32:前途急転

 七月も下旬に差し掛かった頃、結菜のスマートフォンに電話の着信が入った。

 発信者をたしかめてみると、担当編集者である小倉の名前が表示されている。

 鳴り続ける呼び出し音は、唐突な通話に応じるようにうながしていた。


 結菜は、ちょっと驚き、何事かと不安になった。

 昨日までにメールやメッセージアプリでは、小倉から一切連絡が来ていない。

 にもかかわらず直接電話が掛かってくるというのは、かなり珍しいことだった。

 普段なら電話やビデオ通話でやり取りする場合は大抵、事前に日時を申し合わせておく。漫画の打ち合わせに限らず、互いのスケジュールを尊重する傾向にあるからだ。


 そういったアポイントメントなしで通話を要求されるとなれば、緊急を要する案件なり、取り急ぎ相手の耳に入れるべき話なりがある、といった事情が予測される。


 ――もしかしたら「アメジスト」の編集部で何かしら問題が持ち上がって、急に現在制作中の原稿が掲載中止になった、というような通告だったりして……。


 ふと、酷く嫌な想像が思い浮かぶ。

 心楽しまないものの、絶対にないとまでは言い切れない展開だった。

 そう考えただけでも身震いせずにおれず、できれば応答したくない。


 とはいえ編集者は漫画家にとってのビジネスパートナーであり、当然その連絡を無視することなどできるはずもなかった。

 仕事部屋の机の前で、作業を中断しながらスマートフォンを耳に当てる。



「はい、もしもし? 暗黒城ですが」


 結菜は、本気でこのペンネーム変えたい、と心の中で思いながら着信を受けた。

 スピーカー越しに<いつもお世話になっております、『アメジスト』の小倉です>という定型の挨拶が聞こえてくる。ただし平時に比べて、やや声は高揚しているように感じられた。


<突然のご連絡で申し訳ありません。暗黒城先生、今お時間頂いてもよろしいですか>


「ええ、はい。私は大丈夫ですけど……何か、不都合なことでもありましたか?」


 結菜は、恐る恐るといった調子でたずねた。

 どれほど残酷な告知があるとしても、心を強く持つしかない。

 わずかなあいだに覚悟を決めると、話の先を身構えて待つ。


 と、思い掛けない言葉が耳に飛び込んできた。



<以前に刊行された暗黒城先生の単行本ですが、このたび重版されることになりました>



 結菜は一瞬、頭の中が真っ白になり、言葉に詰まった。

 たっぷり三秒余り使って、小倉の報告を反芻し、やっと意味を理解する。

 過去に出版された自分の漫画単行本が、版を重ねることになったのだ。

 増刷分は再び全国に出荷され、書店に並んで、新たな印税が発生する。

 驚きの余り、踏みつけられたネズミのような声が出た。


「じゅっ、じゅじゅじゅ重版、してもらえるんですか!? 私の単行本が!?」


<はい、重版します。電子書籍版も含め、最近は著しく売上が好調なので>


 動揺しながらき返すと、小倉は改めて「重版」という単語を繰り返して答えた。

 いつも隙のない冷静さでコーティングされた口調も、今だけは少し弾んでいる。


<有名書店からも追加の発注がありまして。これなら『ある程度まとまった部数を追加で刷っても大丈夫だろう』と、弊社営業部も判断してくれました>


「え、いやでも、一番新しい単行本でも発売してから一年以上も経った漫画ですよ。それが今になって、なぜ……?」


 結菜は、ていのいい詐欺にめられているような気がして、執拗にたずねた。

 単行本が重版する際、その報告のためだけに連絡が来るものだろうか。

 初体験の出来事なので、何もかもがだまされているような気分になる。


 そもそもホラー漫画というのは、漫画の中でもせまい読者層を相手にしたジャンルだ。

 そういう傾向の単行本は、固定の客層より外側に需要が広がり難い。そのため発売後の比較的短い期間は売上が伸びるが、時間が経過すると急速に売れ行きは下降していくものではないか。

