第36話 魔法少女としての“力“

「まさか………空間を操る能力!?」


まぁそうなんだけど、それだと色々不都合があるから誤魔化させてもらおう。


「いえ、違います」


「え、違うんですか?」


「はい。うーん……何と言ったら良いか………

単純に言うと入り口と出口を作るって感じですね」


「入り口と出口、ですか?」


「はい。入り口と出口は先ほど見て頂いたように、あの穴に入るものなら何でも輸送できます」


つまり、転移はできるけど、空間斬とかの空間由来の攻撃は出来ませんよってことだ。

転移に攻撃まで出来るってなったら戦場に掻き出されて暗躍できる時間がない。

だから、仕事は転移だけってことにしたい。


「何でもとは、生物も可能ってことですか?」


「はい。先ほど私が手を突っ込みましたから確実です」


「あ、確かに……では入り口と出口はどれほど距離を離せられますか?」


「少なくとも目の届く範囲では可能ですね。それ以外はやってみないと分かりません」


本当は世界の裏側でも余裕だけどね。

座標が分かれば、だけど。

まぁ計算できないこともないんだけど、アホほど桁が多いし難しいからね。


それならイメージ転移の方が簡単だ。

イメージ転移とは現地に行って細かい情景を覚えて、それを思い出しての転移の事。

こっちなら複雑な計算も要らない。


これが目視できる範囲なら自由に転移できる理由だ。

目の前に景色があるんだからイメージもしやすい。


「そうですか……では自衛は?」


「うーん……出来なくもないんですが……魔物に効くかどうか」


「ちなみにどのような手段なんですか?」


「先の尖った物を上空に送って落とす。ですね」


「あー……それは相当弱い魔物でないと……」


「ですよね」


他の方法としてはさっきのデモンストレーションで爆弾をデリバリーしたり、毒を散布とかだけど……

全部、魔物には効かないんだよねぇ。

一定以下の強さの魔物には効くだろうけどね。


「……分かりました。これで登録は完了です。

まだ決定では無いですが、今後のソラさんの立場は六華と同等になると思ってください。

それほどソラさんは稀有な能力を発現させました」


マジか。

六華になるのが暫定的な目標だったんだけど。

後方支援的な部隊に配属されて実績を組んで〜って段階を踏んでいくと思ってた。


これは嬉しい誤算だ。


「ええ!?あの、六華って魔法少女の頂点的な人達の事っすよね?

何で私が………あ、すみません」


「いえ大丈夫ですよ。むしろ楽な口調で喋ってください。

そうですね。詳しく説明すると………」


説明をまとめるとこんな感じ。

僕の発現させた『転移』というべき能力は、今までで一度しか確認されていない系統の能力らしい。

魔法少女は発現させた能力によって系統分けがされていて、僕は概念系に分類される。


そしてもう一人の概念系の魔法少女は六華のリーダー的存在らしい。

だから同じ概念系能力の僕には大きな期待が掛かってるってわけだ。

それと、僕の護衛がしやすいからだって。


自衛に不安がある僕には魔法少女の護衛が付くかもしれないみたい。

魔物はもちろん、人間からの襲撃からも守れるようにって。

魔法少女の敵は魔物だけじゃないってわけだ。


やっぱりと言うべきか、魔法少女に敵対する勢力があるみたい。

主にスラムの人達らしい。まぁ理由は察しがつくよね。

で、厄介なのが向こうにも魔法少女がいること。


それも複数。流石に1桁らしいけど。

その魔法少女が強いらしくて、今までに何人かこちらの魔法少女が犠牲になったとか。

まぁ要するに僕がその犠牲にならないようにするよって感じだね。


正直、護衛はすっごく邪魔だけど………

本当の本当、いざとなったら護衛の魔法少女は魔物の餌にしよ。


「なるほど。

敵対している魔法少女がいるのは、とてもびっくりっすね」


「ええ、一般には伏せられていますからね。

これが表に出るとギリギリの均衡が崩れちゃいますから」


へぇ。いい事聞いたね。

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短いですが、これ以上書こうとするとキリが悪いんです。

すみません。

後、まだ契約して得た力を決めれてない(ボソッ

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