第22話
武装技能スロット、技能、技の3つの空き枠が増えていたからだ。
「何で増えてるんだ?」
「それは報酬ですよ、マスター。マスターが侵略者たちを殲滅したね。これで武装技能スロットの数が増えたので3つ共ポイント交換しても大丈夫です。」
確かにこれならイチのオススメした武装技能スロット用のアイテムを交換しても無駄にならない。
「それなら交換しよう。」
ポイントを消費して3つのアイテムを購入すると、武装技能スロットに3つのアイテムをセットする。
「これで武装に外付けの技能が付いたのか?」
「はい。確かめてみましょうか。」
「そうだな。」
シロに離れて貰うと、俺はリビングの広い位置に移動して武装を身に纏う。全身鎧を身に纏うと、何が変わったのかを確かめてみた。
背部、腕部、脚部、腰部に今までになかった物が新しく追加されている。これがエネルギースラスターなのだろう。
エネルギースラスターに身体の中にある4つのエネルギーの内の1つを流して確かめようとした時、イチに止められてしまう。
「何で止めたんだ、イチ。」
「物があるこの場所でエネルギースラスターを使えば大変な事になりますよ。エネルギーが放出されますし、マスターも吹き飛んで物を壊す事になりますから。」
イチから話を聞いて納得する。そうなった場合の片付けは大変そうだ。だが、それならば何処で試せば良いのだろうか?
その疑問を口に出してイチに聞くと、イチはあるアイテムの事を教えてくれた。それは個人用でトレーニング用の広い空間を行き来する為のアイテムだ。
この空間転移の玉(個人用のトレーニングフィールド)のポイントは、武装技能スロット用に購入した3つのアイテムと比べるとそこまで高くはない。
早速ポイントを消費して購入すると、俺は使い方をイチに聞いてトレーニングフィールドへと転移する。
「ここがトレーニングフィールド……草原なんだな。」
青空の広がる草原。それが俺が購入した空間転移の玉の行き先のトレーニングフィールドだった。
ここならエネルギースラスターを吹かしても問題はないと、試そうとした時にまたしてもイチに止められる。
「今度はなんだ?」
「どうせでしたら、私のオススメする技能を取得してからでも遅くはないと思いまして。」
「オススメの技能?一応聞こうか。選ぶかは分からないけど。」
イチのオススメ技能を聞いていくと、どうやらイチがオススメするのは【エネルギー制御】の技能だった。
【エネルギー制御】はエネルギーの制御力を向上させ、無駄なエネルギーの損失の抑制や多くのエネルギーを使用可能になる技能の様だ。
この技能を取得する事により今までよりも多くのエネルギーを使う事が可能になり、格上との戦いでも少しは有利になるらしい。
もちろん【エネルギー制御】を取得すればエネルギースラスターを使う時でも効率的になり、長時間の使用も可能になるかも知れないとの事だ。
イチの話を聞いて確かにこの【エネルギー制御】の技能は俺に必須の技能だと思うが、他の技能を見ていない為、即答で【エネルギー制御】の技能を取得すると言う事は出来ない。
だから俺は取得可能技能一覧を確認して行った。そして結局はイチのオススメした技能の【エネルギー制御】を取得する事になった。
【エネルギー制御】の技能を取得してすぐに自身のエネルギーを操作しながらエネルギーの制御力が上がったかを確かめる。
「【エネルギー操作】の時でも思ったけど、ここまで変わるんだな。」
「技能はしっかりと考えて覚える必要があると言う事です。エネルギースラスターを使ってみましょう。最初は少量のエネルギーで行なってください。」
「分かった。行くぞ!」
俺はエネルギースラスターへと1番使えるエネルギーの進化エネルギーを送っていく。
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