 発売日が一年以上も前となれば、普通なら新規な買い手が生まれる余地などないはずだった。


 ましてやつい先日「アメジスト」が苦境で、紙媒体の雑誌からWeb媒体へ移行する、という話があったばかりなのだ。連載中の漫画についても、次に単行本化できるかは「Web掲載時の閲覧数などを参考にした上で決定する」と言っていたではないか。

 疑り深くなってしまうのも、結菜としては致し方なしだった。



 それで小倉は、担当作家の胡乱うろんそうな反応を察したらしい。

 売上増加の背景と思しき要因を、改めて丁寧に説明した。


<実は暗黒城先生の単行本、ちょっと前にショート動画投稿アプリで話題になっていたんですよ。有名なインフルエンサーの方が、動画で紹介してくれまして>


「……は? ショート動画投稿アプリ? インフルエンサー……?」


<そうです。元々女子高生を中心に人気の動画投稿者で、普段から少しマニアックな漫画単行本を話題にしているそうなのです。それで最近、その方の動画で先生の本が取り上げられたのですね。私も一応拝見しましたけれど、漫画の出来栄えが絶賛されていました>


 結菜が鸚鵡おうむ返しにつぶやくと、小倉はさらに詳しく続ける。


 どうやら小倉が調べたところによると――

 ショート動画で漫画を紹介しているインフルエンサーは最初、とある視聴者からのコメントで結菜の漫画をすすめられたそうだった。そこで試しに手に取ってみたところ、ホラー作品としてのリアリティをはじめ、総合的な画力や気の利いた演出、綺麗なオチが気に入ったらしい。


 結菜は、くだんのショート動画を教えてもらうと、通話を持続しつつタブレットで再生した。

 たしかに小倉の言う通り、自分の単行本が恥ずかしくなるほどたたえられている。

 視聴者のコメントには「凄く気になる」「明日書店で買ってみます」「通販サイトは売り切れですね」「電子書籍版で読むしかないな」といった書き込みがあふれ、活況がうかがえた。


<しかも暗黒城先生の漫画に注目している読者は、連載作品が掲載している『アメジスト』本誌にも関心を持ってくれているようで。波及効果で、最新号は各所の書店で売り切れているみたいなのです>


 小倉は、書店での販売状況に言及する際、補足するように言った。


 それで少し前にSNSを閲覧したとき、「アメジスト」が入手困難になっている、という投稿が散見された理由を、結菜はようやく理解できた気がした。あれは配本数が減少したせいだったのではない。やはり本当に売れ行きが好調だったからなのだ! 


 ところが結菜は、オカルト誌が一部の人間しか話題にしないマイナー媒体だと決めつけていたから、従来の購買層より外側に読者が広がっている可能性に気付いていなかった。

 だからこれまで「アメジスト」が売り切れている背景を、それほど詳しく調べておらず、自分の単行本が評判になっている事実も理解していなかったわけである。



<先生の漫画をインフルエンサーの方に薦めた視聴者は、やはり女子高生らしいのですね>


 コメントユーザーのアカウントを確認すると、プロフィールで判明しました――

 と付言しつつ、小倉は続ける。


<どうやら他にもSNSを利用しているようでして、それもユーザーネームで検索すると、すぐわかるんですが……とにかくあちらこちらで、自分のフォロワーに先生の本を薦めてくれているみたいなんです>


「そ、そうなんですか。ありがたいし、嬉しいですね」


 結菜は、スマートフォンを耳元で持ち直し、幾分そわそわしながら返事した。

 凡庸な返事しか出ない自分に憮然ぶぜんとしてしまうが、小倉はかまわず続ける。


<あとそのユーザーの方は、星澄市在住のオカルトファンだそうです。たしか先生がお住まいの藍ヶ崎市は隣町ですよね。過去の発言を遡ってみると『同じ県内の漫画家さんなので、応援している』というような旨の発言もあったようです。やはり、そういうこともあるんですね……>



 ――星澄市の女子高生で、オカルトファン? 


