概要
実際に語り継がれる京都の伝承を元にしたこの作品では、文壇を目指す栗彦という名の男が、夢を叶えると言われるおみくじの内容を不服とし、底が着くまで引き明かした挙げ句、最後にはその肉体を狐に奪い去られるという結末を迎える。
ある日“怪奇蒐集家”であり骨董屋の店主であるメザメの元へと、栗彦の妹だと名乗る女が、兄の魂を取り返して欲しいと依頼に来る。
ツユと名乗った女曰く、『異界のおみくじ』はフィクションではないという事である。
怪奇に目がないメザメは興味を示し、ツユの依頼を受ける事に決めた。
ツユはメザメの助手だというフーリという男と共に、怪奇を追う旅に出るのであった。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!一編の怪奇小説に誘われた先に待つものとは
web小説サイトに『異界のおみくじ』という小説が投稿された後、怪奇蒐集家のメザメの元を女子大生のツユが訪れる。
異界に囚われた兄を救ってほしい――ツユによると小説に書かれた内容は事実であり、兄自身のことが書いてあるのだと言う。
兄の中に巣食うモノは何者か? 何の目的で『異界のおみくじ』を書き上げたのか? など、提示される謎も多くミステリ要素も楽しめます。
また、登場キャラクターも魅力的で、美貌だが冷酷なメザメ、兄のためにひたむきなツユの他、人懐こい大型犬のようなフーリ、ナルシストな国民的俳優安城らが怪奇の世界を彩ります。
息もつかせぬ展開が待っており、是非最後まで読んでほしい作品です。 - ★★★ Excellent!!!兄の身に起きた怪奇に立ち向かう女子大生、そして……美貌の骨董品の店主
「異世界おみくじ」から始まる物語。
0話でゾッとしてしまった私は、ドキドキして1話目に進みました。
そこで登場するちょっと生意気な女子大生ツユに、嫌味っぽい美貌の店主メザメ。
二人のやり取りに呆気に取られていると、ツユが怪奇蒐集家のメザメに「異世界おみくじ」がフィクションではないと語り、そこから物語が展開していく。
登場人物たちがとてもいいです。
ナルシストぎみな俳優の安城、メザメの助手的存在のフーリ。
ツユとのやり取りがコミカルで、楽しいです。
怪奇に近づいていくにつれて、再びホラーテイストに。
読んで損はありません。
読後もヨシな作品。
ぜひ、お試しあれ。 - ★★★ Excellent!!!一編の怪奇小説に誘われて……
舞台はとある骨董店。
店主のメザメは、年齢不詳で、和服の似合う、妖しい美男子。ちょっと意地悪で口が悪いのが玉にキズ、でしょうか。
ある日、彼の店に、女子大生:ツユが訪れます。
彼女が持ち込んだのは、一編の怪奇小説。しかし、彼女は言います。
「これは空想ではない。この小説の主人公である兄の魂を取り返してほしい」と。
そして、ツユとメザメは、この怪奇小説の謎を追っていくことになります。
一編の怪奇小説から始まるミステリー、とでもいいましょうか。
始まりが怪談ですから、彼女たちの行く先にどんな怪奇が待っているのか……ちょっとビクビクしています。お化け屋敷の次の仕掛けを警戒しているような気分…続きを読む