第2話

 最後の技能の選択を行なっていく。この技能は自身で選択する事が可能な様で、特殊技能の闘争の化身の影響で戦いへの忌避感が無くなった。


 その為、技能の選択は戦いに関係する技能を選択しようと思い、分類として分けられて探しやすい中で見つけた武術の技能を選択した。


 技能の武術は、素手から始まり凡ゆる武器術の初歩的な心得の取得。攻撃時の威力や命中に補正が掛かるそうだ。


 これで選択する事が出来る項目は全て終わらせる事が出来た為、改めて光の板であるウインドウの確認を行なっていく。


龍崎 亮 りゅうざき りょう

ランク1

武装【全身鎧】

武装技能【硬化】

武装装備スロット【】

特殊技能【進化のチカラ】【闘争の化身】【超強化再生】

技能【武術】

技【】


 ちなみに今は武装装備スロットと技は選択する事が出来ない。武装装備スロットは武装装備スロット内に入れられるアイテムがないから。技の方は何かしらの条件を達した際に取得するかどうかが表示されるらしい。


 ウインドウの確認を終えて残り時間を確認すると、残り時間はあと3分ほどある様だ。


 「わふわふ!」


 「もう大丈夫だぞ、シロ。」


 「わふー!」


 シロを撫でると、ゴローンと横になるシロのお腹をわしゃわしゃと撫でまわす。


 闘争の化身で精神的に変わったみたいだけど、完全に可笑しくなった訳じゃないみたいだな。今もシロの事が大切だと思えているし。


 自身の気持ちの整理も行ない、最後にシロの頭を撫でると、俺はどうすれば武装の展開を行なえるのか、それが何故か分かる為、選択した武装の全身鎧を展開して身に纏う。


 立ち上がって突如全身鎧を身に纏った姿を見て、シロがきょとんとした表情をしているが、その表情を可愛いと思いながら身体を動かしていく。


 「全身鎧だから動き難いのかと思ったけど、それほど動き難い訳じゃないんだな。それに関節部分も伸縮する金属で守られてるみたいだし。」


 残り時間が1分を切っているが、心境は恐怖や緊張もあるが、それよりも大きな戦いに勝つ、生き残る、そんな強い強い感情が心境の多くを占めている。


 そんな感情を持っているからか、身体の奥底から大きなエネルギーが湧き出ている感覚がしており、これは進化のチカラが効果を発揮して進化エネルギーを生み出しているのだろう。


 「あと10秒か。シロ。俺、頑張って生き残って帰ってくるからな。」


 「わん!」


 シロの頭を撫で、これから行なわれる侵略者との殺し合いの覚悟を決めていく。これが闘争の化身がなかったら、こんな覚悟は一生出来なかっただろうと思っていると、いきなり自宅のリビングから見知らぬ場所に転移していた。


 「ここは何処だ?」


 周囲を見回していると、俺と同じ様な選ばれた者たちが多く居る。その殆どは剣や槍などの武器を選択している者が多かった。


 それにこの場所は、転移してすぐには分からなかったが、隣の市で一番大きな駅前だと分かった。


 だから、地球防衛機構に選ばれていないと分かる様な一般市民も多く居るのだろう。


 そんな一般市民を守りながら戦う事は出来ないと、俺の特殊技能の闘争の化身の効果でなんとなく認識する。


 一般市民たちもこの場所が危険だと分かっている者たちは、すぐにこの場所から立ち去っているが、そんな事も分からない者たちはスマホを向けたりと野次馬をしている。


 そんな野次馬一般市民を見て死にたいのか?などと思っていると、隣の剣を持つ選ばれた高校生くらいの男性が話し掛けてきた。


 「なぁ、お前も選ばれた人なんだろ?」


 「そうだ。」


 馴れ馴れしく接してくるコイツに対する好感度が下がっていく中で、高校生男子は提案をして来た。


 「お前、そんな鎧を着てるんだしさ。お前が前衛に立って俺を守れよ。武器も無いんだしさぁ!良いだろう?」


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る