冒頭から強烈なインパクトのある作品でした。
主人公が学校に通っている描写があるのですが、クラスメートや周りの人たちが「顔の〇〇が抉れている」などの描写があり、「これ、どう見ても普通じゃない……!!」と、異質なホラー描写に圧倒されます。
そしてぐいぐい読み進め、ラストへ。「ああ、そういうことなのか」と腑に落ちると共に、完成度の高さにひたすら感嘆。
幽霊の描写っていうと大きく分けて二種類あって、「死んだ時の凄惨な状態で見る人を怖がらせるタイプ」と、「死後は生前の状態がリセットされて、綺麗な形で出てくるタイプ」がありますが、死後の世界(天国とか常世とか)だと、後者が普通というイメージがあります。
前者の状態の幽霊が生活してるような町とか世界が描写されるのって、他ではあまり見ないのれとても鮮烈な印象を与えてくれました。
『異界めぐり』をしている感じがひしひしと伝わってくる本作、雰囲気もあってとても面白かったです。