 小倉から伝えられた情報を耳にして、結菜は不意に閃きを感じた。

 そういう女子高生を、たしかに知っている。面談したことさえあるではないか。

 タブレット上で、素早く指を走らせた。心当たりのユーザーネームを検索する。

 SNSで目当てのアカウントページへ飛び、投稿された発言の一覧をあらためた。


 ほんの少し画面を下方へスクロールさせると、それらしい書き込みはすぐ見付かった。

<普段は『アメジスト』買っていないから最近知ったんだけど、暗黒城結子さんの漫画がマジで怖くて最高だから全人類読んで!>などという記事が、先月の下旬頃から複数投稿されている。

 やはり見立ては、間違いではなかった。


 ――この女子高生、以前に「不思議な空き家」の「取材」で話を聞かせてもらった子だ……! 


 結菜は、星澄駅前の喫茶店で会った女の子のことを思い出し、部屋の天井を仰いだ。

 明南高校オカルト研究会の部員で、颯馬の容姿にすっかり目を奪われていた子たち。

 ネット上でしきりに結菜の漫画を「布教」してくれている人物は、あのときに知り合った二人のうち、オカ研のブログ記事も執筆していた方の女子部員らしい。


 結菜は、いま少し女の子の発言をさかのぼって、目を通してみた。

 SNSに投稿された短文を拾っていくと、喫茶店で面談して以後の様子が窺える。

 その内容によれば、女の子はあのあと律儀にも、結菜の漫画単行本を購入してくれたようだ。自分が「取材」に応じた都市伝説を、プロの漫画家がどのような作品にするか気になって、差し当たり過去作を調べてみようと思った――と、書き込まれている。

 しかしそれがオカルトファンとしては、想像以上に、以来ファンになったという。


 尚SNSの投稿には、純粋な漫画の感想だけでなく、妙な内容の発言も含まれていた。


【それにしても暗黒城さん、取材のときにすっごいイケメン連れていたんだけど、プロの漫画家になるとあんなカッコイイ人に仕事手伝ってもらえるの? アタシも漫画家目指そうかな笑】


 結菜としては、自然と苦笑が漏れてしまう。

 ホラー漫画家に対しての大いなる誤解だ。

 しかも颯馬は仕事を手伝ってくれることもあるとはいえ、作画アシスタントなどではない。

 むしろ絵を描くという行為とは、現在色々な意味で距離を取っているほどなのだ……。



<――暗黒城先生? どうかしましたか>


 スマートフォンの向こう側からペンネームを呼ばれ、結菜は我に返った。

 仕事の電話中にもかかわらず、オカ研所属の女子高生がSNS上で投稿した発言を眺めているうち、小倉とのやり取りから一時的に意識が逸れていた。

 結菜は「すみません、ちょっと手元のタブレットに気を取られちゃって」と言い訳し、曖昧あいまい誤魔化ごまかす。小倉は、ああそうでしたか、とだけ言って、細かいことは追及しなかった。頓着とんちゃくなく先を続ける。


<それで、ここからが本題になるのですが――現在『アメジスト』編集部では、急遽本誌次号で暗黒城先生の作品に関する特集記事を四ページ組もう、ということで動いています>


