闇堕ち魔法少女の作り方@配信中

祓戸大神

陰謀詭計

第1話プロローグ兼説明回

《《》》「You died So, could you please reincarnate?」


「なんて?」


「えっ日本人!?」


「……」


「……」


え、なにこの空気……どういう状況?


「えーと、ごめんなさい。まさかそんな見た目で日本人だとは思わなかったわ」


「ああ、よく言われる。ハーフなんだ」


金髪碧眼の父の血の影響で僕も金髪碧眼。

ついでに体も大きいし、顔の彫りも深い。

そのせいで親切で英語で話しかけてくれる人に変な対応しかできない。


「で、申し訳ないんだけど。なんて言ったの?」


「ああ、あなた死んじゃったから転生しない?って言ったの。

あ、私はフェシズ。神様をやってるわ」


あ、これはどうもご丁寧に……って違う!


「え、死んだ?誰が?」


フェシズと名乗った女性が僕の方を指差す。

ふむ……

チラリと後ろを振り返るが、誰もいない。

ふむ……


目をゴシゴシと擦ってみる。

変わらず指さしているのは僕の方。

ふむ……


「いや、あなたよあなた。後ろにいる誰かでもないし、あなたの見間違いでもない。ついでに疲れによる幻覚でもないわよ」


「いやでも……」


「直近の記憶を遡ってみなさい。それで分かるわ」


直近の記憶?確か……

親戚で集まって水琴窟を聞きながら食事をしていたんだよね。

あっっ!!旬の魚の盛り合わせ食べ損ねた!!


ちくしょう!めっちゃ美味しそうだったのに!!


「いやそんな記憶どうでもいいわよ。さっさと思い出して?」


そんな、だと……?いや、確かにここで話すことではない。

えっと、ちょっとトイレに行った時にふと、庭を散策したくなって外に出たんだよね。そしたら何故か叔父上がいたんだよ。


この前、不祥事がバレてーー僕がバラしたんだけどーーウチから追い出されたのに。

けど纏ってる雰囲気が普通じゃなかったんだ。

よくよく見れば、その手には包丁が握られていて、いやにキラリと太陽の光を反射していた。


そして叔父上は、小太りしてるくせに何処にそのフィジカルを隠していたんだってくらいのスピードで突っ込んできたんだ。

包丁を構えたまま。


僕も早く逃げれば良いのに、腰が抜けちゃってて尻餅をついちゃったんだ。

その後は推して知るべし、かな。


「……はぁ。やってくれたな叔父上。

まいったな。僕、許嫁がいたのに……」


「不運だったわね。許嫁の様子でも見る?

ちょうどあなたの葬儀をしてるわよ」


「……気になるけどパス。何が悲しくて自分の葬儀を見なきゃいけないんだよ」


「そ。ま、何にせよ自分が死んだっていうのは分かった?」


「ああ……おかげさまでね」


刺された場面とか正直思い出したくもなかったけどね。


「じゃあ話を進めましょう。あなた、転生する気ない?」


「する気ない?って言われてもね。何も説明ないのに決断はできないよ」


ついでに嫌な場面を思い出したおかげでその気は結構低いよ?


「それもそうね。じゃあまずは簡単にね……」


フェシズの言ってたことをまとめるとこう。

僕が取れる選択肢は二つ。

1:転生せずに通常通り、記憶を消して次の生を謳歌する。

2:転生するなら、色々決めることがある。


2に関してもうちょっと詳しく深掘りすると、まず種族が天使固定。次に転生特典魔法を一つ選択。

そして配信活動をしてほしいこと。


「とりあえず1に関しては質問はない。2はあるけど」


「当然ね。逆に1にあるって言われても困るわ」


「まず一つ目。何で種族が天使固定なの?」


「その方が管理しやすいからよ」


「管理?」


ちょっと穏やかでない言葉が出てきたぞ。


「ええ。転生して何をしようが、基本的にはその人の自由よ。

前世の記憶を使って荒稼ぎをしようが、転生特典魔法を使って大虐殺しようとね」


結構自由だね。

神は現世にあまり干渉しないのかな?


「けど世界の運営を乱すほど破壊をした時、これだけは別。

基準とかは省くけど、結構な規模の破壊をした時は強制的にこっちに連れてきて牢獄送り。

そんな時に相手が人間だと一々探さないといけないし、探している間に更に破壊をするかもしれないわ。

そんな時に神の眷属扱いの天使ならすぐ見つけれるし、最悪の場合は遠隔で消去すれば良いしね」


なるほど。確かにそれだと天使の方が都合が良いみたいだ。

というか、最悪の場合は遠隔で消されるのか………

怖いな……


「ちなみに転生する側が天使になる事で何かメリットってあるの?」


「メリット?うーん……不老な事とか?

あとは、生まれた時からある程度の戦闘能力を持ってるとか、食事とかトイレとか不要な事かしら?」


不死ではないのね。

生まれた時からある程度の戦闘能力を持ってるのは良いね。

戦闘能力が必要になる世界なのかは分からないけど、メリットで挙げるってことは多くの場合、必要なんだろう。


「じゃあ、天使から別の種族になりたいって時はなれるの?」


「無理ね。堕天すれば可能だけど、そういうわけではないでしょう?

あ、でも進化できるわよ。最終的には神に昇格もあり得るわ」


「進化ってもしかして能天使から力天使にみたいな感じ?」


「詳しいのね、その通りよ。他に質問はある?」


「あるよ。転生特典魔法だけど、どんな種類があるの?」


天使なのに暗黒魔法とか使えたら面白そう。


「はい、一覧」


どれどれ……


破壊魔法:結合に干渉して何でも破壊する魔法。対象の強度によって消費魔力が変動する。

自然魔法:植物に干渉して操る魔法。無から種子を生成できる。

重力魔法:重力に干渉して操る魔法。セーフティがかかっており、一部の現象は再現不可。

                 .

                 .

                 .

おお。めちゃめちゃ数あるね。

全部確認するとしたら下手したら三日位かかるかも。


「多いねぇ。選ぶなら時間がかかりそうだ」


「まぁ、魔法は神々の権能を模したものだしね。

と、それは良いのよ。特典魔法に関してちょっと提案があるの」


「提案?」


何だろ?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


拙作を見つけて、読んでいただきありがとうございます。説明回はあと一話ありまして、その後に転生を果たします。どうか、これからもこの作品をよろしくお願いします。

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