第34話
「わふわふ!!」
「ん、朝になったのか。おはよう、シロ。」
「わん!」
身体をすりすりとして起こしてきたシロを撫でながら目を覚ますと、俺は身体を起こして起き上がる。
そして目の前に浮いている球体が視界に入り、昨日の濃密な出来事を思い出す。
「マスター、おはようございます。」
「おはよう、イチ。」
空中に浮いているイチに挨拶をすると、欠伸を1つして横になっていたベットから立ち上がると、朝の身支度を済ませて、隣を歩くシロの散歩に向かった。
「ここら辺は変わらないな。」
「マスターが侵略者たちを殲滅したお陰ですよ。外国よりも日本はそのお陰で平和です。」
あんな事があったのにも関わらず、いつもと変わらない風景をシロと一緒に散歩して行った。
そうして日課の散歩を終わらせて自宅に帰ると、早速朝食の用意を行なっていく。
朝もポイントを使って料理を購入して朝食を食べ終わると、今日は何処に向かうべきかをイチに相談する事にした。
「海外の危険なゲート内の侵略者の殲滅です。」
「やっぱりそれか。」
昨日は大量のロボットと戦う事になってしまい、戦えはするが、その数の多さには疲れてしまう。
大規模な殲滅方法があれば別なのだろうが、本当にあの数と戦うのは苦労する。
「じゃあ昨日の続きと行きますか。」
「はい。それでは転移を行ないます。」
「シロ、行ってくる。」
「わん!!」
シロに見送られながら俺は転移すると、昨日最後に転移したゲート内の通路へとたどり着いた。
「今日は転移後の先制攻撃はなかったな。」
辺りを見回してロボットの襲撃を警戒するが、どうやらロボットたちが周囲に居ない事を確認すると、俺は遠目で見えたロボットの方向へと走って向かう。
4つのエネルギーで行なう身体強化を施し、更に移動速度を加速させる為に【エネルギースラスター】を使用しながら、俺はロボットたちとの距離を詰めて行く。
ロボットたちからの銃撃を放たれるが、俺は【エネルギースラスター】を吹かせる事で、その場から距離を取りながらロボットたちへと距離を詰めて接近する。
武装技能の【硬化】を4つのエネルギーを消費して使用すると、ロボットを殴り砕いて行った。
拳や足から繰り出される一撃がロボットの装甲を砕いて破壊して行き、辺りのロボットを全て破壊した。
「ふぅー。これで最後だな。周りを見ても、そんなにロボットは居ないし。昨日のロボットたちでかなり消耗したのか?」
「そうかも知れませんね。それでは異世界のゲートへと向かいましょう。」
イチが指し示す方向へと、俺は駆け出して行った。
機械生命体の世界へと続くゲートがある方向へと向かっているからか、遭遇するロボットの数が多くなって来ていた。
それでも歯応えのあるロボットは居らず、単発式のレーザーを放つロボットが現れない限りは、俺の拳や蹴りで装甲を砕いてロボットを倒していく。
そうして進んで行った先に機械生命体の世界へと続くゲートを発見したが、その周りには数え切れないほどのロボットたちが待ち受けていた。
「あれは新しい奴か。」
空を飛んでいる100機を超えるドローンが見え、そのドローンにはマシンガンが備え付けられたドローンとバズーカが備え付けられたドローンの2種類あった。
それ以外にも数多くのロボットがおり、単発式のレーザーを放つロボットの数も多い。
「まずは空から片付けるべきか?」
空中のドローンたちを見ながら、制空権を取られたままだと、空から一方的に攻撃される恐れが高いと思うが、空中戦闘が可能なほどに【エネルギースラスター】を使い熟せてはいない。
その為、空中戦闘をするかどうかを悩んでしまうが、そんな悩む時間はない様で、ゲートを守っていたロボットたちやドローンたちが動き出してきた。
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