 またしても虚を衝くような話が提示され、当惑せざるを得ない。


「特集記事――四ページですか? それは今回、単行本が話題になったことを受けて?」


<もちろんそういうことです。基本的には本誌ライターが記事を書いて、暗黒城先生の過去作を紹介する内容が中心の予定ではありますが>


 訊き返すと、小倉は愚問だと言いたげに答えた。

 出版社としては、折角の機会なので畳み掛けるように売りたい、ということなのだろう。

 トレンドは移ろいやすいから、スピード感が重要なのはわかる。ネット社会では猶更なおさらだ。


 そうした推量を裏付けるようにして、小倉はきびきびした口調で続ける。


<特集の中では、先生ご本人のインタビュー企画も組むことになっています>


「……ええっ。それってもしかすると、私が質問受けたり答えたりするやつですか?」


<それはそうですよ、当然です。他の誰に回答させるつもりですか、特集なのに>


 小倉の口振りは、まさに不出来な作家をたしなめるそれだった。

 またつまらないことを訊いてしまった、と結菜は内心反省した。


 そうする間に尚も、小倉は編集部の方針を説明する。


<あと、描き下ろしのカットイラストも掲載したいと考えています。あくまでカットですから、然程サイズは大きくないですが、きちんと対価は発生します。インタビューを収録するのは来週の木曜日でお願いしたいのですが、今日はその辺りも踏まえて、スケジュールを擦り合わせたりさせて頂けませんか>


 いきなり電話で連絡が入った本当の理由がこれらしい、と結菜は得心した。

 すでに次号の原稿作業が進行中なのは知っているから、スケジュールの再調整は少しでも早い方がいい、と小倉は考えたのだろう。細部は後日、ビデオ通話の打ち合わせで詰めるとしても、差し当たり今後の展望を、すぐに電話で連絡してもらえたのはありがたい。


 結菜と小倉はその後、予定が空く日をたしかめ、ひとまずインタビュー収録の候補日を決めてから、通話を切って各々の仕事に戻った。




     ○  ○  ○




 翌日の午後。

 結菜の部屋を例によって、颯馬が大学での講義を終えてから訪れた。

 ただしこの日、すでに結菜は買い置きのレトルト食品で、簡単に昼食を済ませていた。

 そこで颯馬は、いつも通り結菜の食生活に苦言を呈したあと、部屋の掃除に取り掛かる。

 あくまでも世話焼きな気質だからか、じっとしているつもりはないらしい。


 そうして、颯馬が仕事部屋の棚からハンディモップでほこりを払っている最中――

 結菜は原稿に向き合いながら、単行本が重版する件を、世間話のていで伝えた。


「ふうん。それはまた、なかなかの僥倖ぎょうこうだねぇ」


 颯馬は掃除する手を動かしつつ、感心したように言った。


「まさかあの女子高生が結さんの漫画を、そんなに熱心に宣伝してくれているとは思わなかったなあ。僕はSNS自体にアカウント登録していないから、全然知らなかったよ」


「正直言うと、私も以前に都市伝説の話を聞かせてもらったあとは、あの子たちのSNSページをちっとも見ていなかったんだよね。だから本当にびっくりしたよ……」


 液晶タブレットで作業するかたわら、結菜は「これまで怪異の『取材』で会ったきり、連絡ひとつ取らなかったのは、ちょっと不義理だったかなあ……」などと、心の中で考えた。

 とはいえオカ研の女子高生について、都市伝説の件以外で印象に残っている部分と言えば、何より颯馬に強い関心を寄せていたことだ。それがいつの間にか、自分の漫画をあれほどまで気に入ってくれているとは、さすがに思いも寄らなかった、


 ……ただし颯馬の見解は、結菜と随分異なっているようだったが。


「まあでも僕は今回、結さんの漫画が評判になったことにそれほど驚きはないよ」


 颯馬は、床の上に散らばる本を、慣れた手つきで拾い集めている。

 どういうわけか妙に勝ち誇ったようで、得意気な口振りに聞こえた。


「昔から結さんの絵は絶対に人気が出るようになるって、ずっと思っていたからね。単に世間で知られていないだけで、描き続けていればいつか結果は付いてくるってさ」


「それはちょっと買い被りすぎだし、思い込みも強すぎだよ颯くん。商業漫画っていうのは、絵が上手くて面白いからって、必ずしも売れるわけじゃないものだから……」


 結菜の反論は、いつわりなき純粋な本心だ。

 これまでに結菜は、自分より絵が上手く、構成も達者な漫画が売れずに失敗してしまうところを、何度となく見てきた。人気作には完成度の高い漫画が多いことは間違いない。しかし不人気だった漫画は駄作ばかりだったかと言えば、断じて違う。


