第5話 この世界って……
悲報:ポイントはすぐに支給されなかった。
ども、メルヘスです。
この世界のお金をゲットするために自己紹介配信をしました。
しっかりと精神魔法使いって印象付けれたし、自分的には成功したと思ってる。
けど!肝心のポイント支給が!先って事が判明した!!
具体的には3日位らしい。
え、短くね。って思う方もいるかもしれない。
けど想像してみてほしい。
転生して多分三ヶ月ほど。ようやくまともな国を見つけた。
それまでの食糧事情は生肉、生魚、そこら辺の草。
我慢、できると思う?
更に天使の体は中々にハイスペだから、距離があってもバッチリくっきり景色を見れるのよ。
そう、まともに調理された料理を、ね。
海が近いからか、魚料理が主だったよ。
煮付け、蒲焼、フライ。
天使の体はそういった欲求は無いはずなのにヨダレが垂れちゃったよ。
そんな僕に?ポイント支給が3日後?
おお神よ、私が何をしたと言うのです!
仕方ないので漁港にいる魚を捕って食べてみた(迷走)
不味かった。無人島とかで捕った魚の方がまだ美味しかった。
まぁ、この漁港は工場とも近いしね。
ある程度汚染されてたんでしょ。
え、そんなの食べて大丈夫?って思ったそこのあなた!
平気なのです。ええ、バッチリ平気。
なぜなら僕は天使だから。
というか天使が汚染された魚食べてお腹を壊すとかダサすぎるでしょ。
魚を食べた翌日。
無事、お腹を壊しました。
一日中お腹と格闘してたわ。空中で。
僕って見た目10歳前後だから、外でお腹を抱えて倒れてたら病院に連れて行かれる。
当然身分証も親もいないから面倒なことになっちゃうんだよね。
迦楼羅、乗せてくれてありがとう!
そしてその翌日。ポイントが支給される日。
「ポイントが支給されたはずなんだけど………どこで確認するんだろ?」
そう僕が呟くとピコンと音を立ててウィンドウが出てきた。
アカウント名:メルヘス
所持魔法:精神魔法
所持アイテム:神癒のイヤリング
所持ポイント:100ポイント
チャンネル登録者数:900柱
ああ、そういえばこんなのあったね。すっかり忘れてた。
ふむ、100ポイントか。
交換カタログで色々見たけど、これ日本円でそのまま100円ってことになるんだよね。
す、少ねぇ………。100円じゃ、駄菓子屋の小さいお菓子くらいしか買えない。
はぁ……しょうがない。その辺の自販機でジュースでも買おうかな。
そうして僕は100円硬貨を片手に街へと足を踏み入れた。
「うーん、なんと言うか………」
普通、だなぁ。
僕はカフェオレを片手に公園のベンチに座ってそう呟く。
とりあえず、色々街を見て回ったんだけど、前世の街とほとんど変わらなかった。
車とか電車も走ってるし、学校へ行ってる子供も見かけた。
なんなら「いい加減に働きなさい!!」って怒鳴り声も聞こえてきた。
なので本当に前世とほとんど変わらない。
なら魔法に対する耐性とかも無いんじゃね?って思って精神魔法をかけてみたけど使役とか洗脳は出来なかった。
出来たら海鮮丼食べようと思ってたのに。
どこにも魔物の影は見えないし、魔法の類を使ってる様子もない。
探索してるだけでは何も分からなかったから、適当な図書館へ入った。
魔物とかの資料があると思ったんだよ。
結果はビンゴ。
タイトルが『変革した世界』で、魔物などが出現する前と後についてまとめてあった。
まず、魔物が出現する前はまんま前世の世界。
そんな世界が崩れたのは5年ほど前。
突然いくつもの街が正体不明の化け物に襲われて壊滅した。
国は珍しく、すぐに自衛隊を派遣したみたいだ。
しかし、銃火器の類は効果がなく、派遣した自衛隊はその6割が犠牲となった。
逆に魔物は自衛隊を一方的に倒せた事で天敵がいないと判断したらしく、一気に支配領域を広げていった。
なんと一時期は日本の半分以上が魔物の支配領域だったとか。
そんな人類滅亡へのカウントダウンを止めたのが、とある少女たち。
少女たちはどんな強力な現代兵器も効かなかった魔物たちに摩訶不思議な力を使って傷をつけ、魔物を倒してしまった。そして少女たちはこう宣言した。
『私たちは精霊に選ばれた魔法少女。もうこれ以上魔物たちの好きにはさせません!』
政府はすぐに魔法少女と連携をとり、魔法少女のサポートに回った。
魔法少女は数を増やし、今も魔物の支配領域を解放していっている。
「道理で街の近くには魔物がいないわけだ。魔法少女物だとゲートみたいなのから魔物が出てくるのが一般的だけど、こっちでは違うみたいだね」
そして面白いのが、この世界でスラムのような場所が形成されていることだ。
解放した支配領域は魔物たちが暴れたので当然壊れまくってる。
そして復興とは、とても時間がかかる物。
よって自然と復興する場所に優先順位がつけられる。
優先度が低い、別の言い方をすると見捨てられた場所は、表で生きていけない人や崩壊した街の住人で別の街に受け入れられなかった人たちが暮らすスラムと化していると言うわけだ。
いかにも精神魔法の使い所だけど……人間は理性があるから効かないんだよねぇ。
プランはある。配信の構成的にも主役っぽい魔法少女のところに潜り込めればいい。
けど、どのポジションでってのも決まってないし、そもそもどうやって潜り込むんだって話になる。
うーん…………あ、そうだ。
神様たちに考えてもらおうじゃない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んでいただきありがとうございます。今日は予定が入っていたので、これだけの更新になります。明日に三つ……二つくらい更新できればと考えています。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます