26:スケッチと恋人

 ……そのまましばらく作画し続けて、結菜は「霊視」した光景のスケッチを描き上げた。画像ファイルとして保存したのち、メッセージアプリを利用して、颯馬と飛上のスマートフォンでも共有する。


 今回仕上げたスケッチは、全部で四枚だ。

 まず一枚目は、中学生時代の飛上が読書しているらしい絵。背景は古い家屋の縁側で、室内には他に高齢女性の姿も丁寧に描き込んだ。

 次いで二枚目は、高校生時代の飛上がパッチワークキルト制作に取り組んでいる絵。背景には学校の被服室をイメージした。

 三枚目は、飛上のキルト作品に向けて、男子数名が携帯電話のカメラをかまえている絵。背景は二枚目と同じ被服室だが、別の角度から室内を捉えている。

 最後の四枚目は、大学時代の飛上が展示会にキルト作品を出展している絵。背景に想定したのは、公民館のイベントホールらしきフロアだ。来場客や他のスタッフを何人も描かねばならず、スケッチながら作業量的に多少労力が必要だった。



「これは何というか――さすがに本職の漫画家さんは凄いですね……」


 飛上は自分のスマートフォンで、結菜が描いたスケッチを眺めながらつぶやく。


「それに天城さんが霊能力者だというのも、改めて本当なんだとわかった気がします。いえ先程も言った通り、私は怪奇現象を体験した身ですから、疑っていたわけではないのですが」


 飛上の口調には、複数の感情がブレンドされた複雑な響きがあった。

 漫画家の画力を目の当たりにすることで生じた、純粋な感動と称賛。

 たぶん絵の中の光景が身に覚えのある出来事ゆえ、反射的に感じた驚き。

 余人が知るはずのない事物を、結菜が描き出したことに対する畏怖の念……。


 いずれにしろ結菜のスケッチは、飛上に異能の実在を改めて印象付けたらしい。


「これは私が作ったタペストリーを、天城さんが「霊視」した際にえた光景なんですよね? タブレットでそれをアプリ上に描き出したら、こういう絵になったと……」


 飛上は、尚もたしかめるようにして、しつこく質問を繰り返す。

 キルト作品を介し、自分の記憶をのぞかれたような状況を体験したことが、随分と衝撃的だったようだ。誰しも他者に知られたい過去ばかりではないだろうから、自然な反応かもしれない。

 結菜は差し当たり、はい、そうです、と控え目な態度で首肯するしかなかった。



「……びっくりしました。まるで古い時代の出来事を、今になってスケッチで見ているようで」


「すると飛上さん、四枚の絵に描かれた光景には、何かしら心当たりがあるんですね?」


 飛上がうめくように感想を漏らすと、颯馬は裏を取ろうとした。

 ゆるくかぶりを振りつつ、飛上は問われた見立てを肯定する。


「ああ、うん……。どれも過去に経験した出来事みたいだと、そう感じる光景の絵ばかりだよ」


「そうですか。でしたら一枚目のスケッチから、具体的にどういう出来事だったのか、それぞれ結さんと僕に説明してもらえませんか。今も覚えている範囲でかまいませんから」


 颯馬に頼まれ、飛上は「……わかった、できるだけ思い出してみるよ」と答えた。

 それからスマートフォンの画面を見直し、少し考え込むような素振りを覗かせる。

 どうやらスケッチを細部まで検め、過去の記憶を手繰たぐり寄せているようだった。




 たっぷり一〇秒置いてから、飛上はおもむろに言葉をつむぎはじめる。

 語り掛ける相手に結菜も含めているため、言葉遣いは丁寧だった。


「一枚目のスケッチですが、これはおそらく私が中学生だった頃の出来事ですね。たしか中二の夏休みだったはずですが、田舎にある祖母の家まで避暑に出掛けたことがあったのですよ。そのときの光景が描かれているように見えます。ただし祖母はもう他界していて、今はこの家も他の人の手に渡っていると思いましたが……。

