第19話 悪巧み
ハワユ〜?メルヘスでーす。
現在配信中で北大前線に潜入中。
:それで今日は何するの?
:仕込みは終わったよね?
「今日はね、保険を掛けに行くんだよ」
:保険?
「そう、仕込んだ魔物が瞬殺されたり何らかの原因で機能しなかった場合の保険。流石に一発勝負なんてしないよ」
フェシズ:確かに保険は大事ね
:でも失敗する?
:失敗しなくてもどっちでも良いんだよ
:あー……何となく分かったような?
「つまりね、この保険が発動しなくても良いんだよ。その時は保険が温存できて色々悪巧みできるしね。
何事も失敗を前提に動かないと痛い目見るからね」
:そういうことか
:俺らにはあんまり馴染みの無い感覚だな
フェシズ:そうねぇ
「これだから完全無欠の神様は……ま、そーゆー訳だから色々仕掛けていくんだけど」
:あれ?
:どうした?
「どうやって保険掛けようかなって」
:考えてないんかいw
:自信満々に話してたじゃんw
:保険、掛けます!(`・∀・´)(何仕掛けよう……)
「しょうがないじゃん!それぞれの支部の中に魔物は仕込んだし、本命のカモフラージュも兼ねた街襲撃の準備もした!これ以上何しろと?」
:まあそれは確かに
:言われてみれば
:あれ?保険いる?
フェシズ:通路を襲撃したらどう?
「通路?ママ、それはどういう意味?」
フェシズ:ほら、援軍に行くときに通る道があるでしょう?
そこを襲撃するのよ
「それだ」
:うわぁ……
:さすが親子や……
:どうやったらそんな悪辣な手段を思いつくんや
:遺伝、ですかね?
「えー酷くない?一番効率いいじゃん。僕は最善手を選択してるつもりです〜。
と、それは置いといて。魔法少女ってどうやって援軍に行くんだろう?」
:車じゃね?
:ワープ装置とかあるかもしれない
:専門の魔法少女がいるかも
フェシズ:私は空路だと思うわ
「どれもありそうだね……車と空路だと対処は簡単だから良いとして、問題はワープやら魔法少女の方だね」
どうしよう。ワープ装置だったら基地内をしらみ潰しに探せば良いから、まだ対処は簡単。けど魔法少女の力で送られるならどうしようもない。いやでも居ないかもしれないし………。
うーん……。
「………決めた。もう一回潜入しよう」
:それが一番良い
:だね
フェシズ:侵入ルートは前と同じ?
「そうだね。侵入のルートは前と同じで良いと思う。問題はワープ装置の場所やら魔法少女の力やらの情報が置かれているであろう作戦室にどうやって侵入するかだけど」
:清掃員になってお掃除でーすってダメなの?
:流石にそこまでセキュリティが緩いはずない
フェシズ:可能性があるとしたら軍人、マジックペルパー、魔法少女に変装だけど……
:難易度高くね?
「そうなんだよねぇ……一番簡単そうなのは軍人に変装だけど、ああいう所って入れる人とか限られてるだろうしなぁ。ほんとにどうしよ」
多分、カードをかざしてとか指紋認証みたいな電子的なセキュリティは無い。軍人だけ、魔法少女だけ、とかならそれなりのセキュリティを付けれるけど、マジックヘルパーもいるからコストが大幅に跳ね上がるんだよ。あれは意外と洒落にならないくらいお金が飛んでいく。
まぁ人が入ってきたら合図を送る系くらいはあると思うけど。
だから見覚えのない人がいると身分証明を求められると思うんだよ。
それを解決するには………増員か。
増員せざるを得ない程の事態を引き起こしてやれば、身分証明を〜なんて余裕はなくなる。
となると………
「試運転だね」
:試運転?
:まーた何か悪いこと思いついた顔をしてるよ
:え、マジでいけるの?
「ふふふ……任せてよ。なんせ僕だからね!」
:ドヤ顔かわいい
:は?かっこいいだろ
:分かる。めっちゃ可愛い
:メルヘスは男だぞ!可愛いなんて言ったら可哀想だろ!
:始まったよ、性別戦争が
フェシズ:ヘルヘスちゃーん!かわいいわよー!
:この人はブレねぇなw
「さぁみんな!
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読んでいただきありがとうございます。
いやぁメルヘス視点書きやすい!今回中々短いですが、キリが良いんで切らせていただきました。次回は魔法少女視点かなぁ………頑張ります
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