第67話

 だが今回は大型ロボットとの距離も離れており、ミサイルの誘爆による影響も離れた場所で破壊すれば問題ないはずだ。


 ミサイルが発射される瞬間にこちらも手のひらから【エナジー弾】を放ちミサイルの迎撃を行なった。


 放った【エナジー弾】はミサイルの迎撃に成功する。それもかなり距離の離れた位置でミサイルの破壊に成功した為、俺のいる場所まで爆風や熱は来ることはなかった。


 そして3回目のレーザー照射をされる前に融解しかけている地面から足を離して移動を開始した。


 1歩歩くだけでも身体から痛みを感じるが、それも時間が経つごとにその痛みも再生して引いていく。


 武装【機動鎧】の再生もスラスターとスラスターに装着された【エネルギーブースター】以外の再生はあと数十秒で終えるところまで来た。


 あと1分くらい時間を掛ければ完全に武装の修復を終えられる。だが、3回目のレーザー照射を大型ロボットは行なおうとしていた。


 武装、肉体と再生が終わっていない状況だが、今回はレーザー照射を受けるよりはましだと身体能力を強化して駆け出した。


 1歩足を地面に着ける度に身体に痛みが走るなか、俺はレーザー照射の狙いを付けられない様にしながら走って行く。


 その間にも武装と肉体の再生が行なわれていくが、再生のみに力を入れていた時ほど再生速度は早くはない。


 それでもここでレーザー照射を受けるよりは全然良い。俺は大型ロボットのレーザー砲のない背後に回り込もうとしていると、大型ロボットのレーザー照射が開始された。


 ある程度レーザー砲自体を動かせる大型ロボットは、常に俺を狙ってレーザー砲と大型ロボット自身が動く事でレーザーが俺を追う様に迫って来ている。


 「これ、不味い!完全に囲まれた!!?」


 逃げる俺の左右上空とレーザーが照射された事で囲まれてしまい、その囲みも徐々に狭まり始めた。


 まだ辛うじて上空のレーザーとレーザーの間には俺が通り抜ける隙間があるが、今の武装で使用可能なスラスターは数が少ない。


 その為、飛行も安定しておらず、上手くレーザーとレーザーの間にある隙間を通り抜けられる自信がないが、ここでスラスターを使用して飛ばないとまたレーザー照射を受けてしまう。


 出来る!俺は出来る!!と言い聞かせて、俺は使用可能なスラスターに使用可能なエネルギーを送り飛行する。


 使用可能なスラスター自体が左右でバラ付きがあるせいで上手く飛行する事が出来ないが、なんとか空を飛ぶことには成功した。


 そんな飛行した俺に合わせる様に照射されたレーザー自体も動き出すが、俺はなんとかレーザー照射で作られた囲みの中から抜け出す事が出来た。


 そして不格好ながらもレーザー照射が終わるまでの間、大型ロボットからの攻撃を完全に躱すと、次に行なわれるだろうミサイルに備えて【エナジー弾】の準備を始める。


 レーザー照射終了後、案の定大型ロボットは腹部の装甲を開いてミサイルを発射しようとしており、俺は腹部にミサイルが収まった状態で誘爆させれば、それだけで倒せるのではと思いながら【エナジー弾】をミサイルに狙いを付けて放った。


 大型ロボットがミサイルを放つ前に【エナジー弾】を放った事で、大型ロボットがミサイルを発射してすぐにミサイルに【エナジー弾】が命中して爆発を起こす。


 爆発を起こしたミサイルの煙が消えると、そこには腹部の装甲が破損して腰を地面に下ろしている大型ロボットの姿があった。


 大型ロボットのすぐ近くで爆発が起こった結果、腹部の開いていた装甲が破損して閉じる事がなくなった様だ。


 これで装甲のない目に見える弱点が出来たと、俺は武装と肉体を再生しながらも【エナジー弾】をミサイルが収まっていた腹部を狙って放ち続けていく。

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