 祖母の家がある地域は、素朴な自然があふれるいい場所でしてね。ただ私は今も昔も、根っからインドアな人間で、折角こういう土地へ出掛けても、ほとんど屋外で遊ぶことに魅力を感じない子供でした。そもそも避暑に来た場所で、なぜあえて暑い日差しの下へ出なければならないのかと、本気で考えていましたから。しかし改めて振り返ってみれば、もったいないことをしていたかもしれない、というふうにも思うのですが。

 それで私は外出せずにいる一方、祖母の家では書棚に文庫本を発見し、それを夢中で滞在中に読み続けていました。元々読書は好きで、余程よほど出歩くより性に合っていたのですね」


「その本というのは何ですか。スケッチを見る限り、一冊だけではなかったようですが」


「『赤毛のアン』のシリーズだよ。私がパッチワークキルトに興味を持ったきっかけの物語さ」


 話の途中で颯馬がたずねると、飛上は苦笑交じりに答える。

 結菜は、なるほど……と思わずちいさな声に出して言った。

 つまり、最初に「霊視」で知覚した光景は、飛上にとってキルト作りが趣味になった原体験と言うべき出来事だったわけだ。


 飛上は、話の先を続けた。



「それから二枚目と三枚目のスケッチは、おそらく私が高校時代に部活動していた頃の様子ではないでしょうか。このときはもうパッチワークキルト作りを趣味にしていて、手芸部に所属していたのですよ。高校生にしては、かなり本格的に取り組んでいまして。生地をひと針縫うたび、ちょっとずつキルトが完成に近付くのを実感できることが、非常に楽しいと感じていたのです。たぶん私は、地道にこつこつ何かを積み上げる行為を好む人間なんですね。

 ……とはいえ当時はキルト作りをしていて、居心地悪さを感じたり、不愉快な思いをしたりすることも少なくありませんでした。手芸部に男子部員は私一人でしたし、同性のクラスメイトの中には、趣味を馬鹿にする人間もよくいましたから。

 学校の被服室で作業していると、何かにつけて揶揄されるようなことは日常茶飯事でしたよ。たぶん三枚目にスケッチされている場面は、そうした嫌がらせしてくる連中が私のキルトを写真に撮って、笑いものにしていたところでしょう」


「私のスケッチを見て、ご不快に思われたならすみません。けれども『霊視』した光景で印象に残った場面は、どうしても絵に描き出さないと、情報の共有が不足してしまうので……」


 結菜は、神妙に謝罪した。

「霊視」の異能は、しばしば怪異に関わる事物の過去を、取捨選択せずに明るみへ出す。それが結果的に関係者を傷付け、結菜や颯馬にも知らずにいいことを知らせてしまう。

 怪異の謎を解くことは、怪奇現象に悩む人を不安から救うかもしれないが、ときとして大いに苦しめる。


 しかし飛上は、苦い過去に触れても、気分を害するには至らなかったようだ。


「いえ、謝らないでください天城さん。もう古い話ですし、パッチワークキルトに関わる怪異に遭遇して、相談を持ち掛けたのは私の方ですからね。それに何しろ、取り分けこのときの出来事に関しては、のちの私にとっても悪いことばかりではなかったのです」


「そう言って頂けると、助かります。……でも悪いことばかりじゃなかったというのは?」


「実は嫌がらせしてきた連中、このあと撮影したキルトの写真をネット上に投稿したのですよ。当然作者である私には無許可でね」


 結菜が恐縮しながらくと、飛上は肩をすくめる仕草をした。


「連中は仲間内で私の趣味を馬鹿にして、笑いの種にしようとしていたようです。ところが実際には、無関係な閲覧者の目に留まって、それが純粋にキルト作品の出来栄えを評価される機会になった。幸運にもパッチワークキルトに造詣ぞうけいの深い方がいらしたのですね」


 揶揄やゆしようとした男子の思惑とは完全に裏腹な展開で、飛上の作品はネット上の好意的な注目を集めた。もちろん元々キルト制作に興味がある界隈の、ごくせまい人々のあいだに限った話ではあるが――

 おおむね「まだ高校生で、これだけのものを作る技術や熱意は素晴らしい」などといったような、趣味を同じくするネットユーザーからのコメントが多く寄せられたそうだ。


 それは飛上にとってはげみになったし、以後もパッチワークキルト制作を続けるモチベーションにもなったらしい。



「それで最後の四枚目のスケッチですが、これはおそらく大学時代の課外活動風景でしょうね。当時は手芸サークルに所属していて、学園祭の他にも年に何回か、学外でキルト作品の展示会をもよおしていたのです。大学では高校時代と友人付き合いの性質が全然違うので、凄く気楽でした。男女問わず、自分の趣味を頭ごなしに否定してくるような相手とは、そもそも接点を持つ必要もありませんでしたからね。手芸サークルは女性部員ばかりで、私のようにパッチワークキルトに興味がある男は、むしろ歓迎されていた印象があります。

 とにかく、この時期は身の回りの環境が良かったこともあって、それまで以上にキルト制作に熱中していました。それでいっそう趣味に注力するようになり、家に自作のキルトや端切れのたぐいを溜め込むようになっていった気もします。学生時代にはまだ親元で暮らしていましたから、今この部屋と一概に比較できない状況ではありましたが……」


「結さんのスケッチは、当時の展示会の様子を忠実に描けていると思いますか」


 飛上の話に耳を傾ける一方、颯馬は再び問いただした。


「この絵の通りだったのなら、学生サークルが開催したイベントとしては、なかなか盛況だったように感じますが」


「まあ、そうかもしれない。きっと集客という言い方は不適切なのだろうけれど、実際そういう部分では成功したんじゃないかな……」


 飛上は、心なしか居心地悪そうに肩を揺すり、はにかみながら付け加える。


「このときは高校時代に私のキルト作品がネット上で話題になっていたことを、まだ覚えていた来場者もいたみたいだからね。そういう人は展示会に作品が出展されると知って、わざわざ足を運んでくれたらしい。ありがたいことだったと思うよ、本当に」




 スケッチ四枚分の説明がひと頻り済むと、颯馬は少しだけ黙り込んだ。

 右手の指を自分の頤に添え、犀利さいりそうな瞳をローテーブルの脇に向ける。

 視線は先程、除けて置かれたタペストリーの上へ注がれているようだった。

 沈思するような間をはさんだあと、またゆっくりと口を開く。


「……結さんのスケッチとは直接関係ないんですが」


 颯馬はソファに腰掛け直し、飛上の側へ目を戻しつつ問い掛けた。


「もし差し支えなければ、飛上さんがお付き合いしている女性についても教えてもらえませんか。たしかええと、佐渡まどかさん、でしたっけ?」


「まどかのことを? それはまあ、別にかまわないが……」


 飛上は、やや意表をかれたようだった。

 不意に話題が他へ移ったため、若干当惑したのだろう。

 だがすぐ気を取り直した様子で、質問に応じようとする。


 颯馬は、ありがとうございます、と礼を述べてから続けた。


「飛上さんと佐渡さん、お二人はどういう経緯で知り合ったのですか」


「ああ、それはね、共通の知人を介して面識を持ったんだよ。非常にありきたりなんだけどね」


 下世話と取れそうな問いにも、飛上は屈託なく答える。


 重ねて訊くと、佐渡との出会いについて、いま少し詳しく付け加えて説明した。

 具体的には、大学時代に所属した手芸部のOGによって、二人に接点が生まれたそうだ。

 最初は佐渡の側が飛上に対して興味を持ち、紹介してくれるように働き掛けたらしい。

 佐渡は、飛上にとっても出身大学の後輩で、ほどなく交際に至ったという。


「後輩ということは、佐渡さんの方が飛上さんより年下なんですね」


「そうだね、ただ後輩と言っても四つ下だから。大学には私が卒業した翌年になってから、彼女が入学してきたんだけどね」



 さらに颯馬は質問を続け、飛上もその都度律儀に回答する。


「ところで交際するようになってから、どれぐらいになるんですか」


「そうだな、もう一年半以上――いや、二年近くと言った方が正しいかな……」


「すると話が少し前後しますけど、飛上さんと佐渡さんがお付き合いをはじめたのは、どちらもすでに社会人になってからだったわけですか」


「そう。だから学生時代には、お互いに一切面識もなかった」


「ちなみに佐渡さんは普段、どういったお仕事をしているのですか?」


「藍ヶ崎市内の旅行代理店に勤めているよ。カウンターセールスの業務が中心だが、現在は旅程管理の資格を取得したので、ツアーコンダクターも担当することがあるらしい。もっとも行き先は国内、というか隣県の温泉街ばかりみたいだけれどね」


「観光関連なら、うちの両親と近しい業種ですね」


 颯馬は、相槌を打ちながら続ける。


「佐渡さんの業務は、いつもお忙しそうですか」


「まあ苦労がない仕事というのはないと思うけれど、やはり暇そうには見えないな。先日ここへ来たときも、私とまどかの休みが一致したのは久しぶりだったし」


 かたわらでやり取りを聞きながら、


 ――飛上さん、こないだ私が土曜も仕事していることを気にしていたのって、もしかして佐渡さんもあまり週末お休みがないからなのかしら……。


 などと、結菜は特に根拠のない想像を巡らせていた。


 旅行業には漠然ばくぜんと、土日の方が忙しそうなイメージがある。

 同年代の女性で、同じように週末も働いている知人が身近にいれば、多少気にすることはあるのかもしれない。


 颯馬は「そうですか、参考になりました」と言って、飛上の話に謝意を示す。

 それから僅かに眉根を寄せ、またしても何か考え込むような素振りをのぞかせた。

 ひとときリビングの中を、奇妙な沈黙が包む。



「――ねぇ、結さんはどう思う?」


 やがて颯馬は顔を上げると、ソファの隣を横目で見て言った。


「この怪異の件、僕らがあれこれ手出し口出しするだけで、本当に解決するのかどうか……」


 思い掛けなく問い掛けられ、結菜は咄嗟とっさの返事に詰まった。


 怪異の問題を、どうすれば解決可能か――

 つまり、多くの場合は「どうすれば除霊できるのか」ということだ。

 これまで結菜は、その手段を颯馬ほど深く思案したことがない。

「霊視」で得た手掛かりを元にして、それを追求するのは(少なくとも颯馬が傍にいるのなら)自分の役割ではないと思っていたからだ。

 そうして実際、通常なら問題解決の手段を、颯馬は誰にも相談せずに導き出してしまう。

 にもかかわらず今回、颯馬は珍しく結菜に意見を求めてきた。だから反応に迷ったのだ。

 颯馬は、本気で結菜の助言を期待しているのだろうか? ……結菜には、そう思えない。


 ――だとしたら、たぶん颯くんは今、私にもっともらしい推理を要求しているわけじゃない……? 



 そこまで頑張って思考を働かせたところで、飛上が口を挟んできた。

 結菜が何か言うより早く、颯馬の意図をたしかめたがっていたらしい。


「それはどういう意味だい颯馬くん。ひょっとして私が遭遇した怪奇現象を取り除くには、天城さんや君の協力を得るだけじゃ難しいのかい?」


「非常に根本的な話になってしまうのですが、怪奇現象が発生する背景には大抵、何某なにがしかの原因があります。少なくとも僕が結さんと過去に接触した怪異には、ひとつとして例外はありませんでした」


