第55話 再会
マリメッコの石つぶて攻撃。
この攻撃がムネタカのポイズンガンを持つ右手に当たり狙いが外れた。
「危ねえ!」
2度同じ手は食わないとばかりに、ムネタカは身を翻し石の弾丸を避ける。
バシバシ!
ムネタカがさっきまでいた場所に無数の小さな穴が出来た。
「さっきからちょこまかとっ……」
マリメッコが苛立ちをあらわにする。
(マーシャのお陰だ。あの訓練のお陰で、正面からなら奴の攻撃を見切ることができる)
ムネタカは自分を強くしてくれたマーシャに感謝した。
「あ〜もう! イライラするう! 私の土魔法が、エルミネア様直伝のストーンロックが効かないなんて!」
マリメッコが首をブンブン振り地団駄を踏む。
まるでダダっ子だ。
フードがハラリと後ろに降りる。
意外にも美少女だ。
(それにしても……)
ムネタカはマリメッコの言葉に引っかかる。
(土魔法とか、言ってたな)
土魔法といえば、茶色の魔石が思い浮かぶ。
茶色の魔石といえば、カドレア家にかつて存在した女神像が思い浮かぶ。
その女神像は10年前、ユメル公爵の手に渡った。
(つまり……)
マリメッコは、茶色の魔石を使って、土魔法を使っている?
よく見ると、マリメッコは石を投げつけているわけではなく、地面にある石を手の平に吸い寄せてそれを高速発射している。
「だとすらなら、これが魔法……」
ムネタカは魔法を初めて目の当たりにした。
その時……
ドス!
「え?」
矢。
ムネタカの足元に矢が突き立っていた。
崖下から誰かが射てきたものだ。
「あんな崖の下から狙って来るとは」
相当な矢の名手がいるのか。
矢は次々飛んでくる。
避けてる内にバランスを崩してしまうムネタカ。
そこにマリメッコの土魔法が襲う。
「うわ!」
ムネタカは崖から足を踏み外し、下に転がり落ちていく。
ドサ!
「いてえ」
起き上がると、そこにはユメル公爵とその騎士団が。
◆
「あ、あの人はもしや……」
馬車から、外をうかがうペル。
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