第18話

 ナビゲイター000001番は、まず地球防衛機構とは何かを説明を始めた。


 地球防衛機構はこの世界が生まれてから管理していた組織で、知的生命体が地球に生まれてから地球の観察と世界の防衛を行なっていた様だ。


 「この世界を管理しているのが地球防衛機構って事で良いのか?」


 「その認識で合っています。ですが、地球内での活動はしておりません。地球世界の外側からやって来る者に対する対処が主ですね。」


 この世界の地球の外から来る存在から守りながら、地球の観察をする組織って事で良いのか。


 「それならなんで、あの侵略者たちは現れたんだ?」


 「それを説明しますね。」


 何故この世界に異世界からの侵略者が現れたのかから説明される。


 「まずこの世界を狙う世界は多数あると思ってください。その前にランクは分かりますか?」


 「ステータスに表示されていたのだろ?」


 「それです。ランクは存在の強さを表しています。最高ランクは10。この10ランクの存在が常に束になってこの世界を狙っています。」


 「ッ!?マジか……!!」


 最大ランクの侵略者に狙われている。その事実に驚いてしまう。1つランクが上がっただけでもかなりの強さを得られた。


 それが最大ランクでしかも束になって襲って来るなんて、一体なんでそんなにこの世界は狙われるって言うんだ。


 「我々地球防衛機構はそうしたランク10の侵略者と戦い続けていたのです。ですが、今回は問題が起こりました。」


 「問題?それはなんだ?」


 ランク10の侵略者と長年戦っている連中が問題視する事は一体なんだろうか。


 「この世界を狙う異世界の全てが同盟を組んだ事なんです。」


 「は?えっ、それって不味くないか?」


 「ええ、不味いですよ。それでもなんとか防げてはいたんです。ですが、同盟を組んだ世界は他の世界にもこの地球世界の事を伝えたんです。」


 「その同盟を組んだ世界の連中は、この世界の何かを欲しいから攻めてるんだろ?他の世界にも伝える様な事をしたら侵略に成功しても利益が減るんじゃ?」


 「そうですね。ですが、異世界の者たちがなんでそんな事をしたのかは分かりません。そして、攻めて来る異世界が増え、そのせいで防壁の一部に穴が空き、他世界と繋がる通路が生成され、その通路はゲートとして出入り口が出来たんです。」


 それが世界中に現れているゲートの正体って事なのか。ゲートの向こうにある通路を通れば異世界に繋がってるって事でもあるんじゃないか?


 思った疑問を聞いてみると、ナビゲイター000001番から返答が返って来る。


 「その通りです。それで、一度繋がったゲートを閉じるには二つの世界のゲートの操作が必要なんです。その為にも向こう側で活動する事が可能な者を増やす必要があります。」


 「向こうに行って活動可能な人にゲートを操作させるのか。でも、それって地球防衛機構の人たちはやれないのか?」


 それが出来ない事情があるんだろうな。出来るなら、侵略者がゲートから出た時に俺たち選ばれし者が対応しないといけないって事はなかっただろうし。


 「先ほど言った通り、地球防衛機構は防衛戦力のみで、他世界を攻める余裕がありません。戦力が多かった時も他の世界には興味を示さなかった者たちですから、尚更に。」


 「地球にしか興味がない連中の集まりなんだな。」


 「まあ、そうです。」


 「それでなんでこの世界はこんなにも狙われるんだ?それは分かってるのか?」


 「同盟後に参加した世界の理由は教えられます。」


 「その前は?」


 「マスターの権限が足りませんので教えられません。権限を上げる必要があります。」


 権限、新しいワードが出て来たけど、これは地球防衛機構に取って役に立てば上がるのだと思う。


 「今現在、攻めて来ている侵略者の理由を教えてくれ。」


 「分かりました。」

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