第7話
俺は今、遺体を運びながら、お嬢様方と一緒に街に向かっている。こんなものここら辺の土に埋めて終わりにしたいが、アンデット化するからいけないと教会から言われている。しかも、教会でよく分からんやつをやってから、燃やして埋葬する。正直言って面倒くさい。
教会のよく分からんやつも金をとるらしいし、金目的でそんなこと言ってんじゃないのか。遺体がアンデット化するとか、ホントかどうかも分からない。
「そういえば、リリア様。どうしてこのような所に?」
「ええと、それはですね。私の婚約者のためのプレゼントを探しにアクセサリーなどが有名な街に探しに行っていたんです。やっぱり、大事な人へのプレゼントは自分で選びたいですから。」
(まじか、婚約者いんのか。そら、いない方が珍しいか。)
「仲がとてもよろしいんですね。」
「ええ、小さい頃からの付き合いなんですよ。一つ歳が上で、来年には学院に行って離れてしまうので、形になるものを渡したかったんです。彼ってとても優しくて、かっこよくて、お強いんです。あっ!申し訳ございません。喋りすぎてしまって。」
「いえ、聞いていて私も幸せな気持ちになりましたよ。あなた達ならこれからもずっと良い関係でやっていけるでしょうね。」
(こりゃ、相当仲がよろしいな。そんな仲の良くて付き合いの長い婚約者がいきなり消えちゃったらどれだけ壊れるんだろうな。)
そこにつけ込むか…
「ふふ、ありがとうございます。アルス様は婚約者とはどのような感じで?」
「いえ、私はまだ婚約者がいないんです。」
「あら、でも大丈夫です。アルス様も素敵ですからすぐに見つかりますよ。」
「あはは、頑張ります。」
公爵家を味方につける。そのために、あなたを婚約者にする。頑張りますよ、リリア様。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
暫く、進むと街に着いた。
門番に事情を話し、遺体は預かってもらった。
そして、遂にたどり着いたぞ。公爵家!我が屋敷と比べてすごい大きい。あと少しで、これが第二のホームになるわけだな。
「リリア様と一緒にいるが、何者だ。」
と、守衛が聞いてくる。
「お待ち下さい。彼は、私の命の恩人です。下がりなさい。」
「!、これは大変失礼致しました。どうぞ、お通りください。」
「いえいえ、大丈夫ですよ。私は伯爵家アルス・フォン・オルレアンと申します。お仕事頑張ってください。それにここまで着いてきたのは護衛ですので、すぐに帰ります。」
守衛ごときにも丁寧に話す。第一印象は大事だからな。
「ア、アルス様、着いてきてくれませんか?お礼もまだできていないので。」
「いえ、構わないのですが、一方的なものはスッキリしませんよね。そのお礼、有難く頂きます。」
――公爵家内
「ただいま戻りました。」
「「「お帰りなさいませ。お嬢様。」」」
中に入れば、たくさんのメイドが並んでいた。さすが、公爵家と言ったところか。俺好みのメイドも何人かいる。
「うおーーー、リリアーーーーー。心配したぞーーー。」
「御館様。まだ、勤務中ですよ。」
「いいではないか。頭が固いな。」
恐らく、リリアの父親だろう。すごい溺愛っぷりだ。これが公爵家のトップだというのか…
「あの…お父様。お客様の前です。こちらは、アルス様。私達が盗賊に襲われているところを助けていただきました。この方がいなければ、私の命はありませんでした。」
「お初にお目にかかります、公爵閣下。私は伯爵家アルス・フォン・オルレアンと申します。」
「なに!?私は公爵家現当主デューク・フォン・アルデンヌ。我が娘の命を助けていただいたこと誠に感謝する。」
と言って、頭を下げた。
「頭をお上げ下さい!私は当然のことをしたまでです。それに、助けることができたのはたまたま居合わせただけなのですから。」
「うっ、本当にありがとう。娘がいなくなったらと思うと、私はもう…」
「アルス様。私からももう一度感謝を申し上げます。助けていただきありがとうございました。」
(あ゛あ゛ーーー。めっちゃ、気持ちー。良いことをすると気分がいいなぁ。)
「あっ、そうだ。娘を助けてくれたお礼だ。なんでもいい。金でも人でもコネでも可能な限りなんでもしてあげよう。遠慮なく言ってくれ。」
「そ、そんな。私は、利益目的で助けた訳ではないのです。」
「私は公爵だ。何もしなければ、周りに示しがつかない。ここは、私の事も助けるつもりでなんでも言ってくれ。」
「それでは、いつの日か、私の願いを一つ叶えてくれないでしょうか?」
「分かった。公爵家の力を頼りたくなった時に、頼ることが出来る。賢い選択だ。」
「ありがとうございます。」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
俺は今、公爵家の客室にいる。
デュークのおっさんが、
「アルス殿、今日はもう遅いので、お礼も兼ねて、泊まっていってはいかがかな?」
と言ってくれたので、お言葉に甘えた感じだ。出された夕食も美味だった。
そろそろ寝ようかっと言ったところで…
――コンコンコン
ドアがノックされた。
「はい、入っていいですよ。」
「失礼します。公爵家メイドのメイです。御館様に申し付けられ、アルス様のお世話に参りました。」
と言って、メイドは下着一枚の姿になった。俺が公爵家に入った時に、見つけた俺好みのメイドだ。さすが、公爵家現当主侮れないな。
ゴクリッ
何発かぶち込んで眠りに着いた。クソ気持ちよかった。
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