 颯馬は、居住まいを正して答える。


「例えば、飛上さんのタペストリーを今、結さんが『霊視』してくれましたよね。それによって知覚した光景を、結さんはタブレットに描き出した。そのスケッチを通して、僕と飛上さんは『霊視』で何が視えたのかを知ったわけですが、そこにはたぶん怪異の発生に関わる手掛かりがあると思うんです」


「怪異の発生に関わる手掛かり――私にとって見覚えのある光景が……?」


 飛上がうなるように反芻はんすうすると、颯馬はそれに「はい」と言って首肯した。

 換言するなら怪奇現象の根底には、何かしら飛上自身の問題が関係している――

 と、颯馬は見立てているわけだった。


「もちろん結さんの『霊視』は元来、過去の出来事を遡って感得する場合が少なくありません。ただそれは必ずしも、怪奇現象と遭遇した当人とは限らない。でも今回の場合は、スケッチ四枚がいずれも飛上さんの記憶にある光景でした」


 颯馬は、んで含めるような言い方で続ける。


「この点を踏まえるなら、結さんや僕が何か行動するのに先んじて、まずは一番の当事者である飛上さんにすべきことがあるんじゃないかと、そう思うんです」


 そこまで言ってから颯馬は今一度、隣の結菜を振り返って見た。

 結菜は、ひとまず調子を合わせて、その言葉にうなずいておく。



 提案を予期していなかったのか、飛上は少し意外そうな表情を浮かべた。


「まず私が為すべきこと、というのはいったい何だい?」


「率直に言えば、この件を佐渡さんにはきちんと伝えてしまいましょう」


 颯馬は、すかさず具体策を持ち掛ける。


「説明しても受け入れられるか不安だ、という気持ちはわかります。じかに怪異と接触したことがない人が聞けば、きっと非常識な話に感じるでしょうから。……しかしそれでも、やはり交際中の相手に何も教えず、結さんや僕が解決の手助けをするのは、あまり良い手筋と思えません。この件は『霊視』の結果に従うなら、どうやら飛上さんのし方と結び付いている。とすれば、過去から未来へ延びる時間の中で、今後の将来に関わる人物と話し合っておくのは、大切なことではないかと」


 颯馬が述べる所見は、丁寧だった。

 静かに話に聞き入ったあと、飛上は身動ぎすら忘れて考え込んでいるようだった。

 これまで以上に重い空気がリビングに生まれ、晴れるまで幾分かの間を要した。


「……わかったよ。たしかに颯馬くんが言う通りかもしれない」


 飛上は、緑茶のペットボトルへ手を伸ばしながら言った。

 空のコップに薄緑の液体を注ぎ、半分ほどまで満たす。


「次にまどかと会うときには、正直に怪異のことを打ち明けよう。信じてもらえるかわからないし、それでまた喧嘩になるかもしれないが」


「はい、どうかお願いします。もしどうしても佐渡さんが納得してくれないようであれば、その際はお二人で一緒にキルト作品や端切れを処分するといいでしょう」


 飛上が請け合うと、颯馬は付け足すように助言した。

 かすかに目をき、飛上は「……二人で?」と問う。

 颯馬は、首肯して続けた。


「いっそ可能ならば、取り分けそこのタペストリーを、佐渡さんの手で処分してもらうべきかもしれません。実際に飛上さんと共に『自分の捨てたものが元のところへ戻ってくる』という現象を目の当たりにすれば、怪異の存在を信用しないわけにはいかなくなるでしょうから」


 コップの中の緑茶を覗き込みながら、飛上は「それはたしかに……」とつぶやく。

 恋人を怪異と接触させることに対し、多少の迷いはあったかもしれない。だが人に害を為す霊ではない、と伝えられていたためもあって、提案に同調する態度を取ったようだ。

 そうしてまたうなずき、機会を作って言われた通りにしてみよう、と約束する。



 結菜はかたわらで、何も言わずにやり取りを見守っていた。

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