第1話

 俺は気がつけば、ベットの上だった。鏡を見れば知らぬ顔。だけど、ゲームや小説を嗜んでた俺はすぐに理解したね。


「あれ、なんで、どうなってんのこれ、、、」


 焦りも混乱することもなかった。


「あっ、え、んっ?」


 今から俺の異世界ライフの始まりだ!


 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


 俺はどうやら異世界転生してしまったらしい。幸いなことに俺がこいつの体に入る前の記憶は残っている。


「情報を整理しよう。」


 俺は伯爵家のアルス・フォン・オルレアン。現在は、12歳のガキだ。

 見た目は、金髪の紫眼で前世の俺ほどではないが見た目は良い。

 能力は平々凡々。コミュ力も普通。いわゆる、モブ。


「つまんね。」


 この身体のスペックは実につまらない。けれど、この世界は面白そうだ。なぜなら、こっちに来る前にやってた推理ゲームの世界だ。街並みも地理もほぼ一致している。


 異世界ファンタジー系の推理ゲーム。

 主人公は世界一の名探偵ノア。

 助手に戦闘力チートの女勇者レイカ・キリギリ。


 この世界は異世界ファンタジーだけあって魔法が登場する。事件の全てで魔法が使われている。主人公の目は魔眼で、魔力の流れなどを見れるもので、そこからの情報から推理を展開していく。彼の推理スタイルは珍しい。動機を先に明らかにするといったものだ。


 彼曰く、犯人は魔法を用いるので犯行方法は複数パターン存在する。よって、どうやったのかは重要ではない。「何故やったのか」が重要であると。


 ゲームの内容は、学園生活を行いながら、事件にも巻き込まれそれを解決していく。あるいは、依頼された事件を解決していくといったものである。また、助手のヒロインや学園内で事件先で知り合ったヒロインとイチャイチャするようなギャルゲー的な要素もある。ちなみに、主人公は魔眼で相手の感情とか分かるはずなのに鈍感だ。


せっかくこっちの世界に来たんだやりたいことをやろう。

「主人公と仲良くする」

「モブならモブらしく生きる」

そんなのは面白くない。


俺は…


「悪役になって主人公共を潰す」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る