異世界大戦
甲羅に籠る亀
第1話
両親も亡くなり、家には飼い犬のシロと一人と一匹で暮らしている。俺は龍崎亮。職業無職のニートである。
日課にしている朝の散歩から帰った俺はいつもの様に惰眠を貪ろうとした時、それは起こった。
『地球人類の皆さん。私は地球防衛機構です。この世界に異世界からの侵略者が道を作り出しました。これより選ばれた者には侵略者との戦闘を行なって貰います。これに拒否権はありません。地球を守る為に、人類の存続の為に、戦う事を要求します。』
「?……何だこの声?それに侵略者?テレビでも付けてたか?」
横になっていたソファからテレビを見るが、テレビは消えていた。それならこの声は何処から聞こえて口るのか。そんな疑問を持っているが、謎の声の話は続いていく。
『選ばれた方の目の前に光の板を出現させます。それを操作して力を得てください。侵略者が作り出した道が開通するまで残り時間は10分です。』
「うおっ!!」
「わふ!!」
目の前に光の板が出現した。それに驚いて声を上げると、その声に驚いたのか、近くで眠っていたシロが驚きの声を上げて目を覚ましていた。
「これは、俺が選ばれた、のか?…………俺が?」
侵略者との戦いに選ばれた事に疑問が湧くが、この声の言う通りなら戦いは強制的に行なわされるのだろう。
「10分って声は言っていたな。それなら時間がない!急がないと何の準備も出来ずに戦わされる!!」
ソファから身体を起こした俺は急いで目の前に現れた光の板であるウインドウを確認していく。
そこには幾つかの項目があり、その項目の確認すると、その中の一部が操作可能な項目なのだと気が付いた。
「操作できるのはこの項目か。それなら早く操作して選ぼう。」
武装【】
武装技能【】
特殊技能【】【】【】
技能【】
まずは武装と書かれている項目から選択を行なっていく。武装の位置を押すと、様々な武器や防具が光の幻影としてウインドウから投影される。
「本当に色々あるな。でも、この中から選ぶなら防具だ。喧嘩の一つもした事がないんだから、身を守る手段は防具に頼った方が良いに決まってる。」
色々な防具の中から俺は全身鎧の防具を武装として選択すると、次は武装技能を選んで行った。
武装技能は武装が備える特殊な力の事らしい。そんな武装技能の中から硬化の武装技能を選択する。
硬化の武装技能は、常時発動型と発動型の二つを兼ね備えている武装技能で、常時発動型としては常に武装の強度を上昇させて、発動型としては何かしらのエネルギーを消費する事で強度を上昇させる様だ。
次に特殊技能の選択をしようとするが、特殊技能は完全にランダムで選ばれると表示された。
「ランダムか。外れの特殊技能があったら最悪だぞ。それでも選択しないと駄目か。時間がない!」
特殊技能のランダムを押すと、三つの特殊技能が選択された。選ばれたのは、この三つだ。
一つ目は進化のチカラ。この特殊技能は感情を自己進化のエネルギーに変える特殊技能らしい。自己進化エネルギーは強力なエネルギーで、肉体や精神、それに武装や技能にも影響を与えるそうだ。
二つ目は闘争の化身。戦う事に対する意欲を上げて、精神を昂らせる効果がある。それに戦いに対して本能的に身体を動かす事を可能にする様だ。
三つ目は超強化再生。これは怪我や体力、自身から発生する全てのエネルギーの回復速度を再生の域まで上昇させて、更に再生前より強化して再生を行なう特殊技能だ。そしてそれ以外にも武装の再生も可能で、使用可能なエネルギーを消費する事で再生力と再生速度の上昇も可能な様だ。
特殊技能を選択してからもう既に影響が出始めた。二つ目の闘争の化身の効果、戦う事に対しての忌避感が薄れた感じがする。これから行なわれる戦いへの恐怖が薄れていくのを感じるからだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます