第30話

 このままじゃロボットに近付かないせいで倒せず、光弾の様なレーザーを放つロボットに俺の方が倒されてしまうだろう。


 俺にも遠距離攻撃の手段があればと思っていると、イチからアドバイスを受けた。それはエネルギーを凝縮させて放出するという方法だ。


 聞いたばかりで受けたアドバイス通りに出来るのか分からないが、この危機的状況に闘争心が湧き上がり、それに釣られて進化エネルギーが身体の奥底から大量に湧き出て来る。


 そうして湧き出て来る進化エネルギーを3つのエネルギーに変換して、4つのエネルギーを手のひらに集めると、4つのエネルギーを凝縮させていく。


 その間にも俺に向かって大量の銃弾が命中し、5機のロボットから放たれるレーザーを回避していた。


 「なんとか凝縮出来た!!これを放出する!!!」


 手のひらに集めて凝縮させた4つのエネルギーをロボットたちに向けると、手のひらからエネルギーを放出して凝縮したエネルギーがロボットたちに向かって放たれる。


 エネルギー砲と言える攻撃は真っ直ぐにロボットたちの一団へと向かって行くと、銃撃で射出される銃弾を消滅させながらロボットたちの一部を飲み込んで、エネルギー砲が命中したロボットたちは爆発を起こす。


 「マスター!新しく技を取得出来ましたよ!」


 「やっぱり技になったか。これで使いやすくなったはずだ!!」


 先ほどの様に手のひらにエネルギーを凝縮させ様とすると、先ほどよりも簡単に4つのエネルギーを凝縮させる事に成功した。


 そしてすぐに固まっているロボットの集団に向けてエネルギー砲を放ち、ロボットの一団を破壊する。


 2回目のエネルギー砲の威力は1回目よりも倍以上の威力を持っており、1回目よりも多くのロボットを倒した。


 これで銃弾を大量に浴びせて来るロボットの数が減り、レーザーを放って来たロボットも数を減らして残り3機だ。


 銃撃で受ける銃弾の数が減った事で、銃弾が当たった衝撃で動きを抑える事がなくなり、俺は両手に【エナジーブレード】を発動すると、強化した身体能力に任せてロボットたちとの距離を詰めて行った。


 ロボットたちに近付く度に両腕を振るいロボットを切り裂いて倒して進み、ロボットの数を減らしていく。


 ロボットの数が減る度にどんどん俺の動きは良くなって行き、最後の方は銃弾に当たる事なくロボットを倒していた。


 「あと1機!!」


 レーザーを放つロボットを残してゲート前の広場はロボットの残骸が大量に転がっていた。そんな中を走る俺に向かってロボットは胸部の装甲を開くと、そこから光弾の様なレーザーを俺に向かって放って来た。


 「はぁ!!」


 ロボットから放たれたレーザーを【エナジーブレード】で切り払うと、俺は正面からロボットに接近すると、右腕を縦に、左腕を横に振るってロボットを十文字に切り裂いてロボットを倒した。


 「ふぅ……終わった。疲れたな。」


 「お疲れ様です、マスター。休憩しますか?」


 「いや、このまま日本の最後のゲート内に向かうよ。イチ、転移してくれ。」


 「分かりました。これより転移を開始します。」


 イチに転移をする様に頼み、俺は日本最後の熊本県ゲート内へと転移する。


 そうして転移が終了して周囲を確認すると、どうやら吸血鬼世界のゲートの通路は夜の西洋の墓場の様な場所だった。


 「この辺りには誰も居ないみたいだな。イチ、侵略者たちの世界に繋がるゲートはどっちにある?」


 イチに目的地のゲートのある方角を教えてもらうと、俺はゲートに向かって走り出した。


 先ほどまでのロボットたちとの戦闘の高揚が消えていない状態の今の俺は、進化エネルギーが無尽蔵と呼べるほどには湧き出しており、その進化エネルギーを変換して身体能力を高めて移動して行く。

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