第71話 エリナ・グレニーたちは図書室でナイジェルの『錬金手帳』からハンドクリームの錬金レシピを書き写す

シリルを見送ったエリナはナイジェルに視線を向けて口を開く。


「ナイジェル様。ハンドクリームの錬金、どうやって成功したんですか?」


エリナの質問を聞いたレンも、ナイジェルに視線を向けて彼の答えを待つ。

エリナもレンもさっき、錬金に失敗している。錬金成功の秘訣があったら聞きたかった。

ナイジェルは自分の『収納の小袋』から『錬金手帳』を取り出した。


「俺は自分の『錬金手帳』に魔力を込めていないから、レンやエリナにも見せられる。まずはハンドクリームの錬金手順が手帳に書かれているか確認するよ」


ナイジェルはそう言いながら『錬金手帳』を開く。


「ハンドクリームの錬金レシピ、記載されていたよ。特に難しいことはやってないし、手順も少ないから覚えられると思うけれど、ノートに写したいなら写していいよ」


「ありがとうございます、ナイジェル様。私、ノートに写させてほしいです」


「俺も、ノートに写させてもらえたら助かります。申し訳ないのですが、図書室に移動してもいいですか? できれば落ち着いて、きちんと書き写したいので……」


「わかった。図書室に行こう。エリナ嬢もそれでいい?」


「はいっ」


エリナはナイジェルの言葉に肯く。

そしてエリナとレン、ナイジェルはそれぞれの錬金窯等を『収納の小袋』に収納して図書室に向かった。


エリナとレン、ナイジェルは図書室に到着した。

そしてナイジェルの『錬金手帳』からハンドクリームの錬金レシピを書き写すために席に着く。

図書室にはエリナとレン、ナイジェル以外誰もいない。

図書室は壁に掛けられたランプとテーブルに置かれたランプの明かりがあるので明るいが、日差しが図書室内に入る昼間より少し怖い気がする。


エリナとレンはそれぞれの『収納の小袋』からノートと筆記用具を取り出し、ナイジェルがテーブルの上に広げてくれた彼の『錬金手帳』を読み、ハンドクリームの錬金レシピを写し取る。


錬金レシピ名 ハンドクリーム(100g)


①錬金窯に回復薬を100cc注ぐ。


②潤い草の葉5枚を手でちぎって錬金窯に加える


③魔力を加えながら錬金窯をかき混ぜる


④魔力が十分に注がれたら完成


エリナはナイジェルの『ハンドクリーム(100g)』の錬金レシピをノートに写し終えて筆記用具を机の上に置き、顔を上げて口を開く。


「ナイジェル様は潤い草の葉を手でちぎって錬金窯に加えたんですね。だから錬金成功したのかも」


「分量は、適当だったけれどね。『錬金手帳』は、多少間違った分量だったとしても、錬金が成功したら、正しいレシピが記載されるとわかったのはよかったと思うよ」


ナイジェルはそう言ってエリナに微笑み、レンに視線を向けた。

レンはまだナイジェルの『ハンドクリーム(100g)』の錬金レシピをノートに写している途中だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る