第12話
一切の傷がない武装の全身鎧に4つのエネルギーを消費して【硬化】を使用すると、強化された身体能力と硬い鎧を活かした打撃を俺を囲んだゴブリンたちにぶつけていく。
拳を振るっては破壊し、腕を薙いでは千切れ飛び、全身でぶつかればバラバラに散らばった。
「グギャッ!ギャギャギャアア!!!!」
先陣を切ったゴブリン部隊が全滅すると、今度は残りのゴブリンを連れた大柄のボスゴブリンが向かって来る。
「気を付ける必要があるのはアイツだけか。」
大柄のボスゴブリンに意識を集中させて、俺は向かって来るゴブリンたちを迎え打つ。
衝撃は来るが、そこまで危険性のないゴブリンたちの攻撃は無視してゴブリンを倒し、常に確実にボスゴブリンからの攻撃だけは回避する。
重く鋭い一撃をボスゴブリンは振るう。命中すれば俺の武装でも傷が付くと思う斬撃だ。そんな斬撃を振るうボスゴブリンだけど死ぬと感じる事はない。
「もう、良いか。」
技術があるボスゴブリンの攻撃の観察を終えると、俺はボスゴブリンへと反撃に出る。
握っていた拳を手刀の形に変えると、4つのエネルギーを操作して手に集め、更に4つのエネルギーを消費して手刀を振るう腕にのみ【硬化】を掛ける。
そうして振るわれた手刀がボスゴブリンの振るう剣と衝突すると、キンッと澄んだ音が聞こえた。
カランカランカランと音がすると、そこにはボスゴブリンの剣の刀身が転がっていた。
「これで終わりだ!!!」
自身の剣が半ばで切断されて唖然としているボスゴブリンの顔面を狙って、今度は【エナジーナックル】を叩き込んだ。
ボスゴブリンの顔面に直撃すると、ドンッ!!と大きな音と衝撃波が発生し、ボスゴブリンの顔面は拳の形で凹んでいた。
「もう一発だ!!!!」
膝から崩れ落ちようとするボスゴブリンは辛うじて生きており、ボスゴブリンに確実な死を与える為、俺は追撃の一撃をボスゴブリンの凹んだ顔面を狙う。
そして、先ほどとは反対側の手で【エナジーナックル】を発動してボスゴブリンの顔面を殴った。
追撃の一撃がボスゴブリンの顔面に決まると、今度は顔面を砕き、発生した衝撃でボスゴブリンは脳味噌を辺りにぶち撒けて、今度こそ息の根を止める。
「「「ギャッ、ギャウ??グギャア!!!ギャギャアアア!!!!!!」」」
ボスゴブリンが倒されると、俺の周囲を囲んで襲っていたゴブリンたちは、何が起こったのか分からない様子から一気に恐慌状態へと変わって逃げ出そうとする。
「逃すか!!ここでお前ら、全滅だあ!!
」
手刀の形を取った両手に4つのエネルギーを送り、手刀に沿ってエネルギーの刃を生成すると、俺は手当たり次第にゴブリンたちを切り殺していく。
動きの遅いゴブリンに追い付いて袈裟斬りに切り殺し、別のゴブリンには手刀の形のままで貫手でゴブリンの頭を貫通させて、まとまって行動していたゴブリンたちにはその真ん中に移動して1回転して両断した。
「ふぅ、これで最後だな。周りには居ないし。」
そうして目に付く限りのゴブリンを殺し切った俺は自身のステータスを確認した。すると、新しい技を取得していた。
【エナジーブレード】
手刀にエネルギーを収束させてエネルギーの刃を作り出す斬撃技・刺突技
「【エナジーブレード】これを取得したから手刀の構えでエネルギーを集めた時にスムーズにエネルギーが集まったのか。」
ボスゴブリンの剣を両断したのが、【エナジーブレード】の取得のキッカケなのかと思いながらステータスの確認を終えると、俺はゴブリンに犯されていた女性の1人の元に向かった。
「ひっ、嫌!!来ないでぇえええ!!!」
女性の近くまで来ると、女性は自身の身体を抱え込み悲鳴を上げる。
他の女性も含めてなんとか話を聞こうとするが、誰もまともな受け答えが出来ない状態だった。
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