 自分の漫画が今回注目されたことも、様々な巡り合わせによるところが大きい――

 と、結菜は考えていた。

 当然これまで、常に良い漫画を描こうとしてきたし、そのために努力も重ねたとは思う。

 しかし人の手で生み出されたものが誰かの目に留まることは、きっとある種の奇跡なのだ。

 それは漫画やイラスト、絵画などに限らず、彫刻でも、音楽でも、小説でも、演劇でも……

 あるいはパッチワークキルト作品でも、子供が描いた水彩画であっても。


 ごく身近な相手にさえ、親しみや関心を持ってもらうことは難しい。

 颯馬はおそらく、身をもってそうした事実を知っているはずだった。



「……ねぇ。颯くんはまだ、私と知り合ったばかりだった頃にさ。破いても元通りになる水彩画のことで、困っていたじゃない。どうしても処分できないって」


 結菜はおもむろに語り掛けながら、液晶タブレットの上でタッチペンを走らせる。

 今更だが気になって、過去の出来事で確認せずにいられない要素があった。


「あのときの水彩画って、たしか最後は何で捨てても颯くんの小母おばさんのところへ舞い戻るようになって――それから、いつの間にか霊的な反応も消滅したんだったよね」


 颯馬は「……うん、そうだけど」と、わずかにかすれた声音で返事した。

 作業机がある場所とは室内の反対側の位置で、尚も掃除を続けている。

 結菜は画面に表示された原稿と向き合ったままで、静かに問いただした。



「あれってやっぱり颯くんが仕組んで、小母さんに水彩画を処分させた結果だったの?」



 直後に沈黙の間があった。

 かすかに仕事用PCの内部から漏れ聞こえる冷却ファンの音と、ハンディモップが棚の天板をでる音、アナログ時計の秒針が時間をきざむ音……

 他には、窓越しに遠くから届く屋外の物音しか、数秒余り聴覚を刺激するものはなかった。



 それから、さらにまた五秒ほど挟んで、ようやく颯馬が静寂を破った。


「……あのときはまだ、怪異について『何かしらの手順を踏めば除霊できる』ということを、僕はよく理解していなかった。だから僕が描いた水彩画から霊的な反応が消えたのは、ただ結果的にそうなっただけだよ」


「じゃあ、除霊できる見込みがあるのかもわからなかったのに――君に代わって、小母さんが絵を処分するように仕向けたってこと?」


「あの前日に結さんがデジカメで撮影して、水彩画に宿る怪異は人に害をすものじゃない、というのは教えてもらっていたからね。母さんに直接的な生命の危険まではないと思ったんだ」


 結菜が重ねて訊くと、颯馬は普段通りに世間話の口調で応じる。

 作業机に座って原稿を描いているため、颯馬の顔は見て取れない。

 背後に感じる気配だけしか、今は他に伝わってくるものがなかった。


 結菜は、相変わらず原稿にペン入れしながら、質問を続ける。


「当時あの水彩画に憑いていたのは、たしかに『悪い霊』じゃなかったよ。けれどだからって、どうして自分のお母さんを驚かすような真似なんかしたの」


「それはたぶん、結さんもおおむね察しが付いているんじゃないかな。ああでもしなくちゃ、うちの母親は怪異が実在するだなんて信用してくれなかった」


 颯馬は、苦笑交じりに即答した。


「いや、正しくはあのあとも、いまだに今日まで怪異が存在するとは信じていないみたいなんだけどね。だから実は、あの頃の目論見も成功したとは言いがたいんだけどさ。……でもあの件には一定の意味があったと思っているよ、少なくとも僕は家族のことで悩むことが減ったし」

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