第58話

 【エナジー波】が鎧ゴブリンと杖ゴブリンに向かって進み、杖ゴブリンのを守る様に前に出ている鎧ゴブリンに命中する前に、杖ゴブリンが杖を振るう事で現れた土の壁に防がれる。


 「何だ?でも無駄だ!!」


 放出するエネルギー量を増やす事で【エナジー波】の威力を上昇させて、【エナジー波】が命中した際にひび割れた土の壁を砕き、その先に居るだろう鎧ゴブリンと杖ゴブリンの2匹に【エナジー波】は向かう。


 だが、鎧ゴブリンが切先を天に向けた剣を振り下ろして放った斬撃が【エナジー波】を切り裂いていく。


 切り裂き進む斬撃が【エナジー波】を2つに切り裂いたが、それも途中でエネルギーの奔流に斬撃が負けて消え去り、【エナジー波】は鎧ゴブリンと杖ゴブリンを飲み込んだ。


 「はぁああああああ!!!!!!!!」


 ここであのゴブリンたちを倒すと決めた俺は、4つのエネルギーの放出量を増やして【エナジー波】の威力を上げる。


 そして両の手のひらから【エナジー波】を放つのを止めて倒せたかの確認をすると、そこには鎧ゴブリンも杖ゴブリンも姿は欠片もなく歌詞飛ばされていた。


 あのゲートから出たゴブリンの群れの中でも上位の個体であった2匹のゴブリンを倒した事で、【エナジー波】を放った際に起きた衝撃で近寄らなかった周りのゴブリンたちは怯え始める。


 怖気付いているゴブリンの群れを見て、このままだと散らばる様に逃げ出すのではないかと思い、俺は怯えているゴブリンたちの数を減らす為に攻撃を開始した。


 とにかくゴブリンを倒せる威力の【エナジー波】を進化エネルギーのみで放ち続ける事で、俺は視認可能なゴブリンの数を減らしていく。


 「これで3発目だ!!【エナジー波】ぁあああ!!!!!!」


 数の多いゴブリンを倒す為に障害物の少ない方向へと【エナジー波】を放つが、3回も【エナジー波】を行なえば、恐怖で怖気付いていたゴブリンたちも殺されまいと逃げ出した。


 「効率悪いな。イチ、俺が全力で薙ぎ払う様に【エナジー波】を放てば、周りの家やマンションを一気に破壊する事は出来ると思うか?」


 流石にこの場所では1番上だろうと思われる鎧ゴブリンと杖ゴブリンを倒す時の様に考えなしに【エナジー波】を放てば、家やマンションに大穴を開けることが出来たが、周りの物全てを破壊して倒す気で【エナジー波】を放った場合が分からない為、俺はイチに聞いた。


 すると、イチから帰ってきた返答は可能だがエネルギーの消耗が激しくなり、戦闘に支障がないことを考えれば2回が限界だろうとの事だった。


 「ならやるか。ゲートに逃げ込んでいるゴブリンも居るし、ゲートを中心にしよう。」


 【エネルギースラスター】へと進化エネルギーを送り込み、機動力を上昇させた俺はゲート前まで一気にゴブリンを轢き殺しながら向かって行った。


 「邪魔だ!【エナジーブレード】!!!」


 ゲート前までたどり着くと、俺は【エナジーブレード】を発動して、ゲート前のゴブリンたちを切り殺していく。


 ゲートへと逃げ込めないとゴブリンの群れの多くが立ち止まっている間に、俺は【エナジー波】を放つ為に両手に4つのエネルギーを溜め始めた。


 「全力だ!!【エナジー波】ぁあああ!!

!!!!」


 両足と背部の【エネルギースラスター】を使用しながら、背後に下がらない様にして全力の【エナジー波】を放った。


 一方向に放った【エナジー波】を身体を動かして薙ぎ払って行き、そうしてゲートを中心に180°のものは【エナジー波】を受けて消し飛ばされる。


 「まだ向こうに逃げてるゴブリンが居るな。早く倒しに向かった方が良いだろうけど、その前に反対側も同じ様にやらないとな。」


 そうして俺はゲートの裏側に回ると、先ほどの様に【エナジー波】を放って薙ぎ払って行き、ゲートを中心にして360°全て何もかも消し飛ばすのだった。

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