトだったけど、相手は魔法少女。


多分、魔物の相手しかしないはず!

何より、見た目中学生相手にお縄につきたくない!


「では、検査を始めましょうか。生徒を呼んで………あ、そういえば、こちらに一人いましたね」


おや、僕以外にも休んでいる人がいたんですねぇ(すっとぼけ)

腹痛同士か?


「失礼します。調子はどうですか?」


「………だいぶマシになりました」


やっぱり僕かよちくしょう!!

何でこっちに来るんだよ……ほっといてよ……。


「それは良かった。今日、魔法少女適正検査があるのは聞いていると思います。

辛いでしょうが、今から受けてもらえませんか?」


「………分かりました」


「ありがとうございます。桃さん!お願いします」


「はいはーい!最初はこの子ですか?」


「……よろしくお願いします」


この子が魔法少女か。

すごいな。めちゃくちゃ魔力を持ってる。

というか僕の体とほぼ変わらなくない?


あくまで僕の感覚の話だけど、僕の体、天使の肉体は魔力がたくさん入ってる肉体って認識。

特に翼もないし輪っかもない。本当に魔力を持っている以外は人間と同じに思える。

まぁ転生したてだし、進化をすれば何か変わるかもだけど。


「あれ、あなた魔力持ってるね。それも結構な量。じゃあ次はこっちだね」


魔法少女はそう言って僕の前に虫籠を掲げる。

何やってんだ?


「えっと………?」


「あーか。残念。まぁでも候補生にはなれるね。

あ、一応こっちもやっとこっか」


そうして魔法少女が指さしたのはゴツい機械。

………一体何をするんですか!?


スーツを着たお姉さんが機械を操作する。

するとプシューと音を立てて上部が開いた。


「さ、入って」


………もうどうにでもなれ。

機械の中に入って寝転ぶ。

あ、意外と居心地いい。


「じゃあリラックスしてくださいね」


そんな声が聞こえた後、上部が閉まる。

そしてまたもやプシューと音を立てて内部に何か……魔力が充満していく。

本当に何の機械なの?


しばらく、多分5分くらいは経ったかな。

その間もずっと魔力が送られ続けて、最終的にものすごい量の魔力が内部に充満してちょっと呼吸しずらくなった。

そう感じた瞬間、一気に内部の魔力が抜けていった。


そして再び上部が開く。


「はい、お疲れ様ー。あなた凄い量の魔力を持ってるのね」


え、何でバレて……ああ、あの機械が保有魔力を測るみたいな機械だったのかな?

魔物が顕れてそんなに経ってないけど、便利なものが出来てるんだね。


「そう、なんですか?自分ではよく分からなくて」


「まぁ普通の人は知覚出来ないもんね。あ、しんどかったら横になってて良いよ」


「ありがとうございます」


とりあえず、横になりながら色々整理しようか。


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読んでいただきありがとうございます。実は今後の展開について思うところがあり、ストックを全て消しました。今話は急造で書いたもので、色々雑だったと思います。何とか毎日投稿を続けるように努力しますが、文量は確実に減ると思います。

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